廉価なケーブルでも約1/40のデータ転送時間 〜 NEC、周辺機器向け超高速通信技術を開発 | RBB TODAY
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廉価なケーブルでも約1/40のデータ転送時間 〜 NEC、周辺機器向け超高速通信技術を開発

エンタープライズ ハードウェア
 NECは2日、コンシューマ機器間の通信インターフェイスとして、USB2.0で使われるケーブルなど、安価で柔軟性はあるが信号劣化が生じやすい伝送ケーブルを利用しつつ、超高速通信を可能にする回路技術を開発したと発表した。

 この技術を用いたLSIを設計し、従来比約1/40のデータ転送時間を実証したという。2時間のハイビジョン動画コンテンツを、USB2.0を用いて伝送した場合の転送時間は約14分、次世代規格であるUSB3.0を用いた場合は約80秒となるが、今回開発した通信インターフェイスを用いた場合、転送時間は約22秒となった。

 この新技術は、伝送ケーブルで起きる信号波形の歪みを補正することで、高速な信号の送受信を実現するもの。コンシューマ向け機器で用いられる安価で信号が歪みやすい伝送ケーブルでも、ハイエンドサーバの筐体間で用いられる高価な伝送ケーブルを用いた場合と同等の、超高速通信を実現するという。意図的に一定量の歪みを残した状態で信号を受信し、歪み波形の状態を従来の2値ではなく3値で判別する新規入力データ判別回路とこれに用いる判別タイミング信号の生成回路を開発。これにより、従来の受信信号の電圧制御による波形補正の代わりに受信信号のタイミング制御による波形補正が可能となり、約2倍の動作速度を実現した。さらに4つの入力データごとに1回だけ補正処理を実行する代わりに、この回路を4つ並列に時間をずらして動作させる形式をとった。

 近年、パソコン、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダなど、ハイビジョン動画を扱う機器が一般的となり、大容量のデータを瞬時に転送したいという要望が高まっている。また、従来HDDと比較して10倍以上の読み書き速度を実現可能なSSDの登場で、通信の高速化はますます重要となっている。NECでは、今回開発した技術により、廉価なケーブルでも高速通信を可能とし、次世代インターフェイスとしての展開を目指すと見られる。
《冨岡晶》
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