
画像01 Meelとプール全景
株式会社プライムセンス(本社:東京都渋谷区恵比寿西、代表取締役:高木 淳、以下、当社)は、RFID技術を活用したカメラレスのプール安全監視システム「Meel(R)(ミール)」を正式にリリースいたしました。
Meelは、プール利用者が装着したRFIDタグから得られる情報をもとに異変を検知し、監視員へ通知することで、水辺における見守りを支援するシステムです。
画像を取得しないため、水着姿を撮影することなく安全管理を実現できることが大きな特長です。
また、本システムは千葉大学との共同研究を通じて技術検証を進めるとともに、学校水泳授業やスイミングスクールなど様々な環境で実証を重ねながら開発を進めてきました。
2026年、プール安全監視は新たな転換点を迎えています
毎年夏になると、水辺での事故が報道されます。
その一方で、プールを取り巻く社会環境も大きく変化しています。
学校施設のプール老朽化、教員の負担増、維持管理コストの増加などを背景に、全国では学校水泳授業を民間施設へ委託する自治体が年々増加しています。

画像02 学校水泳授業の民間委託イメージ
これまで学校が担ってきた水泳授業を、スイミングスクールやフィットネスクラブなどが受け持つケースは今後さらに拡大すると考えられています。
これは単に授業を行う場所が変わるだけではありません。
民間施設には、これまで以上に高度で安定した安全管理体制が求められる時代になったことを意味しています。
従来の安全管理は、監視員一人ひとりの経験や集中力、責任感という「人的監視」に支えられてきました。
しかし、人だけで長時間にわたり多数の利用者を見守り続けることには限界があります。
社会環境が変化した今、安全管理の考え方そのものも変わる必要があります。
当社は、
「人だけで守る時代から、人とテクノロジーが協調して守る時代へ」
2026年が、その転換点になると考えています。
そこで私たちは、人の判断力とテクノロジー、それぞれの強みを活かす新しいプール安全監視システム「Meel」を開発しました。

画像03 Meelシステム概要図
なぜMeelを開発したのか
プールでは、一瞬の異変が重大事故につながる可能性があります。
しかし、人は疲労します。
視線が外れることもあります。
一方で、テクノロジーは24時間同じ精度で情報を監視し続けることができます。
だからといって、人を置き換えることはできません。
利用者へ声を掛けること。
状況を総合的に判断すること。
そして、救助を行うこと。
これらは人にしかできない重要な役割です。
私たちは、
「監視」と「救助」は異なる役割である
という考え方を出発点にしました。
異変をいち早く検知することはテクノロジーが支援し、その情報をもとに判断し、利用者へ声を掛け、必要に応じて救助を行うのは監視員です。

画像04 人+テクノロジーの例示
サッカーではVAR(Video Assistant Referee)が審判を支えています。
自動車では運転支援システムがドライバーを支えています。
Meelも同様に、人の能力を置き換えるのではなく、人が本来果たすべき役割をより確実に実現するためのパートナーとして設計されました。
Meelの特長
Meelは、パッシブ型RFID技術を活用したプール安全監視システムです。
利用者が「ティアラ」に内蔵されたRFIDタグを装着することで、プール内における利用者の状態を高速通信により常時把握し、異常の可能性を検知した場合には監視員へ通知します。

画像05 ティアラ装着イメージ

画像06 Meelの構成
最大の特長は、カメラを使用しないことです。

画像07 カメラ方式とMeelとの比較
近年、安全対策としてAI画像解析やカメラ監視が注目されていますが、プールでは利用者が水着姿であることから、映像の取り扱いについて慎重な配慮が求められます。
Meelは画像や映像を取得することなく監視を支援するため、利用者のプライバシーに配慮しながら、安全管理体制の強化を図ることができます。
また、カメラでは監視が難しい場所や光(水面の反射、影)の影響を受けやすい環境でも運用できるよう設計されています。
「安全性」と「プライバシー」。
この2つを両立することが、Meelの開発における重要なテーマでした。
千葉大学との共同研究による技術開発
Meelは、当社単独ではなく、千葉大学との共同研究を通じて技術開発を進めてきました。千葉大学には、医学・工学・看護を横断して社会課題を解決する文化があります。
私たちは「千葉大フロンティア医工学センター」との共同研究で、人体装着状態や水面環境におけるRFID通信の特性や、利用者の行動変化を踏まえた異常検知アルゴリズム、安全監視に求められる運用方法などについて検証を重ねてきました。

画像08 千葉大学フロンティア医工学センターとの共同開発
研究成果だけでは実際の現場で活用できるシステムにはなりません。
一方で、現場経験だけでは技術的な裏付けが不足することがあります。
当社では、大学が持つアカデミックな研究知見と、現場が持つ実践知を融合させることで、社会実装を前提としたシステム開発を進めてきました。
今後も、安全性・検知精度・運用性のさらなる向上を目指してまいります。
5年間の研究開発を経て、社会実装へ
Meelの開発は2021年にスタートしました。
「水辺の事故を減らしたい。」
その想いから、技術検証と試作を繰り返しながら開発を進めてきました。

画像09 開発年表
2024年には株式会社プライムセンスを設立し、関連する国内特許を出願。同年10月からは千葉大学との共同研究を開始し、実用化に向けた研究開発を本格化させました。
2025年には学校水泳授業やスイミングスクールなど、さまざまな現場で実証試験を実施し、利用者や監視員からの意見を取り入れながら改良を重ねました。
さらに、展示会への出展や関係機関との意見交換を通じて、安全管理に携わる多くの関係者と議論を重ね、現場で本当に必要とされる機能や運用方法を磨き上げてきました。
そして2026年7月、イオンリテール株式会社が運営するイオンスポーツクラブ 3FIT(プール設備のある全国7拠点)において運用を開始。
現場での運用実績を踏まえ、このたび正式リリースを迎えました。

画像10 プールでの運用イメージ
新しい技術を、現場で使える仕組みへ
Meelは、これまでにない仕組みを取り入れたプール安全監視システムです。
新しい技術を現場へ導入するためには、システムの性能を高めるだけでなく、利用する人がその目的や仕組みを理解し、迷わず正しく使える環境を整えることも重要です。
そこで当社では、システムの開発と並行して、実際の運用を想定した利用マニュアルや行動支援カード、オンボーディング動画などの整備にも取り組みました。
これらの制作には、情報設計やテクニカルコミュニケーションの専門的な知見を取り入れ、現場で「何を確認し、どのように判断し、どう行動するのか」が直感的に理解できるよう設計しています。
(マニュアル制作協力:トリセツのトリセツ株式会社 )
技術をつくるだけではなく、現場で正しく使われ、人の判断や行動につながって初めて、安全を支える仕組みとして機能します。
Meelでは、製品そのものだけでなく、人がテクノロジーを適切に使いこなすための情報や運用の仕組みまで含めて、安全監視システムを設計しています。

画像11 マニュアル
人とテクノロジー、それぞれの強みを活かす
当社は、テクノロジーが人に代わるとは考えていません。
私たちが目指しているのは、人とテクノロジーが互いの強みを活かし合う安全管理です。
テクノロジーは、疲れることなく見守り続けることができます。
例えば、前述のサッカーや自動車での支援。
どちらも、人を置き換えるための技術ではありません。
人が本来持つ能力を最大限に発揮できるよう支援する技術です。
プールにおいては、「監視」と「救助」は異なる役割であり、
人には状況を総合的に判断し、利用者に寄り添い、必要に応じて救助を行う能力があります。
これらは、それぞれ異なる強みです。
Meelもこのような考え方で設計されています。
監視員が利用者一人ひとりへ、より確実に目を向けるための「電子の眼」として、人の見守りを支援します。
リリースに寄せて
代表コメント
株式会社プライムセンス
代表取締役 高木 淳
私たちは、プールにおける事故を完全になくしたいという想いからMeelの開発を続けてきました。
しかし、その過程で私たちが気付いたのは、「優れた技術があれば事故を防げる」という単純な話ではないということです。
安全は、人だけでも、テクノロジーだけでも実現できません。
現場には、利用者の表情や体調の変化を感じ取り、状況を総合的に判断できる監視員の存在が不可欠です。
一方で、人には疲労や見落としといった避けられない課題もあります。
だからこそ、人とテクノロジーが互いの強みを活かし合うことが重要だと考えています。
Meelは、人の代わりとなるシステムではありません。
監視員が本来果たすべき役割に集中できるよう支援し、より安全な環境づくりに貢献することを目指しています。
今後も大学や施設運営者、関連団体の皆様と連携しながら、安全性と実用性をさらに高め、水辺における新しい安全文化の実現に挑戦してまいります。
今後の展望
学校水泳授業の民間委託は、今後さらに広がることが予想されています。
一方、Meelを支えるセンシング技術はプールだけのものではありません。ビーチ沖の洋上アスレチックといった「海」、そして、幼稚園の園バス、高齢者向け健康施設やリハビリテーション施設、ホテル、保養所など、「見守り」が求められる施設が多くあります。
当社では、これらの施設への導入を進めるとともに、さらなる研究開発を通じて、より高い安全性と使いやすさを実現してまいります。
また、研究を継続し、現場から得られる知見を開発へ反映することで、社会に必要とされる安全監視システムへ進化させていきます。
私たちは、「人とテクノロジーが協調する安全管理」という考え方を社会へ広げ、「見守り」に関わるすべての人が安心して利用できる環境づくりに貢献してまいります。

画像12 導入・展開イメージ
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