【スピード速報(151)】ビジネスアワーの東京23区ダウンレートトップは世田谷区、最下位は千代田区 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【スピード速報(151)】ビジネスアワーの東京23区ダウンレートトップは世田谷区、最下位は千代田区

ブロードバンド その他
横軸の単位はMbps。ビジネスアワー(9時台〜18時台)の東京23区ごとのダウンレートのランキング。トップの世田谷区は昼間の人口が夜間の人口より1割ほど少く、最下位の千代田区の昼間は夜間の20倍もの人口になる。この差がダウンレートに関連しているのかもしれない
  • 横軸の単位はMbps。ビジネスアワー(9時台〜18時台)の東京23区ごとのダウンレートのランキング。トップの世田谷区は昼間の人口が夜間の人口より1割ほど少く、最下位の千代田区の昼間は夜間の20倍もの人口になる。この差がダウンレートに関連しているのかもしれない
【スピード速報】はhttp://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測データをもとに各種の統計データを速報でお伝えする。このサイトはIXに計測専用サーバを置き、月間計測数は数十万を超え、統計データとしても十分な精度と信頼性を持っている。

 今回はビジネスアワー(9時台〜18時台)の東京23区別平均ダウンロード速度(ダウンレート)ランキングをご覧いただく。2009年5月26日〜6月22日の測定データから郵便番号が明示されていたものを抽出して、日本郵便のサイトで公開されている最新の全国郵便番号ファイルとの付け合せによって地域を特定して(※1)ダウンレートを算出した。

 なお、区別統計のため、1週間分では件数が充分ではないことから、今回も4週間分のデータを用いている。

 図を見ての通り、ビジネスアワーのダウンレートトップは世田谷区で48.6Mbpsだった。世田谷区は神奈川県と接する南西部にある区で、成城や奥沢などの高級住宅地と、下北沢駅、三軒茶屋駅、二子玉川(ふたこたまがわ)駅などを中心とする商業・文京地域で知られている。人口は東京23区最大の86万人超であるが、昼間の人口が夜間の人口より1割ほど少なく(※2)、都内有数の住宅地区と多数の大学に象徴される文京地区であることが、日中のダウンレートの高さの理由だと考えられる。

 2位には荒川区が46.4Mbpsでランクインした。荒川区は東京都の北東部に位置する日暮里(にっぽり)から南千住(みなみせんじゅ)にかけての地域である。荒川区は「区政は区民を幸せにするシステム」をモットーにしており、2008年に日経BP社が実施した「e都市ランキング」において総合評価が全国第1位となるなど、全国自治体ランキングでの高い評価で知られている。このことが、ダウンレートの高さとなって現れたのかもしれない。なお、荒川区も昼間の人口が夜間の人口より4%ほど少ない。

 3位の大田区(46.4Mbps)は23区最大の面積を占めており(面積2位は世田谷区)、交通の要所(羽田空港)と高級住宅地(田園調布)に挟まれた工業団地地区を有する多面的な地域である。大田区は昼間人口と夜間人口がほぼ等しい。ちなみに、昼間人口と夜間人口の比率から見ると、昼間の人口の減少率が最も高いのはダウンレート6位の葛飾区で20%弱であった。

 これらに対して、ビジネスアワーのダウンレートが最遅だったのは千代田区で、他の区を大きく下回る12.4Mbpsにとどまった。千代田区は国会などの首都機能と皇居がある「日本の中心」であり、大企業の本社が集結するビジネスセンターでもある。よって、本来なら高速通信環境が最も整備されている地域なのだが、昼夜間人口比率を見ると、昼間の人口の増加率が極端に高く都内最高の2,000%、つまり昼は夜の20倍もの人口になる特殊な地域でもある(2位である中央区でも6.6倍)。つまり、ビジネスアワーにおけるネットワーク利用者数もまた国内有数であると考えられ、トラフィックの混雑が想定される。また、データを細かく分析すると、千代田区のビジネスアワーの測定データには光ファイバよりも低速な無線経由が多く、19パーセントに達している(上位3区は1〜4パーセント)。但し、無線データの割合が千代田区より多い板橋区(23%)でもダウンレートは34.0Mbpsであることから、千代田区のダウンレートの極端な低さの原因は、昼間の人口集中によるトラフィックの増大と無線データの割合の高さの両方ではないかと推定できる。

 以上のとおり、東京23区においては、昼夜間人口比率がビジネスアワーのダウンレートに関連している印象がある。この印象が正しいかどうか、今後も調査していこう。

(※1)郵便番号による地域の特定について
 当コラムでは地域をまたがる郵便番号について考慮しているが、東京23区においては地域をまたがる番号はない。よって、郵便番号によって測定が行われた区名を特定できる。

(※2)各区の昼間と夜間の人口の比率について
 東京都が公開している資料「東京都の昼間人口 平成17年」(http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tyukanj/2005/tj-05index.htm)を用いた。なお、この資料における昼間と夜間の区別は特別な基準によっているので、ビジネスアワーとは必ずしも一致しない。
《平野正喜》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top