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【AOGC2007】オンラインプラットフォーム事業の戦略−テクモ 執行役員 LieVo事業統括 兼マルチコンテンツ事業部長 佐々木憲太郎氏
3月2日
テクモ 執行役員 LieVo事業統括 兼 マルチコンテンツ事業部長 佐々木憲太郎氏
 コンシューマーゲームの開発から販売までを一括して行なっているゲームメーカー「テクモ」。同社が2006年10月10日に発表したオンラインゲームプラットフォーム「LieVo」は、既存のゲームポータルサイトとは異なった特徴を持つサービス。AOGC2007で開催された本講義はLieVo事業統括を担当する佐々木氏による、LieVoプラットフォーム戦略についてである。

 テクモはゲームメーカーとしてのイメージが強いが、最近ではパチンコやパチスロの液晶画面の開発も行なっている。企業の持ち味は開発能力で、現在約350名ほどの開発スタッフを抱えていると言う。これまでさまざまなハードウェアー上で培ってきた開発力を、今後はオンラインゲームにも活かしていきたいと佐々木氏は語った。

 LieVo構想においてもその考えは現れている。人気コミックが原作の『バスタードオンライン』や、競馬レースゲーム『ギャロップレースオンライン』など、いままでにないゲームを開発中。この他にもゲームポットと共同開発を行なっている『モンスターファームオンライン』もまた、注目を集めているタイトルだ。

 このなかで、特に前評判が高いのがコミックの世界観を踏襲したMMORPG『バスタードオンライン』。原作がコミックのゲームはコンシューマーゲームではよく見られるが、オンラインゲームでは数少ない。テクモはこれまでにいくつもの版権モノのタイトルを作ってきたので、開発のノウハウがある。昨今日本では、開発力の低下などと言われてきているが、『バスタードオンライン』のようなタイトルで市場を盛り上げていきたい考えだ。

テクモがLieVo上でサービス展開を行なう予定のオンラインゲーム
■LieVoの戦略

 そもそも「LieVo」とは、Livestyle Internet Entertainment eVOlutionのキーワードから名付けられている。この事業はテクモが単独で行なっているのではなく、SeedCとの協力プロジェクトという形を取っている。SeedCはオンラインゲームの運営受託をしている日本有数のオンライン事業会社。LieVoでの主な役割としては、テクモがゲーム開発を行い、SeedCは運営ノウハウを提供する。

 そしてLieVoは発足当初から海外展開も視野に入れたオープンプラットフォームとしてスタートしている。LieVoの目標は、Web上にクリエイターとユーザー、またはクリエイター同士の交流を促進するプラットフォームを構築することだ。他のゲームポータルサイトのビジネスモデルともっとも異なる点がこれである。

 LieVoに参入したメーカーやパートナーは、スキルや顧客基盤の情報を共有し合えるようになっている。こうすることにより、参加企業全体が活性化する。佐々木氏は「LieVoは共存共栄を目指す新しいビジネスモデルだ」と説明した。もちろん扱うタイトルはPC用のオンラインゲームだけではない。現在のゲーム市場はすさまじいスピードで進化し続けている。そのスピードに追いつくために、各社がノウハウやスキルを提供し合い利益を上げていく構想である。

 この構想を実現するためには、LieVoへ多くの企業が参加してもらう必要がある。先日発表になったレッド・エンタテインメントやさくらインターネット以外に、現在も幅広い誘致を行なっている。そしてまた、ポータルサイトのようにゲームを提供する場でもあるので、優秀なゲームを揃えるのも重要。現在課金サービスを行なっているのは4タイトルだけだが、いままでに発表しているものや開発中のタイトルを含めると、2007年末までに21タイトルが揃う予定だ。このなかには韓国産のゲームが4タイトルと、東南アジア産のゲーム4タイトルも含まれている。そして、2008年末までにはより多くのグローバル展開を行い、30タイトル程度まで増やしていく考えだ。

レッド・エンタテインメントのLieVo用タイトル『天外魔境ONLINE』と『ラブネマ』
■クロスボーダーソリューション

 LieVoではオンラインゲームだけでなく、コンシューマーゲームや他のデバイスのコンテンツも開発している。昨年の事例で、『スカッとゴルフ パンヤ』をWii向けに開発したことが紹介された。この作業は韓国Ntreevと共同で、約10か月という短時間で開発できた結果、日本ではWii本体と同時発売が可能となった。日本の評判はもちろん、北米でも広く受け入れられた。北米のユーザーはキャラクターがリアルに描かれたスポーツゲームを好む傾向があるにもかかわらず、本作はヒットしたそうだ。

 佐々木氏は「『パンヤ』はLieVoの成功モデルのひとつとして考えられる。今後行なうべき戦略の可能性を実証してくれたと感じている」と述べた。
(佐藤隆博@RBB)
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