崖っぷちに追い込まれた韓国野球の運命を背負う「左の次世代エース」ソン・ジュヨンが、東京ドームのマウンドに立つ。
彼の投球は本当に重要だ。この日ばかりは、自身のロールモデルであるキム・グァンヒョンが乗り移ったかのような姿が求められる。
ソン・ジュヨンは3月9日19時、東京ドームで行われるWBC1次ラウンドC組のグループリーグ最終戦、オーストラリア戦の先発投手として登板する。
勝利は当然として、さらに「2失点以下」という過酷な条件まで課された、まさに「針の穴」を通すような勝負だ。
現在の韓国野球の状況は切迫している。ここまで1勝2敗で、グループ4位だ。準々決勝の舞台マイアミ行きの切符をつかむには、オーストラリアに必ず勝ち、台湾、オーストラリアと2勝2敗で並んだうえで、失点率を比較しなければならない。
計算は明快だ。オーストラリア相手に「3失点以上」した瞬間、勝敗に関係なくグループリーグ敗退が確定する。

ソン・ジュヨンの表情には悲壮な覚悟がにじむ。前日の台湾戦後、彼は「まずは点をできるだけ与えないことが大事だ。無条件で、無失点で踏ん張って勝たなければならない、という思いしかない」と力を込めて語った。
特に長打力のあるオーストラリア打線を警戒し、「全力投球する。四球を出しても、鋭い制球で“一発”を浴びないことが最優先だ」と戦略を明かした。
ソン・ジュヨンはすでに3月7日の日本戦で5回裏に登板し、大谷翔平にこそヒットを打たれたものの、後続を抑えて1イニング無失点で切り抜けた。驚くべきことに、このときの登板は、彼が「オーストラリア戦先発」を告げられた後、自ら実戦感覚を調整するために志願したものだった。
もちろん重圧は大きい。ソン・ジュヨンも「当然、負担の大きい試合だ」と率直な心境を明かした。しかし、彼は揺るがなかった。「所属チームのLGツインズでも、こうした絶体絶命の危機を何度も乗り越えてきた記憶がある」とし、「そのときの経験をよみがえらせ、コンディションを整えて、悔いなく投げたい」と覚悟を固めた。

リュ・ジヒョン監督の揺るぎない信頼のもとでマウンドに上がるソン・ジュヨン。これまでロールモデルとしてキム・グァンヒョンの名を挙げてきた。代表チームで29番を背負う理由もそこにある。まさにロールモデルが乗り移ったような投球が必要だ。
はたしてオーストラリア打線を封じ、韓国野球に奇跡のマイアミ行きをもたらすのか。
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