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【インタビュー】無線IPの今後――すでにビジネスモデルが見えているWiMAX!?

 25日に開催予定のセミナー「モバイルビジネス 2008年以降の新展開」。ここでは、前回登場していただいたNECの平田英之氏に続き、同セミナーで講演予定のユビテック 代表取締役社長 荻野司氏に直前インタビューを行った。

――まず、今後の無線IPの動向からおうかがいしたいのですが

ユビテック 代表取締役社長 荻野司氏
ユビテック 代表取締役社長 荻野司氏
間違いなく、今まで有線でサービスされていたインターネットが無線にも適用されていくでしょう。つまり、“Wired”のインターネットの世界から“Unwired”のインターネットの世界が広がっていきます。Wiredの世界では最初はメール活用があり、次にウェブ、そしてEコマースなどの流れがありました。携帯電話を見てみると、完全にそのスタイルが現われてきてるんですね。PCの世界でできていたことが、組み込み系の世界にも広がってくのだろうと思います。情報家電もそうですね。

――法人向けではありますが、携帯の無線端末(ソリューション)はすでにありますよね

ありますが、そっちの方向とは違う形になります。視点はインターネットのサービスで、携帯電話がどうこうというものではないんです。“Wired”の世界でどんどん広がってアプリケーションができてきたことが、Unwiredの世界でも起きるということです。また、今までインターネットを使っていないUnwiredだったものが、インターネットの世界に入っていくことも考えられます。おそらく、そうなるでしょう。例えば米国はTVの世界でIPTVが出現してきています。日本でも放送のコンテンツがインターネットに流れるようになっています。今の携帯電話は電話網を使って、その上にインターネットを被せているような形、いわば携帯電話を使った昔のダイヤルアップ的なインターネット利用になっています。これがブロードバンドにつながる形になるのだろうと思います。

――端末自体は携帯電話ではなくてもいいわけですね

きっと携帯電話ではないインターネット端末がでてくるでしょう。ブロードバンドで映像がさくさく動いて、Skypeがついていて、たまたまそれで電話ができるかもしれないみたいなものですね。つまり、ブロードバンドの無線IPがでてくると、電話という概念ではなくて、インターネット端末としての概念になっていくんです。それが、これから登場していくるSuper 3Gとか4Gとか言われている世界だし、WiMAXを使ったトレンドなんです。携帯電話ではなく、携帯端末という形で、いろんなデータが流れ、アプリが登場してくる世界ですね。

――海外と日本では配信サービスには違いがありますね

例えば日本はワンセグ、アメリカはMediaFLO、欧州ではDVB-Hを使ってます。携帯電話というカテゴリーで見れば、放送を載せるところは統一されていないんですが、逆にWiMAXへ目を向ければ世界共通なんですね。ここのところを攻めていくことになるでしょう。

――WiMAXは、どういう風に展開していくのでしょう?デバイド地域をサポートするものになるんでしょうか?

たぶん、2種類あると思います。国策としているのはデジタルデバイド地域における光やADSLの代替。これは無線IPのひとつの正しい使い方です。もうひとつは、データ通信網の強化だと思うんです。携帯電話のインターネットの世界はブロードバンドとしてはまだまだなので、WiMAXを使ってデータ通信の補完を行っていくことが考えられます。その場合、端末は携帯電話機能、もしくはデータ通信専用の端末になります。さきほど言ったように、たまたまそれでIP電話を、Skype的に使えるというものですね。

――WiMAXの試験では、基地局のアンテナはかなり大きなものでした。都市部のあちこちにあのようなものを置くということ、それと反射の問題も含めて現実的ですか?

ユビテック 代表取締役社長 荻野司氏
むしろ都市部でしかやらないと思います。そこには市場があるからです。なぜウィルコムやイー・モバイルが上手く展開できているかというと、そこに需要があるからです。都市部にはデータ通信のしっかりした需要があります。それに基地局は、あんなに大きくなくて済みますよ。

――事業者としてKDDIに決定しましたが

彼らはデータ通信をとるためにやっていくだろうと想像はできましたよね。非常にわかりやすいロジックです。

――WiMAXは、海外では商用サービスをうたっているところはたくさんあります

いろいろありますけど、台湾で行政がどのように展開していくかがはっきりしてないですね。

――しかし、さかんに実験はやってますね

おそらく、すべてのエリアに広げていく策をとっていると思います。UnwiredeのIPネットワークを全土に広げる方針であれば、それはそれで利用価値があると思うんです。同じように韓国も、都市部をWiMAX(WiBro)で包み込もうと計画してますから、ああいう風に人口が密集したエリアをWiMAXでカバーするのはいい方向だと思います。ただ、ビジネスとして重要なのは、今インターネットが利用できているけれども、Wirelessで利用できてないところにどう浸透させていくかだと思います。移動体のインターネット利用を、今回のUnwiredでどうカバーリングするか。あるいは、ビル内や地下など携帯電話でも通信が厳しそうな場所であるけれども、意外に人が多く滞留している場所でどうやって展開していくか?屋外は結構整備されていますが、これらの空間はまだ市場として確立していないので、これから広げていくところですね。

――ビジネス市場となる条件は何ですか?

ユビテック 代表取締役社長 荻野司氏
まず、ユーザーを増やすためにはどうするかがキーだと思います。キャリアがいくら頑張ってもユーザーはなかなかついてこない。加速度的には増えないですね。使う側が積極的に参画していかなくてはならないですよ。キャリアではMVNOという言葉がでてますが、インターネットの世界は水平分業しているので、そういう意味ではほとんどMVNOといえるでしょう。そう考えれば、WiMAXはキャリア的なMVNOではなく、誰がインフラを活用してサービスを展開するのかが重要になります。

――ビジネスの具体的な方向性というのは見えているのでしょうか?

これはセミナーでお話したいところですが、間違いなく展開されていくところは見えています。大雑把な言い方では、移動体とその空間になります。これまで、さんざんWiFiでやろうとしていてもできなかったところですね。この場合、WiMAXはライセンスバンドである点が非常に重要です。また、QoSをチャンネルで指定できる点も魅力です。例えばKDDIと事業者がしっかりと組むというスキームで、KDDIが基地局を建て、事業者が保守メンテナンスを行うことで、市場は広がるでしょう。これは海外の例を見ればわかることです。一方、全国バンドではなく地域バンドも台風の目として注目すべきです。WiMAXでは市区町村単位に交付される10MHzの地域バンドが確保されていて、どの地域でも申請していいんです。たとえば、公共的なサービスを入れたお台場ネットワークつくろうと東京都に申請することも可能です。

――そこは、いわゆる、おいしいマーケットではない?

ここは設備投資とどうやって儲けるかところですね。企業としてコストだと思ってやるぶんにはいいでしょうが。本当はデジタルデバイド対策の部分ですが、可能性はあると。

――貴社(ユビテック)は今後どのようにビジネス展開していくのでしょうか?

WiMAXをいかに使えるかを考えながら普及促進のための事業やソリューションを提案していくことになります。たとえば、個人に対しては、WiMAXを使った情報提供サービスであるとかASPサービスとかですね。法人向けには企業内におけるWiMAX利用のためのソリューションを提案していくつもりです。

――ありがとうございました
(小板謙次@RBB 2008年1月23日 03:00)
キーワード: WiMAX 無線IP WiBro MediaFLO 情報家電

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