「老後2000万円問題」は全国一律の数字として語られてきた。だが公的年金の地域差と物価水準を反映して47都道府県別に再計算すると、老後30年間の生活費不足額は奈良県の1,639万円から山形県の3,095万円まで、最大1,456万円の開きがあった。
▼数値データ・図版(CC BY 4.0・改変可)はこちら
https://ikigai.town/ja/press/2026-04-22/
「老後2000万円問題」は、2019年の金融庁報告書をきっかけに広く知られるようになった。だがその2,000万円という数字は、全国平均の年金額と支出額から算出されたものだ。
ライフプランメディア「IKIGAI TOWN」(運営:スペシャリスト・ドクターズ)は、厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概況と、総務省の地域別物価指数をもとに、老後30年間の生活費不足額を47都道府県別に再計算した。
その結果、不足額が最も小さいのは奈良県で1,639万円。最も大きいのは山形県で3,095万円だった。その差は1,456万円にのぼる。
不足額が小さい上位は奈良県、愛知県、千葉県、兵庫県、神奈川県。大きい方は山形県、沖縄県、秋田県、高知県、青森県が続いた。
●額面が高くても不足額が小さいとは限らない
注目すべきは、年金額の順位と不足額の順位が一致しないことだ。東京都は厚生年金の額面では上位に入るが、物価水準が高いため不足額の順位では中位に下がる。年金の多寡だけでなく、その地域で暮らすのにいくらかかるかが効いてくる。
●算出方法
厚生年金の月額と国民年金の満額を足した世帯の年金収入に対し、地域別の物価指数を反映した推定支出額を差し引き、30年分を累計した。算出式と全47都道府県のデータはCC BY 4.0で公開しており、誰でも再現・検証できる。
IKIGAI TOWNは「2,000万円という数字が独り歩きしているが、必要額は住む場所で大きく変わる。自分の地域の数字を出発点にしてほしい」としている。
■ データ
47都道府県 全データ(CSV)https://ikigai.town/ja/press/2026-04-22/data/prefecture-retirement-gap-2026.csv
同(JSON)https://ikigai.town/ja/press/2026-04-22/data/prefecture-retirement-gap-2026.json
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