NEDOは技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式を通じて募る「NEDO懸賞金活用型プログラム」(以下、本プログラム)の新たなテーマとして「NEDO Challenge, Satellite Data -農林水産業を衛星データでアップデート!-」(以下、本事業)の公募を本日開始しました。
本事業では、農林水産分野における新産業や新規ビジネスの創出を目指し、衛星データなどを活用して課題を解決するシステムの開発者に対して総額で最大5000万円の懸賞金を交付します。また、本事業のアンバサダーに、歌手で農業にも携わる村上信五氏が就任しました。
NEDOは本プログラムを通じて、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙います。

図 「NEDO Challenge, Satellite Data -農林水産業を衛星データでアップデート!-」のロゴマーク
1.本事業の概要
日本の農林漁業者が減少する中、さまざまな国際環境の変化に対応し、農林水産業の生産を維持・発展させていくためには、情報通信技術(ICT)などの先端技術を活用するとともに、人材の育成や基盤強化などを図っていくことが必要です。また、バリューチェーンにおける改革を進め、輸出を促進するなど、農林水産業を支える環境の整備にも積極的に取り組む必要があります。このため政府の成長戦略における「農林水産業全体にわたる改革とスマート農林水産業の実現」では、改革を強力に進めることにより、農林水産業の競争力と食料安全保障の強化を図り、人口減少下でも、力強い農林水産業の実現を図るとされています。
一方、衛星データと地上データなどとの組み合わせにより、さまざまな地球規模課題の解決が模索され、衛星データ活用の機運が高まる中、経済産業省およびNEDOは、衛星を活用した、さまざまな社会課題の解決に資するソリューション開発に取り組んでいます。
本事業では、農林水産業全体にわたる課題解決を、衛星データなどを活用することで、より効果的に実現するシステムを公募するものであり、より多くの革新的・独創的な提案を募ることを目的に、懸賞金型コンテストを実施します。この目的を踏まえ、本事業のアンバサダーに歌手で自身も農業プロジェクトに参画されている村上信五氏が就任しました。村上氏が持つ他業種での経験を踏まえた、農業分野への新規ビジネス参画の経験を生かしていただきます。
本プログラムを通じて、将来の新産業や新規ビジネスの創出につながる技術シーズをいち早く発掘し、事業化や実用化の促進を図ります。
2.懸賞広告(公募)の詳細と今後の予定
【衛星データを活用したソリューション開発としての対象テーマ】
■テーマ1:生産現場の課題解決に資する技術開発
衛星データなどを活用した農業・林業・水産業の生産現場における課題解決に資する技術開発を募
ります。
[具体的な応募例]
・スマート農林水産業の実現に向けた技術開発(農機・林業機材・漁船の自動化、スマート灌漑
(かんがい)管理システムなど)
・持続的な農山漁村の維持・向上に向けた基盤整備に資する技術開発(水路・林道をはじめとする生
産現場のインフラ整備などの土木分野や防災分野での衛星活用技術など)
・食料安全保障の実現に向けた生産性向上に資する技術開発(土壌・生育予測、漁場予測、
病害検知、鳥獣害対策など)
・生産活動や供給能力の安定化に資する技術開発(異常気象や気候変動対策など)
■テーマ2:資源の管理・監視および物流の高度化に資する技術開発
衛星データなどを活用した農業・林業・水産業における資源管理・監視および国内外のサプライ
チェーンや輸出入などを含む物流の高度化に資する技術開発を募ります。
[具体的な応募例]
・自治体などが実施する現地確認業務や統計情報の作成の効率化に資する技術開発
・農林水産資源の把握・管理・監視業務の効率化に資する技術開発
・違法伐採、違法漁船、違法転用の監視業務の効率化に資する技術開発
・農林水産分野における各種交付金支払い業務の効果測定業務に資する技術開発
・海外の穀物主要生産地帯や木材の主要生産地帯における広域モニタリング技術の開発
・食料価格の安定化に資する価格予測システム
・木材のトレーサビリティ追跡技術の構築による、産地証明の発行システムの開発
・IUU(違法・無報告・無規制)漁業に対処するための、漁獲物の産地証明発行システムの開発
・輸入計画の最適化に向けた、国内の需要予測システムの開発
・漁獲物の販売価格の最大化に向けた、最適な卸売市場の提案システムの開発
【懸賞金額】
1位1000万円、2位500万円、3位300万円(賞金総額最大5000万円)
テーマ1、テーマ2の受賞者それぞれに交付します。
また上記の賞金とは別に、特別賞などを授与することがあります。
【今後の予定】
・公募期間:2025年5月16日(金)~7月31日(木)
・1次審査(書類審査):2025年8月上旬~9月下旬
・システム開発およびメンタリング:2025年10月下旬~2026年5月中旬
・2次審査(ピッチコンテスト):2026年7月中旬
・懸賞金交付:2026年9月(予定)
【公募サイト】
応募方法、応募様式などは下記Webサイトをご確認ください。
NEDO Challenge, Satellite Data -農林水産業を衛星データでアップデート!-
https://space-data-challenge.nedo.go.jp/
【注釈】
※1 懸賞金型の研究開発方式
諸外国では、政府や財団が研究開発の目標を掲げて多数の応募者を募り、さまざまなアイデアやアプローチをコンテスト形式により競わせ、開発期間を終えた段階などで、目標水準以上の成果を上げた者のうち上位数者に対して懸賞金を支払う仕組み(懸賞金型の研究開発方式)を採用しています。日本では、同方式の実施例はまだ多くありませんが懸賞金は民法に定められており、本プログラムも民法に基づき懸賞金を交付します。
※2 本プログラム
事業名:NEDO懸賞金活用型プログラム
事業期間:2023年度~
事業概要:NEDO懸賞金活用型プログラム https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100268.html
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