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【AOGC2007】ブログサービスもSNS志向に?― シックス・アパート 関信浩氏
2月26日
シックス・アパート代表取締役 関信浩氏
シックス・アパート代表取締役の関信浩氏は、アジアオンラインゲームカンファレンス(AOGC)2007で「Vox is community」と題する講演を行い、オンラインコミュニケーションの変遷と現状のブログの問題点を挙げ、自社のブログサービス「Vox」について語った。
シックス・アパート(Six Apart, Ltd.)は、米国で2001年に設立された会社で、米日英仏で同じブログサービスを提供し、多くの企業に採用されており、シックス・アパートは、その日本法人だ。
関氏は、ブログを「双方向コミュニケーションを実現する次世代ウェブ」と定義した。その理由は、「カンタン」「見つかる」「双方向」という3つの特長によるものだという。
「カンタン」とは、小さい手間とコストでコンテンツを提供できること。「見つかる」とは、検索エンジンで「欲しい人に」「欲しい情報」が届くこと。検索エンジンにより、過去のコンテンツにも価値が生まれる。「双方向」とは、リンクやトラックバックによって類似情報が蓄積され、ブログが「媒体」と「目的地」の二面性を持つことだという。
また、既存のマスメディアでは情報は一方向だったが、ブログははじめての「双方向性」メディアだと関氏は指摘する。トラックバックが双方向性を強化し、影響力のあるブログの存在などによって情報がゆるやかに偏在しているのだ。
オンラインコミュニケーションの変遷図
オンラインコミュニケーションの変遷の歴史は、オープンとクローズ(誰でも参加できるか否か)の揺り戻しの繰り返しだという。まず「ニフティサーブ」などのパソコン通信のフォーラムというクローズの時代があった。人が管理していて、安全・安心だったが、コミュニティはあまり広がらなかった。次に「あめぞう」「2ちゃんねる」のような匿名掲示板、「ジオシティーズ」に代表される個人ホームページの普及、「ポストペット」などに象徴されるインターネットメールの一般化、「Movable Type」「ココログ」といったブログの登場というオープンの時代があった。これらはオープンなだけに、荒れることもしばしばだった。そして、「ミクシィ」「GREE」といったソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)がブレイクするなど、再びクローズの時代に。この振幅のたびにユーザー数が増えているという。
ブログサービス「Vox」の特徴
シックス・アパートが日・米・欧州で提供している次世代ブログ「Vox」は、従来のブログの問題点を解決するため、「簡単」「プライバシー」を特長としているという。
まず、「簡単」だが、「なぜブログをやめたのか?」という質問の答えに多いのが、「書くことがなくなった」だという。そこで、ブログを書くことを続けられるように、「今日の質問」というお題を毎日用意し、それに答えるだけでブログが書ける仕組みになっている。「今日の質問」の例としては、「あなたが買った最初の車は何ですか?」「得意なことを5つ挙げてください」など。自分が答えるだけでなく、そのテーマに答えた知らない人のブログを見ることができ、よりコミュニティが盛り上がる。
もうひとつのキーワード「プライバシー」というのは、記事単位に「友人まで公開」などと公開範囲を決められることなどだ。これによって、ブログのオープンであるが故の不安感を払拭できるという。「SNS的な要素を入れたんですね、と言われるが、結果的にはそうなっている」という関氏。なぜSNSを選ぶのかということについて関氏は、知り合い限定での公開ができることによってユーザーが安心感を持てること、ネガティブな話題が広がらないこと、コミュニティをコントロールできることを挙げた。
関氏は自身のブログに写真を貼り付けるデモを行った。「写真だけ友人のみに公開」など、細かく公開範囲を設定できる
さらに、「Vox」では写真、動画などを簡単に扱えるマルチメディア機能も充実しており、個別に公開範囲を決められる。また、逆に「Vox」のデータを他のサービスでも利用できるとのことだ。たとえば、オンラインゲームの自分のアバターに、「Vox」にある自分の写真を貼り付けたり、逆にゲームの自分のアイテムリストを「Vox」ブログに張り付け、「アイテムを売っています」と告知したりという使い方が考えられる。
「Vox」の狙いは、こうした標準化を通じてコンテンツの相互乗り入れを促進し、ベンダーの枠を超えてコンテンツが相互に流通する状況を作り上げることだという。
聴講者から「コンテンツをいろいろなところから持ってくると、著作権の問題が生じる。Voxで制御するのは無理だと思うが、それを抑制するシステムはあるのか」という質問が出ると、関氏は「明らかなバイオレーションを取り締まる機能はあるが、全部巡回するわけにはいかないので、そうした違反に関してはレポート待ちの状況だ。また、講演で述べたようにプライバシーのレベルが設定できるので、身内のみに見せているところを監視するというのは運用上のポリシーとしても難しい。Youtubeにあるコンテンツの著作権違反に関してはYoutubeで判断してもらうしかない。ただ、自分の作品をアップロードする際、改変不可・引用不可などと選べるようにする機能は検討中だ」と答えた。
他にも、「友人といっても、いろいろな距離の友人がいるので、その距離感を反映したい」など、活発な質問が飛びかっていた。
[お詫びと訂正]初出時、記事中にて関様のお名前および肩書きを誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。(2007/3/2 10:21 Slash Games編集部)
(茂内克彦@RBB)
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