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Shoot it!- #024 遊びやすくなったQuake4に思うこと
3月28日
 前回、このコラムでブロードバンドルータ「BLW-HPMM-G」のXGCS機能について、体感できるほどの効果は感じられなかったと書いた。その話を飲み会の席で知人に話したところ、私がXGCS機能について誤解していたと解った。その知人は犬の散歩仲間で、大手家電メーカーの開発者。NTTが推進する次世代ネットワーク技術の実験に関わっている。

 XGCS機能のようにネットワーク上で特定の帯域を予約し、通信速度を維持するための技術はQoS(Quality of Service)という。知人曰く、この技術は帯域を排他的に確保するのではなく、競合が発生した場合に優先権を判断する仕組みなのだそうだ。ゲームに優先的に配分された帯域があっても、そこが空いている場合は他のアプリケーションが使っても良い。QoSは帯域が奪い合いになった場合はゲームを優先する。

 私は“ゲームに帯域を100パーセント割り当てたのに、ファイルのダウンロードが順調なこと”に疑問を持った。しかし、QoSはそんなに単純な技術ではなく、もっと賢い技術だった。排他制御ではなく随時優先判定を行う。したがって、ゲーム用の帯域を100パーセントに設定しても、ゲームのトラフィックが少なければ、空いている帯域でダウンロードは順調に行われる。ちなみに、光ファイバー回線を使っている場合、個人で使うPC用途で帯域が競合することはほとんど無いそうだ。つまり、「BLW-HPMM-G」のXGCS機能は、大人数で接続したり、もっと狭い帯域の回線で効果が発揮される、という結論になる。

定番FPSゲームQuake4
 さて、本題に入る。ブロードバンドルータ「BLW-HPMM-G」の実験のため、私は久しぶりに対戦射撃ゲーム「Quake4」をインストールした。このPCはひと月ほど前に不具合を解決するため、WindowsXPを再インストールしていた。つまり、今回のインストールによってQuake4は全くの初期状態。MODと呼ばれるアドオンソフトの類は一切追加されていない。

 インストールの後、最新の更新ファイルを導入するために「Quake4 Wiki」というサイトを調べたところ、1.4ベータという最新のテストバージョンがあった。ベータ版は最新の機能が搭載されている一方で、動作が不安定になる場合もある。私はふだんベータ版は敬遠しているけれど、今回は新機能に興味があったのでインストールした。その新機能とは、クライアント側に不足したファイルをゲームサーバから直接ダウンロードする機能だ。追加マップやMODファイルの設定に苦労せずに済んで、快適に遊べるようになった。

もっとも人気があるMODのひとつ。「Q4MAX」

 MODとは、ゲームソフトの仕様をカスタマイズしたり、新機能を追加するためにユーザが作成したファイルだ。例えば「Q4MAX」はゲーム大会で1対1の協議をする場合に便利な機能を搭載している。Quake4を使ったEスポーツ大会ではQ4MAXの導入が必須だ。「Rocket Arena 4」はロケットランチャーの爆風のダメージを受けにくくする設定ができるため、自分の足下にロケットランチャーを撃ち込み、爆風でジャンプするというワザを遠慮無く使える。武器フル装備でゲームスタートできるので、派手な撃ち合いが楽しめる。「Delta CTF」はチーム戦の旗取りゲームだ。相手チームの本拠地にある旗を奪い、自分のチームの本拠地にある旗まで持ってくると得点が入る。Quake4にもCTFモードがあるけれど、機能やルールが異なっている。初代Quakeの頃にリリースされたMODで人気が高い。

 MODは楽しいのだが、いくつか難点があった。MODを使ったプレイを楽しむ場合、MODファイルを自分で探し出す必要がある。これはMODの扱いに慣れていないと難しい。MODを使ったサーバが設定した環境に合わせないとサーバに入れない。インストール時にフォルダの位置が違ったり、MODのバージョンが違ってもダメ。他のMODやゲームファイルと干渉するのか、MODサイトの説明通りにインストールしてもゲームに参加できないことがある。このおかげで、私はLANゲームパーティBIGLANで自主的に開催されたゲーム大会に参加できなかったことがある。MODは楽しいけれど導入は厄介。これが私の感想だ。

 しかし、1.4ベータはこのようなMODのインストールや設定を自動的に行ってくれる。ゲームサーバに参加しようとした場合、もし私がMODやMAPを持っていなければ、自動的にダウンロードしてインストールまで済ませてくれる。もうファイルのダウンロードやゲームフォルダの操作をする必要はなくなった。前述のように、私はインストール後1.4ベータを導入し、まったくMODのない状態でQ4MAXのゲームに参加しようとしたところ、かなり大きなファイルを自動的にダウンロードして、あっさりとゲームに参加できた。

不足したファイルを指導的にインストールしてくれる

 QuakeシリーズはMODを利用したユーザが大半のため、MODなしでは遊べないゲームといっても過言ではない。しかし今まではMODのインストールがかなり面倒だった。その悩みが一挙に解消されたから、これからQuake4を遊ぶ人は幸運だといえる。また、MODに手こずってQuake4を敬遠してしまった人は、これを機会に再開する価値はある。

 Quake4 1.4ベータには他にもさまざまな改良が加えられている。観戦モードが拡張されている。アタリ判定に使う範囲がキャラクターを囲む四角柱から八角柱になり、身体から離れた部分でダメージを受ける状況が改善された。実質的に弾が当たりにくくなった。サウンドやネット帯域に関するプログラムの改善や武器のダメージの調整も行われている。日本の対戦射撃ゲームファンの中でもQuake4を再評価する声が高まりつつある。

 もちろん私も今回の1.4ベータ版は評価している。ただし、これによってQuake4のプレーヤー人口が増えるかというと、これは難しいだろうと思う。実は現在、Quake4のパッケージは入手しにくい状況になっている。日本語マニュアル付きの正規流通品を販売していたライブドアは、2006年10月2日を持ってすべてのゲームソフト販売から撤退してしまった。Quake4日本語マニュアル付き英語版の権利を引き継いだ代理店は無い。Quake4を入手するなら、輸入ゲームショップやネット通販で海外版を購入せざるを得ない。もっとも、ゲーム内はすべて英語だし、Quake4 Wikiなど日本語でガイドしてくれるWebサイトも多いので実際にはほとんど困らない。ただ、日本語マニュアル対応版が店頭に並んでいないというのは新規参加プレーヤーにとって意外と高い敷居となるはずだ。

 タイミングが悪すぎた。1.4ベータは半年前にリリースされるべきだった。あるいはリリースする内容をアナウンスすべきだった。日本でのQuake4の販売代理権がどうなっているか不明だが、1.4ベータか正式なバージョンになった機会に、もういちど日本市場にトライしてもらえないだろうか。東京でようやく咲き始めた桜のような淡い期待を私は抱いている。

やっと遊びやすくなったのだが

(杉山淳一@RBB)
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