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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
【AOGC2007】RSSリーダをオンラインゲームにする試み― シフト 山本雄太氏・征矢健太郎氏
2月26日
ブロ電の画面。ゲーム内広告も現実世界の広告のように風景に溶け込んでいる
 シフトWeb開発部門の山本雄太氏と征矢健太郎氏が、「Web2.0?それっておいしいの?〜RSSのエンターテイメント利用について〜」と題し、アジアオンラインゲームカンファレンス(AOGC)2007で自社サービス「ブロ電」の開発について講演した。シフトは、「XI(サイ)」ピポサルアカデミ〜ア」シリーズなどで知られる、神奈川県藤沢市の開発会社。

 「ブロ電」は、RSSリーダとアバターチャットが一緒になったようなサービスだ。「ブロ電」を始めると、電車のホームが表示され、プレイヤーはアバターを操作する。ホームや電車の中には、ブログが擬人化されたキャラクターがいて、そのキャラクターはブログの内容を「ふき出し」に表示する。また、他のプレイヤーもアバターとなっており、チャットを楽しむこともできる。

 「ブロ電」の企画は、山本氏と征矢氏が入社直後に、新人研修と、同社のウェブビジネスへの実験プロジェクトを兼ねてがスタートしたという。
 山本氏と征矢氏は、「なんか、RSSっておいしそうじゃね?」という一言から「ブロ電」の企画を思いついたことを明かし、それにちなんで食べ物を例に出しながら、RSSをエンターテイメント利用した異色のサービス「ブロ電」の開発について語った。

 RSSは、一般にWebサイトの新着情報などとして利用されている。ブログに記事を投稿すると、通常RSSが自動的に生成され公開される。これのRSSデータを取得し、少しずつキャラクターの「ふき出し」に表示されるようにしたのが「ブロ電」の基本だ。
 両氏は、これを食べ物にたとえ、普通のRSSリーダは「スーパーマーケット」であり、「ブロ電」は「高級レストラン」のようなもの説明した。スーパーは生活に必要不可欠だが、食材をそのまま売っている。対して、高級レストランは食材を調理し、客のところまで配膳するだけでなく、雰囲気にも気を遣っている。

 しかし、「ブロ電」の開発にあたって、技術的に解決しなければならないさまざまな問題があった。例えば、互換性のないRSSの規格が乱立していたり、大手ブログサービスでも正常なRSSを生成していない場合があり、RSSを取得すると文字化けするなどということがあった。

(左)シフトWeb開発部門 山本雄太氏、(右)シフトWeb開発部門 征矢健太郎氏

 また、問題は技術的なものだけではなく、著作権的なものもあった。キャラクターが発する「ふき出し」に表示するため、どうしても短く区切って改行する必要があるが、どこで区切るべきかも問題となった。
 RSSは公開されているとはいえ、他人の著作物である。ふき出しでの改行はいいのか、キャラクターの要望に合わせて表記や語尾を変更してしまってもいいのか、などという線引きが難しかった。食の例で言えば、「魚を食べようと思ったら、いきなりカマボコになって出てきたらお客はびっくりする」ということだ。そこで、2006年5月から11月にかけて行われたプレアルファバージョンでは、ブロガーに自分のブログを登録してもらい、それをもって本人の許可をとるという方法を取った。しかし、それによって、「自分のブログを紹介してくれるサービスだ」という誤解も生まれたという。

 さらに、ユーザーにとって、自分の興味のないブログの内容は退屈に感じるという問題もあった。そこで、2006年11月から現在まで続いている「本運転」と呼んだオープンベータ版では、見た目こそほとんど同じものの、ほぼ一から作りなおした。「マイホーム」というモードを設置し、ユーザーが自分の好きな外部ブログを登録できるようにした。これも、どこまで公開してよいのかという問題にぶつかり、「友人のみの公開」とした。

(左)料理に例えると、「配膳」まで行うのが「エンタメ利用」、(右)検討されたRSS加工例。左はそのまま、中央は表記の変更、右はいわゆる「人工無脳」による改変

 また、ただRSSを読むだけでなく、クイズゲームも追加した。単なるクイズではなく、ブログの内容と関係があるもので、ユーザー自身が登録できるようにした。これによって、「ブロ電」は、RSSリーダ、ソーシャルサービス、ゲームという3つの側面を得ることに成功したという。

 両氏は「ブロ電」を制作してわかったこととして、「RSSを、メインディッシュとする調理法は見つかっていない」ことを挙げた。調理法の可能性として、「原料の厳選」(ブログカテゴリーを絞ったり、人気ブログのみ利用するなど、「多種多様から厳選抽出へ」)、「原材料から用意する」(独自にコンテンツを作る)、「薬味を加える」(何かを加える)というものから、「メインディッシュにするのはあきらめて、他のものをメインにし、RSSは副菜とする」といった方法まである。
 両氏は、CGM(Consumer Generated Media、一般人が作ったメディア)は娯楽と相性が悪い。アクがあるので、きちんと料理する方法を見つけるのが今後の課題だろうとまとめた。

(左)エンタメ要素を強化するため、クイズゲームが実装された、(右)結論。CGMの調理法は、まだまだ検討の余地があるようだ

(茂内克彦@RBB)
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