シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタルSequoia Capitalの報告によると、「AIはサービス業を再構築し、10兆ドル規模の市場の変革を促進する」とされています。MoBagelのCEOはAIカンファレンスにおいてこの見解を引用し、エージェンティックAI（Agentic AI）がMoBagelの収益を5年で10倍に伸ばす鍵であると説明。また、企業パートナーに向けてAIサービス市場の急成長にともに参画するよう呼びかけました。
AIカンファレンスに台米日韓企業が共同参加
「AI & Beyond」年次会議はMoBagelが主催し、5年にわたり開催されています。2024年は日本のKDDI、シンガポールのTotalEnergiesなどの国際的な業界リーダーが、AIエージェントの実務応用について共有しました。2025年には、2025年には、米国MasterCard（マスターカード）の執行副社長兼チーフ・データ・サイエンティスト、Fujitsu（富士通）シリコンバレー研究開発センターの所長、Deloitte（デロイト）の執行副社長兼パートナー、日本の三大ネット広告代理グループのひとつであるDigital Holdings傘下のVankable代表取締役、世界的ファストファッションブランドSHEINのCTO、グローバル医療機器メーカーBDのサプライチェーン担当副社長、統一グループのFoodomoゼネラルマネージャー、芳茲生技（滴雞精）のチーフ・ストラテジー・オフィサー、そして韓国の著名なAIソーシャルエンタープライズTestworksのCEOなど、各界を代表するスピーカーが登壇し、最新の国際AIビジネストレンドを紹介しました。
MasterCardのデータサイエンス責任者：「Agentic AIの台頭が働き方を変える」
MasterCardのJoAnn氏は、「AIの導入には厳格なデータガバナンスと部門横断の協力が不可欠で、それはスポーツにおける“チーム戦”に似ている」と述べました。彼女はAgentic AIを「チームメイト」として捉え、企業の業務フローを再構築すると述べました。
また、SHEINのCTOは、対話型AIによるソフトウェア開発により、機能検証のサイクルが3日から30分に短縮されたことで、MVP（最小限の実用製品）の早期投入が可能になったと共有しました。
さらに、富士通とMoBagelの協業により、AIによる意思決定の速度が4倍に向上し、高い精度も維持されています。Deloitteと日本のDigital Holdingsは、マーケティングデータをAI財務リスクモデルに統合し、企業のキャッシュフローや売掛金などのリスク管理を支援しています。
GoogleとMoBagelの共同プロジェクトでは、「5Aマーケティングフレームワーク」を活用して顧客を分類し、広告のターゲティング精度を向上。カートに入れたユーザーのコンバージョン率、売上総額、会員の継続率やリピート率が明確に改善しました。
また、芳茲生技はMoBagelの支援のもと、同じマーケティング予算内で売上を倍増させることに成功しました。
この年次会議では、全11セッションを通じて、Agentic AIがいかにしてサービス業に巨大な変革をもたらしているかを実証しました。
MoBagel、企業のAI変革を支援する「C-Suite AIプラットフォーム」を発表
企業のAIサービス変革に対する急速な需要拡大を受け、MoBagelは新たに「C-Suite AI Builderプラットフォーム」を発表しました。本プラットフォームは、企業内のナレッジベースとデータガバナンス、AutoML、MLOps、マルチモーダルモデル（LMM）、RAG、MCP、Agentic Workflowなどの先端技術を統合。経営管理の各領域に特化した知見と融合することで、情報、マーケティング、営業、人事、財務の各部門責任者を支援するAIエージェント（企業向けバーチャルスタッフ）の構築を可能にします。
これにより、AIエージェントは24時間365日稼働し、業務の進捗状況をリアルタイムでモニタリング、異常の兆候を予測、意思決定のシミュレーションによるKPI最適化、さらにはソフトウェアやハードウェアの操作までを自動化。たとえば、受注状況、在庫、製造進捗、キャッシュフローの即時監視や、市場動向に応じた販売・マーケティング施策の最適化、さらにはサプライチェーンや物流の柔軟な調整など、幅広い業務プロセスを包括的にサポートします。
MoBagel創業者でCEO、UCバークレーのメンターでもあるAdms Chung氏のコメント
「AIはソフトウェアの定義を再構築しています。今後10年で、ソフトウェアは“バックグラウンドで動作する存在”となり、人間に結果を通知しつつ、主な操作はAIが担うようになります。そのため、AIの最適なビジネスモデルは、従来のSaaSやライセンス制ではなく、パフォーマンスに基づいた成果報酬型（Performance-Based）です」。
彼は、業界リーダーたちにAI産業のエコシステムへの参加を呼びかけ、今後10年で100倍規模の新市場創造を目指すと述べました。
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