980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑 智康)は、国内外の公開研究と企業実務における判断研究をもとに、新たな図解レポート「アート思考は、何を変えるのか」全30ページを作成しました。
本リリースでは、そのうち全体の論理をつかむための主要9ページを掲載します。
全30ページの完全版では、仕事の現実から、国内外研究の整理、アート思考によって最初に変わるもの、仕事で扱うための操作的定義、判断への移行、組織条件、AI利用、評価、国内外の参考文献までを一つの流れで収録しています。
今回の出発点は、「アート思考とは何か」という定義そのものではありません。
アート思考によって、実際には何が変わるのか?
その変化は、仕事の判断・行動・結果・組織学習へ、どのようにつながるのか?
この二つの問いから、全体を構成しました。


全30ページ完全版をご希望の方へ
今回のリリースでは、目次に掲載した全30ページのうち主要9ページを掲載しています。全30ページのPDF完全版は、メールで無料でお送りします。
- E-mail:[email protected]
- 件名:「アート思考は、何を変えるのか」30ページ完全版希望
- 本文:会社名・氏名
AIが答えをつくれる時代に、「何を問うか」は誰が決めるのか
生成AIによって、情報を集める、整理する、比較する、複数案をつくる、文章や図の案をつくるといった仕事は、以前より短時間で行えるようになりました。しかし、答えを得やすくなったことと、何を問うべきかが明らかになったことは同じではありません。
- 何を問題として見るのか
- 何を事実として確かめるのか
- 何を成果とするのか
- 誰への影響を考えるのか
- どの未来を望ましいと考えるのか
こうした問いは、答えを生成する前にあります。
例えば、「AIを使って、どう仕事を速くするか」という問いと、「AIで仕事を速くしながら、人と組織に何を残すか」という問いでは、その後に見る事実も、評価するものも、選択肢も変わります。
今回のレポートでは、ここを「アート思考は何を変えるのか」を考える入口にしました。

仕事は完了している。では、本当に望んだ状態になっているか
仕事が予定どおり完了していても、その過程で行われた判断経験が、人にも組織にも残っていないことがあります。- 効率が向上していても、働く人が自分で考える機会を失っていることがあります
- 顧客から依頼された仕事を完了していても、顧客の本来の仕事や状況が良くなっているとは限りません
- 目標数字を達成していても、現場の納得、関係性、学習、将来の組織能力が損なわれている可能性があります
問題は、事実が存在しないことではありません。
現在使っている言葉、数字、指標、問題設定では、起きている現実の一部を十分に捉え切れていない可能性があることです。
本研究では、このような状態を、企業実務を考えるための操作的概念として「まだ名前のない現実」と表現しています。これは架空の世界を意味するものではなく、実際には起きているものの、現在の枠組みでは十分に意味づけられていない現実を指します。既公表の定義編でも同じ位置づけを明示しています。

国内外の研究を確認すると、「何が変わったか」だけでは足りなかった
「アート思考/Art Thinking」という名称のもとでは、自由な発想、自分起点、問い、鑑賞、対話、制作、新規事業、組織変革など、異なる活動や成果が語られています。また、Art Thinkingを直接扱う研究だけでなく、arts-based methods、arts-based learning、workarts、artistic interventionsなど、隣接する芸術ベース研究にも蓄積があります。
そのため、本レポートでは根拠の異なる情報を同じ重さで扱っていません。
- 活動が実施されたこと
- 本人が変化を感じたこと
- 能力や行動に変化が見られたこと
- 実際の仕事が変わったこと
- 組織成果につながったこと
これらを分けて考えます。
国内外レビューでも、Art Thinkingは統一された一つの方法として扱われているわけではなく、異なる活動と成果が同じ名称で語られていること、また自社で定義や実装方法を提示したこと自体は、その妥当性や効果を証明するものではないことを明示しています。
そのうえで研究と企業実務を照合すると、なお六つの空白が残りました。
- いつ起動するのか
- 何を行うのか
- 何が変われば成立したのか
- 探索をいつ終えるのか
- 誰が影響と責任を引き受けるのか
- そして、どう記録・評価するのか
不足していたのは、アート思考についての新しい魅力的な説明というより、起動から評価までをつなぐ構造でした。

では、アート思考によって最初に何が変わるのか
ここまでを、国内外で確立した唯一の学術定義としてではなく、企業の仕事で観察・記録・検証するための観点としてつなぐと、本レポートでは最初に変わるものを三つに整理できます。- 新しい現実の見方
- 探究すべき問い
- 価値仮説
例えば、「仕事は完了した」という見方が、「仕事は完了した。しかし、判断経験は人にも組織にも残っていない」へ変われば、
問いも、「AIを使って、どう仕事を速くするか」から、「AIで仕事を速くしながら、人と組織に何を残すか」へ変わります。
さらに、「次の仕事で使える判断経験が残ることも、仕事の成果ではないか」という新しい価値の仮説が生まれます。
ここで重要なのは、「価値基準」ではなく価値仮説であることです。
新しく生まれた価値を、そのまま組織の正式な判断基準にはしません。
まだ事実、影響、反対意見、法令、安全、品質、倫理、実現可能性などを確認する必要があるからです。この区別は、既公表の定義編でも明示しています。

活動名ではなく、「変化」で仕事に扱えるようにする
- アートを鑑賞した- 自由に話した
- 自分の思いを表現した
- 作品や試作品をつくった
- アイデアが増えた
これらはいずれも、何かが始まるきっかけにはなり得ます。
しかし、それだけでは、仕事の中で「アート思考が成立した」と判定できません。
そこで本研究では、組織の仕事で実践・記録・検証するための操作的定義として、アート思考を次のように扱います。
アート思考とは、既存の言葉や基準では捉え切れない現実を、未確定なまま形にし、その形と素材・他者・状況との往復によって、現実の見方、探究すべき問い、価値仮説をつくり直す思考実践である。
ここでいう「形」は、美術作品だけを指しません。
図、文章、物語、模型、試作品、制度案、仕事の進め方、対話の場、未来の場面など、頭の外へ出し、他者や現実との応答を受けられるものを含みます。
これは、アート一般に共通する唯一の定義を主張するものではありません。
企業の仕事の中で、何が起きたのかを確認できるようにするための操作的定義です。

見方や問いが変わっただけでは、仕事は変わらない
今回のレポートで、特に重視しているのがここです。- 新しい現実の見方が生まれた
- 新しい問いが生まれた
- 新しい価値仮説が生まれた
それ自体には意味があります。
しかし、企業の仕事では、そこから先に確認すべきことがあります。
- その見方は、どの事実によって支持または反証されるのか
- その問いを確かめるには、何を観察・比較・収集するのか
- 誰が影響を受けるのか
- 反対の見方や不都合な事実はないか
- 法令、安全、品質、人権、倫理、契約など、守るべき境界条件は何か
- 他にどのような選択肢があるのか
- そして、誰が最終判断を引き受けるのか。
一方で、探索の途中に既存の評価基準を早く当てすぎれば、まだ十分に育っていない問いや可能性を消してしまうことがあります。
そこで、本研究では探索と判断を分け、その間に移行条件を置く構造を採用しています。
アート思考によって前提を開く段階と、責任ある選択へ収束させる段階を、分断せず、同時に混同もしないためです。既公表の実装・検証編でも、この接続を中心課題として整理しています。

最終的に問いたいのは、「アートを使ったか」ではない
今回の30ページを通じた結論は、アート思考を万能な問題解決手法として位置づけるものではありません。基準が明確な仕事では、その基準に基づき、事実を正確に確認し、判断することが優先されます。
アート思考が必要になるのは、現在使っている目的、問題設定、因果説明、評価指標、成功基準では、起きている現実を十分に説明できなくなった場面です。
そのとき、
- 今起きていることを、どのように見るか?
- 次に、何を確かめるか?
- 何を、望ましい状態として仮置きするか?
を問い直す。
しかし、そこで終わらない。
- 生まれた前提を事実、影響、反対意見、境界条件、選択肢に照らし、責任ある判断と行動へ移す
- 結果を確かめる
- その経験を、次の人が次の仕事で使える形として残す
ここまでつながって初めて、アート思考による変化は、仕事と組織の変化へ接続される。

答えを変える前に、答えを生み出す前提を問い直す
本レポートが示しているのは、「アートを導入すれば組織が変わる」という結論ではありません。また、「AI時代には、すべての仕事で自由に前提を疑うべきだ」という主張でもありません。
必要なのは、現在の問いや基準が現実に適合している仕事と、そこから一度離れて前提そのものを問い直す必要がある仕事を区別することです。
そして後者では、
現実の見方
→ 探究すべき問い
→ 価値仮説
→ 責任ある判断
→ 行動
→ 結果確認
→ 組織学習
までを分断せずにつなぐ。
今回の30ページは、その全体構造を、組織で働く人が自分の仕事から考えられる形にしたものです。
30ページ完全版に収録している内容
完全版では、今回掲載した9ページに加え、「アート思考による変化の段階」「適用範囲」「言葉の混乱」「根拠の読み方」「国内外文献の重心」「研究で報告されている変化」「証拠の到達段階」「判断前提」「考えが変わる仕組み」「成立判定」「起動条件」「主観の扱い」「三つの実践モード」「起動判定と九工程」「組織条件」「運用上の六つの役割」「AI利用原則と価値仮説の統治」「六つの評価観点と成熟度」「調査方法と限界」「国内外の主要参考文献」まで収録しています。本レポートの研究上の位置づけ
本レポートは、公開情報に基づく探索的レビューと企業実務における判断研究をもとに構成しています。網羅的な系統的レビューやメタ分析ではありません。また、本研究で示す「判断前提生成」は、国内外で確立した唯一の普遍的定義や、効果が実証済みの標準手法を主張するものではありません。先行研究で示されてきた知見と企業実務に残る接続上の空白を踏まえ、仕事の中で実践・記録・検証するために再構成した操作的定義・理論モデル・実務仮説・評価枠組みです。
これまでの研究公開
2026年9月2日には、アート思考を企業の仕事の中で実践・記録・検証するための操作的定義として「判断前提生成」として整理した図解11ページを公開しました。AI時代、「アート思考」を曖昧なままにしない ―「判断前提生成」として定義した図解11ページを公開 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000229.000068315.html
2026年9月3日には、起動条件、実践モード、判断への移行、組織条件、AI利用原則、評価までを整理した実装・検証編13ページを公開しました。
AI時代、「アート思考」を概念で終わらせない ―「判断前提生成」の実装・検証を図解13ページで公開 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000230.000068315.html
さらに同日、国内外の定義、教育、企業実践、芸術ベースの組織介入、効果研究を確認し、先行研究との共通点、自社が再構成した部分、まだ十分に検証されていない部分を分けた探索的レビューを公開しました。
AI時代、「アート思考」はどこまで検証されているのか ― 国内外の定義・実践・効果研究を整理した図解26ページを無料提供 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000068315.html
今回の「アート思考は、何を変えるのか」は、この3資料を単純に束ねたものではありません。
組織で働く人が、自分の仕事から読み始め、「何が変わるのか」を理解し、その変化を判断・行動・結果確認・組織学習へどう接続するかを考えられるよう、全体を新たに構成したレポートです。
代表コメント
リクエスト株式会社 代表取締役 甲畑 智康アート思考について、定義、実装、国内外研究との照合を進める中で、最も基本的な問いへ戻る必要があると考えました。
「アート思考によって、結局、何が変わるのか。」
作品を見たこと、自由に対話したこと、アイデアが増えたことと、実際の仕事が変わったことを同じにしてはいけないと考えています。
私自身、2003年に東京藝術大学を卒業し、芸術制作に取り組んできました。しかし、その経験や経歴が、今回の定義や効果の正しさを保証するものではありません。今回の研究で重視したのは、実践の前後で何が変わったのか、その変化を何の事実によって確かめるのか、誰への影響を考え、誰が判断責任を引き受けるのか、そして仕事と組織に何が残ったのかを追えることです。
AIによって答えを得ることが容易になるほど、人と組織には、何を問い、何を価値とし、なぜその選択をするのかという責任が残ります。
今回の30ページが、アート思考を特別な人の感性や一度の印象的な体験としてではなく、日々の仕事における見方・問い・価値・判断・行動・学習の変化として考える材料になればと考えています。

全30ページ完全版をご希望の方へ
本リリースでは、全30ページから主要9ページを掲載しています。目次に掲載した全30ページのPDF完全版を無料でお送りします。
- E-mail:[email protected]
- 件名:「アート思考は、何を変えるのか」30ページ完全版希望
- 本文:会社名・氏名
社内での検討、研修、人材育成、組織開発、新規事業、AI活用、研究等の資料としてご活用いただけます。

組織行動科学(R)について
組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から明らかにし、より善く再現するための研究・実践体系です。リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、企業で働く成人の研究と教育開発を行っています。


リクエスト株式会社について
リクエスト株式会社は、組織行動科学(R)を基盤に、企業で働く人の行動、判断、経験形成、組織学習に関する研究と実践支援を行っています。代表取締役の甲畑智康は、2003年に東京藝術大学美術学部を卒業後、企業の人材育成・組織開発に20年以上携わってきました。芸術における創造の過程と、企業における判断形成の双方を背景に、AI時代の「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」の体系化を進めています。
会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
公式サイト:https://requestgroup.jp
会社概要:https://requestgroup.jp/corporateprofile
お問い合わせ:https://requestgroup.jp/request

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