バイオメトリクス認証の現在と将来 第3回「PCや情報端末でも使われ始めた生体認証」(ダイジェスト版) | RBB TODAY
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バイオメトリクス認証の現在と将来 第3回「PCや情報端末でも使われ始めた生体認証」(ダイジェスト版)

エンタープライズ その他
 バイオメトリクス認証について、これまでの2回ではATMでの採用例を見て来た。それは現金という、最も直接的な意味で価値があり、高い安全性が要求される機器であるからだ。しかし昨今では、必ずしも形ある物だけが高い価値のある財産ではない。数々の情報こそが、ある意味では現金以上に貴重で、狙われやすい財産となっている。

 そして、そうしたさまざまな情報を取り扱う機器は、大小さまざまのコンピュータだ。特に、その情報の取り出し口として利用されるのは、汎用のパソコン(PC)であることが多いだろう。多量の財産を内部に収蔵しつつ、ユーザーの要求に応じてその出し入れを行う機器という意味では、パソコンはATMと非常に良く似た位置づけにあることが分かる。

 こうした事情を背景として、パソコンでもまた、バイオメトリクス認証技術を利用する必要性と必然性が高まって来ている。そこで今回は、パソコンを中心とした情報端末機器でのバイオメトリクス認証の使われ方を見ていくこととしよう。

■民生用機器での生体認証の採用例 〜現時点では指紋認証が一般的

 現在までに、国内の民生用(企業向けでなく、一般ユーザー向けに市販される)機器で生体認証の採用されているもののいくつかを、簡単に紹介しよう。

 民生用機器として指紋認証機能をいち早く採用したのは、NTT DoCoMoの携帯電話「ムーバ F505i」だった。その後、FOMAの「F900i」でも採用されているが、これもやはり富士通製だ。さらにそれぞれの後継機種「F506i」および「F901iC」「F901iS」へと搭載が続いている。

 ノートパソコンでも、国内の民生用では富士通が先行した。2004年春に発売された「FMV-BIBLO LOOX T70H」および「LOOX T50H」で、指紋認証機能を内蔵している。その後、2004年秋には日本IBM(当時。現在PC事業はレノボに譲渡されている)がThinkPad T42などに指紋認証機能を搭載。そのほか東芝、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)などのノートパソコンで採用例がある。

 パソコンと組み合わせて使う周辺機器にも、指紋認証機能を持つものが現れている。Microsoftは、指紋認証機能を備えたキーボードとワイヤレスマウスをセットにしたパッケージや、単体の指紋リーダなど、いくつかの製品をラインナップしている。

 このように、現在までに民生用として販売されている機器で生体認証を持つものは、そのほとんどが指紋認証を採用している。これは、指紋認証が比較的長く研究され、使われて来た技術であり、読み取りセンサーが非常に小型化されていることによるものだ。しかし、すでに前2回で述べて来たように、指紋という体表面の情報よりは、静脈パターンなどの体内情報を参照する方が、より安全性は高い。今後はまず業務用が先行しつつ、次第に民生用パソコンの上位機などでも、静脈パターンを利用する認証が採用されるようになっていくのではないかと推測される。

■PCログイン用の静脈認証はここまで来ている 〜間もなく静脈認証装置内蔵の端末も登場予定

 では現時点で、業務用も含めたパソコン向けの静脈認証システムは、現在どこまで来ているのだろうか。

 日立製作所ならびにグループ各社では、1997年に指静脈認証の基幹技術を開発して以降、さらなる研究と開発を進め、2002年から商品化している。PCログイン用の認証システムでは、日立エンジニアリングの外付けでUSB接続の開放型指静脈認証装置を使い、ローカルでの認証システムと、大規模組織向けの認証データベース連携システムの両方を提供している。認証装置の小型化が進められて来ており、最新のものでは、おおよそ大人の手のひら程度の大きさで、高さ40mmを切るものも出されている。これらはパッケージとして提供されるものだが、APIを公開しているため、業務用ソリューションに組み込むことも可能だという。

 今後の展開としては、2005年の第3四半期中には、日立製作所のシンクライアント端末「セキュリティPC」の一部モデルに、指静脈認証装置を内蔵で搭載する予定があるという……

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《RBB TODAY》
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