新潮文庫では9月新刊で『善人たち』『わたしが・棄てた・女』を刊行いたします。


今年9月は『沈黙』『海と毒薬』などキリスト教文学で知られる遠藤周作の没後30年となります。
新潮文庫では30年に合わせて未発表戯曲『善人たち』と遠藤周作が最も愛した作品『わたしが・棄てた・女』を同時刊行いたします。
『善人たち』は2022年に長崎県の遠藤周作文学館で発表された未発表戯曲3作品を収録しています。劇団民藝のために書かれながら発表されなかった「善人たち」「切支丹大名・小西行長」「戯曲版 わたしが・棄てた・女」が収められています。
そして『わたしが・棄てた・女』は遠藤自身が最も愛した「ミツ」という女性を描いた恋愛小説です。
解説者は『博士が愛した数式』で知られる小川洋子さん。小川さんはこの作品を一気に読み終え、
<『わたしが・棄てた・女』を安易な先入観で手にした読者は、最後、本を閉じた時、必ずや言葉を失い、立ちすくむことになるだろう。ありふれた男女関係のもつれが、いつの間にか様相を変え、宇宙的と言ってもいい彼方にまで世界を広げ、一筋の光を届けてくれる。>
と熱い解説文を寄せています。
10月新刊では『聖書のなかの女性たち』も文庫化します。二ヶ月連続、3作刊行となります。
■書籍内容
『善人たち』開戦直前、牧師になるために米国に留学した日本人を主人公に、差別や偽善、憎悪を鮮やかに描き出す表題作他、転び者と蔑まれ、信仰と俗世の栄達との間で苦しむ「切支丹大名・小西行長」。男を愛して男を信じて、それなのにその男に紙屑のように棄てられた女性を描く「わたしが・棄てた・女」。没後発見された三作の未発表戯曲を収録。【解説=加藤宗哉】
『わたしが・棄てた・女』
太平洋戦争に敗れて3年、吉岡努は、どんな女でも構わないという暗い欲望のままに森田ミツと出会い、甘い言葉を囁き騙し、そしてゴミ屑のように棄てた――。吉岡が小狡く社会を生き抜く一方、ミツの人生は転落の一途を辿る。だがミツはひたむきに吉岡を信じ、想い続け、自らが最大の試練に直面してもなお、澄みきった心で悲しみにくれる人に手を差し伸べる。究極の愛を描ききった不朽の名作。【解説=小川洋子】
■著者紹介:遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
(1923-1996)東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。■書籍データ
【タイトル】『善人たち』【著者名】遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
【発売日】8月28日
【造本】文庫版
【定価】 737円(税込)
【ISBN】 978-4-10-112341-7
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/112341/
【タイトル】『わたしが・棄てた・女』
【著者名】遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
【発売日】8月28日
【造本】文庫版
【定価】693円(税込)
【ISBN】978-4-10-112342-4
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/112341/
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