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NICT、新世代研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus」にジュニパーのシステムを導入

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ジュニパー「Tシリーズ ルーティングプラットフォーム」
  • ジュニパー「Tシリーズ ルーティングプラットフォーム」
 ジュニパーネットワークスは25日、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)の新世代研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus」に、同社の「T1600」コアルーティング・プラットフォームおよび「ジュニパー・コントロール・システム1200」制御システムを導入したことを発表した。

 「JGN2plus」は、2008年4月からNICTが運用しているオープンな超高速・高機能な研究開発テストベッドネットワーク。ジュニパーネットワークスでは、ネットワーク機器単体の性能を拡張するクラスタリング技術や大容量のコアルータ筐体内に仮想化ルーターを構築するパーティショニング技術を開発、自社製品に実装してきた。NICTでは、新世代ネットワーク研究開発に向けた取り組みの一環として、「T1600」と「JCS1200」の連携による仮想化ルーター技術を「JGN2plus」に導入して、2010年から3拠点で研究者向けにサービスを展開する予定だ。

 ジュニパーネットワークスの「T1600」コアルーティング・プラットフォームは、19インチのハーフラックサイズで、従来品の40%の電力で2倍の伝送能力を持つ。100GbEをサポートし、最大1.6Tbpsで毎秒19億2,000万個のパケットを転送する。「JCS1200」は、12スロットのブレードを搭載する制御システムで、各ブレードにJUNOSネットワークOSをインストールすることで、仮想化ルーターの制御プレーンを構成する。また、最大3台の「T1600」「T640」「T320」との連結が可能で、「JCS1200」の制御プレーンと「Tシリーズ」のパケット転送プレーンを任意に組み合わせることで、最大12台の仮想化ルータを構築できる。「Tシリーズ」と「JCS1200」を連携させることで、1つの筐体で複数の仮想ルータを構築することも可能。

 NICTは、この技術を用いて、新世代ネットワークの実現に向けた仮想化実証実験として、2月5日から開催されている「さっぽろ雪まつり」で、大通り公園と全国6か所の放送局を「JGN2plus」回線で相互接続してハイビジョン映像伝送の実証実験を行っている。また、さっぽろ雪まつり会場でのエリアワンセグサービスや、パナソニックセンター東京などで家庭用デジタルテレビへの世界初となる直接ライブ配信や韓国への国際実験回線を利用して国際放送伝送などの未来型放送利用に関する実証実験も同時に行った。さらに、仮想化ルータごとの独立した運用手法・技術に関する検証や仮想化ストレージに対するネットワーク経由での分散保存などに関する実証実験も行われた。

 「JGN2plus」のプロジェクトリーダーである倉敷芸術科学大学産業科学技術学部コンピュータ情報学科小林和真教授は、「『JGN』のようなテストベットネットワークでは、個々の研究プロジェクトに対してルーターの独立性を確保することが重要です。しかし、ソフトウェアで仮想化したルーターでは、筐体内でサービスごとに異なるバージョンで運用することが困難でした。また、すべてのサービスが一定のパケット転送容量を共有しているという制約もあるため、ハードウェアとして、制御プレーンとパケット転送プレーンを分割できるシステムが必要でした。今回、『T1600』と『JCS1200』を連携することで、今までの投資を保護しながら、より独立性の高いネットワークの仮想化を実現できました。」とのコメントを寄せている。
《冨岡晶》
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