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2004年12月25日
Part 1:デジタルオーディオプレーヤーの歴史
●HDD内蔵ポータブルオーディオプレーヤーの何が新しかったのか?
電車に乗ると白いステレオイヤホンをしている人がすごく増えている。だいたいはアップルコンピュータのiPodで音楽を聴いている人である。ここ1年くらいで急激に増加した。
ちょっと歴史を追ってみよう。もともとソニーが「ウォークマン」で切り開いた「音楽を持ち歩いてヘッドホンで聴くポータブルプレーヤー」というジャンルは、ソニー自身が当初のカセットテープから音楽CDを直接持ち歩く「CDウォークマン」、さらにカセットテープの代わりとして登場したMDを使った「MDウォークマン」と進化させていき、ある程度の定着をみせた。
これらの特徴は、もちろん自分で編集したオリジナルテープやオリジナルMDを作る人はいたものの、レコードやCD1枚に付きテープやディスク1枚というアルバム中心のプレーヤーだったということだ。毎日でかける前に「今日はどのテープ(あるいはディスク)を持って行こうかな」と選ぶところから始まるのである。
やがて1998年後半、シリコンオーディオプレーヤーという新しいジャンルのポータブルプレーヤーが登場した。半導体メモリ(つまり、CFカードなどのフラッシュメモリ)に音楽データを入れて持ち歩くプレーヤーだ。
日本で最初に登場したのはおそらく1998年12月に発売された「Rio 300」で、スマートメディアに曲を保存していた。
これが画期的だったのは、パソコンを利用したということ。まず、手持ちのCDをパソコンを使ってMP3などの形式に変換してハードディスクに記録(リッピング)する。そしてハードディスクにためた楽曲から、持ち出したいものをプレーヤーに転送するのだ。CDからダイレクトにポータブルプレーヤーに「ダビング」するのではなく、いったんパソコンの大容量ハードディスクを介することで、曲の出し入れが自由になり好きな曲だけを持ち出すことができた。曲名やアルバム名の入力も簡単だった。それがMDに対するメリットだ。
だが、これといった使いやすいプレーヤーがなかなか出てこなかったこと、パソコンからの楽曲データの転送に時間がかかったこと、そして何よりパソコンに慣れた人でないと敷居が高いという面もあって、一部のパソコンユーザーが使うにとどまっていた。ブレイクするにはまだ何かが足りなかったのだ。
2001年末、そこにアップルコンピュータが参入してにわかに様相が変わったのである。iPodの誕生だ。既存のプレーヤーの分かりにくさと使いにくさを一掃しようと設計されたiPodはMac専用だったし、世界初のHDD内蔵のポータブルオーディオプレーヤーだったわけでもない。だがダントツに使いやすかった。それまでパソコン周辺機器メーカーが中心となっていたデジタルオーディオプレーヤーに比べて、デザインや使い勝手が洗練されていて、何よりパソコン上のジュークボックスソフトが使いやすく、曲の転送も高速で快適だったのである。
やがてiPodがバージョンアップしつつWindows対応になり、「iTunes for Windows」が登場し、米国で本格的なブレイクを迎えたのである。それが2003年だ。
iPodが画期的だったのは、「自分の音楽ライブラリをそのまま持ち歩こう」と提案したこと。従来のMDやシリコンオーディオプレーヤーは一度に持ち出せる曲数がせいぜい数10曲で、結局常に中身を入れ替える必要があるけれども、HDD内蔵製品なら最低でも何100曲も入るので外出先で「あれを聴きたい気分だけど今日は持ってない」ということが激減するし、最近の大容量モデルなら手持ちのCDをすべて持ち歩くことが可能になるので聴きたいときに聴きたい曲を聴ける。音楽を持ち出すという概念が変わったのだ。もう家を出るときに「今日は何を持って行こう」と悩むことがなくなったのである。
そういう究極の音楽持ち歩きスタイルを発現させたのがiPodの功績といっていいだろう。
Part 1:デジタルオーディオプレーヤーの歴史
Part 2:ポータブルデジタルオーディオプレーヤーの現状
Part 3:パソコンへの接続方法とソフトの種類
Part 4:製品レビュー
(I)小型軽量HDDプレーヤー編
・iPod mini ― アップルコンピュータ
・Rio Carbon ― リオ・ジャパン
・Zen micro と MuVo2 ― クリエイティブメディア
(II)大容量HDDプレーヤー編
・iPod photo ― アップルコンピュータ
・H340 ― アイリバー・ジャパン
・gigabeat F20 ― 東芝
・NW-HD2 ― ソニー
Part 5:まとめ
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