SDSLとダークファイバでビジネスソリューションを狙うOCNの戦略 | RBB TODAY

SDSLとダークファイバでビジネスソリューションを狙うOCNの戦略

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 NTTコミュニケーションズは、機器の動作確認や相互接続テスト、実際のネットワーク体感の場所として確保しているアークスター・ネットパークス大手町の施設を、12月7日までBROADBAND OPENHOUSEとして一般開放している。展示内容はコンシューマ向けのADSL接続と法人向けのスーパーOCNを始めとしたSDSL、ADSL接続といったものが中心となり、ビデオチャットやVoIP、IP VPNのデモが見られるというものだ。プライベートイベントのNTTコム版といった形のもので、1日に2回ほどビジネス向けセミナーも実施している。これから社内のIP環境を整えたいという場合や、コンテンツサービスをしたいと考えている法人にとって、展示とセミナの組み合わせは今後のネットワーク構築の参考になることだろう。また、セミナに関しては経営者や業務系オンリーではなく、システムや技術者向けのものも組み合わせて構成されている。無料のものとはいえ、OCNをベースにしたソリューション解説になっているので、目前のプロジェクトをかかえている人にとっては重要な内容となる。


入り口いきなりにAcca8Mのデモが。現状で8Mbpsサービスを主力としたいOCNの姿勢がうかがえる。実際にどんな速度が出るのかを実感できる。

 BROADBAND OPENHOUSEの主力は、OCNのインフラを中心としたものになる。特に、フレッツの1.5Mbps、アッカの1.5Mbpsと8Mbps、スーパーOCNのSDSL 500kbpsという実際にサービスしている回線を引き込み、目の前でそれぞれの速度比較ができる点は大きな特徴だ。ADSLの1.5Mbpsといっても、実際にどれだけのスループットが出るのか、またバックボーンの速度は十分なのかという点は、各サービスを導入してみないとわからない。ましてや、帯域保証をしているスーパーOCNとはいえ、本当に帯域保証されているかどうかの疑問が残る。そんな疑いも、ひとまずこのイベントにくればリアルな数値として体感できるわけだ。OCNのサービス品目に限られるが、ある程度の品質でつなげたいというパワーユーザや法人ユーザにとって、OCNのインフラをありのまま実感できる数少ない施設といえる。また、拠点間接続の足回りとしてADSLベースでVoIPやIP VPNを使ったときのレスポンスや遅延もある程度体感できるので、品質が保たれるならば、SDSLではなくADSLで拠点間接続をしたいなどという目的を実証するにも十分だ。


Acca OCNのADSL1.5Mbpsでの実測。上り429Kbps、下り1Mbpsちょっと。実際のサービス回線での計測値で、スーパーOCNなどの速度と比較できる

 イベントというと、近未来の姿を描き出すものも多いが、BROADBAND OPENHOUSEにおけるインフラの主力は、スーパーOCNのSDSL 500kbpsだったり、アッカの8Mbpsであったりと、メタル回線ベースのものであったり、ATMやFRといった既存のインフラが中心だ。それだけ地に足がついたイベントといえる。ただ、こうしたイベントでこそ、光ファイバへの取り組みを見たいところだが、どうもそのあたりは口が重い。「現状のBフレッツでは対応エリアがまだ狭い」(NTTコミュニケーションズ、企画部主査 関氏)というところが正式表明である。日本全国に顧客を持つOCNとしては、常に全国の利用者をベースに考えているといったアプローチだ。法人中心にコンシューマも加えたイベントであるため、現状ではOCNバックボーンに接続するスーパーOCNのSDSLサービスであり、それに次いで低コストで提供するAccaの8Mbpsサービスという位置付けが中心になっている。OCNにとってのビジネスサービスは、OCNバックボーンというコントロールが自由にできるもののうえに成り立つサービスを展開したいという本音が見えてくる。


スーパーOCN DSLの500kbpsで運用しているオフィス向けビデオチャット。音声も明瞭で、動画もかなりいける。両端がSDSLでなくとも十分に利用できるものになっている

 問題は、プライベートイベントで見えてこないOCNビジネスサービスの今後だ。現行サービスの上で実現するものは、プライベートイベントにくれば実感し、そして堪能できる。しかし、その先の流れは、プライベートイベントだけでは見えてこない。かつて、ビジネス向け低価格インターネット接続サービスの先駆けとなったOCNにとって、光時代を迎えたときの一手は非常に着目しなければいけないものになる。

 その解答は、こんな感じのものになる。首都圏に関しての流れとして、DSLサービスは光サービスの過渡的なものというイメージがほぼ定着している。しかし、光サービスにOCNのバックボーンをつなぎこむには、既存のBフレッツでは途中のフレッツ網がやっかいな存在としてあり続ける。結果的に、ビジネス向けにBフレッツのひとつ上に位置するサービスとして、ダークファイバを利用したサービスの提供をOCNは見込んでいる。実際、イベントにおいて、ダークファイバのサービスをOCNサイドは否定しなかった。サービス可能なところはダークファイバやBフレッツを、光サービスができないところではSDSLやAcca OCNの8Mbpsで法人サービスを提供するという姿が、次のOCN法人サービスの流れになりそうだ。
《RBB TODAY》

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