さくらインターネット、「前後列アイルキャッピング方式」を採用したデータセンターを運用開始 | RBB TODAY
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さくらインターネット、「前後列アイルキャッピング方式」を採用したデータセンターを運用開始

エンタープライズ その他
さくらインターネット堂島データセンター 新フロア
  • さくらインターネット堂島データセンター 新フロア
  • 前後列通路アイルキャッピング
  • 堂島データセンター新フロアのアイルキャッピング構成イメージ
  • 1UハーフL型サーバ(左)/1Uクォータ型サーバ(右)
 さくらインターネットは18日、同社の堂島データセンターのフロアをあらたに増床し、ラックの前後列を両方ともに覆う「アイルキャッピング空調システム」を導入したホスティング専用のデータセンターとして運用を開始した。

 アイルキャッピングとは、ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、サーバへの給気(低温)とサーバからの排気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術(「アイルキャッピング」はNTTファシリティーズの商標・出願中)。今回、増床された堂島データセンター(大阪市北区)のフロアでは、ラックの前後列通路を両方ともに覆い、冷気を囲い込むアイルキャッピングと、高開口率で通風性に優れたデータセンター専用ラックが採用された。なお新設された床面積は650平米(運用中・未整備分をあわせた全体の床面積2,190平米)、新設サーバラック数は82基(増設後のデータセンター全体の総ラック数641基)となる。

 また独自開発による、1Uラックマウントサイズを前後に2分割して2台のサーバを実装する「1UハーフL型サーバ」と、前後+左右に4分割して4台のサーバを実装する「1Uクォータサーバ」をあらたに投入した。これにより一般的なラックの前面吸気/後方排気とは異なり、ラック前後通路面の2方向から冷気を吸入し、天井部へサーバの高温の熱気を排気する気流制御を実現した。1Uクォータ型には省電力CPUであるインテルAtomプロセッサーを採用し、筐体の小型化とサーバの消費電力および発生する熱を大きく抑制可能とした。

 標準的な空調方式のデータセンターでは、総利用電力における空調の電力消費は約4割におよび、サーバの電力とともに大きな割合を占めている。今回増床されたフロアでは、アイルキャッピングで多くのノウハウをもつNTTファシリティーズと、データセンター専用ラックメーカーである河村電器産業の協力により、ラックへの前後マウントによるサーバの高収容に最適な空調環境を実現したという。これにより、従来比、空調効率20%の向上と、1ラックあたり約2倍の最大160台ものサーバ収容を実現したとのこと。
《池本淳》
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