★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
Shoot it! - #6 帰らざる男、noppo 18歳の旅立ち。−後編−
11月8日
noppoさん
イタリアで開催されたWCG2006の本戦に出場したnoppoは、仲間と日本に帰らず、Eスポーツの本場スウェーデンに向かった。若さに任せて世界に挑むnoppoが、イタリアへ旅立つ前に語ったインタビュー。今回はその後編をお送りする。
「AXGをやめたけど、4dNにも空きがない。その時点でスウェーデンに行こうと思ったんです。でも、もっとラクな方法はないかなって思っていた。そのときにプロを目指そうとしたメンバーにTakがいて、GDEXに協力してもらってアメリカでチームを作れないかと相談した。プレミアゲーミングというチーム名も決めた」
同志は4人まで集まった。あと一人がなかなか決まらない。アメリカで働いてゲームして暮らせる、おいしいね。と興味を持つ人は多かった。しかし本気度が見えなかった。結局、タイミングを逃し、プレミアゲーミングも結成できなかった。noppoは何度目かの挫折を経験する。
「もうCSについては何もかも終わり。ゲームそのものも辞めようと思っていた。でも、久しぶりに“新宿の先生”のところに行って励まされた。いろいろ考えて、ひとりでスウェーデンに行こう、と決めたんです。誰にも頼らないで頑張ってみようと。やっぱりみんなで行こうと甘えていた。もう誰も信じられない。やる気があるのは自分だけだと」
日本でプロゲーマーを目指すなんて無理だ。noppoはスウェーデンで自分の実力を試そうと考えていた。そんなとき、4dNから誘いがかかる。4dN_PSYMINで最強のスナイパー、Xrayが突然脱退した。補充要員としてnoppoに白羽の矢が立った。
「いい話だったんですよ。海外のブートキャンプに何回も行けて、WEGの参加権もあって。そのとき、Penzも4dNをやめたので、今年の3月にsionと僕が入った。sionはプレミアゲーミングのメンバーでもありましたから、かなり本気でした」
しかし、4dNでnoppoが海外に出ることはなかった。実はこのとき、4dNも動きが鈍くなっていた。海外に行くという話もなく、WEGもCPLもない。話が違う、と旧メンバーが脱退。noppoとsionが残された。
「残ったふたりに新メンバーを加えるって方向もあったと思うけど、これで僕はひとりでウェーデンに行く気持ちが固まった。それでスウェーデン語の学校に通い始めた」
大阪の次はスウェーデン。しかし親は理解してくれた。スウェーデン語の学校に通わせてもらった。学費が高い。2時間で2万円。週2回行くと、ひと月に16万円もかかる。しかし、もっと安く、楽しく学ぶ方法があった。
「学校に2ヵ月くらい通ってところで、mixiのスウェーデン関係のコミュに入ってみたんです。そこにスウェーデン語を教えますよって書き込みがあったんですね。スウェーデン人の留学生です。1時間1500円でした。その人にマンツーマンで教わりました。週に2回から3回、泊まりがけで行ったこともあります」
海外に留学したい。ゲームの本場に行きたい。そうなると、韓国やアメリカが思い浮かぶ。しかし、noppoはスウェーデンにこだわった。
プロゲーマーの本場へ旅立つ
「どうせ行くなら、いちばん良いところでやろうと。韓国はCSよりスタークラフトだし。でも、実は韓国からも誘われていたんです。PSYMINコリアチームの仲間から。でも、WCGなどの国対抗戦になると韓国人しか出られない、という理由で断られてしまいました。国籍を変えるしかないって言われちゃって」
留学したいという高校生はたくさんいる。留学後をどうするかまで考えてはいないから、無難で潰しの利く英語圏を希望する。しかし、noppoにとって語学留学は手段に過ぎなかった。将来性を考えたら英語が使えた方が良い。英語ができたらカッコイイ。しかし、noppoにとっては楽しいことが一番大切だ。
「スウェーデンに行って、万が一ゲームを辞めることがあったとしても、何かあると思うんですよ。なんとかなるか、みたいな」
確かに。日本では希少な言葉だから、むしろ良い選択かも知れない。最近日本でも活発に展開する家具メーカーのイケア社、スウェーデン航空、自動車のサーブ……もちろん商社、金融だって活躍の場はありそうだ。しかし、noppoはそこまで考えていなかった。ただ、楽しいから言葉を覚えた。言葉を覚えれば、ますますスウェーデンに行きたくなる。行きたい、いや、むしろ、住みたい。でも、どうすればいいのか。
「日本語で書かれたスウェーデンの情報ってほとんど無いんです。英語ではあるけれど読めないし(笑)。情報無いなあ、どうしよう、って1か月くらい悩んで、またmixiのスウェーデン関係のコミュを見たら、ホームステイに来ませんか、って書き込みがあった。ママが日本人で、パパがスウェーデン人という家庭でした。こどもはハーフだけど、ふだんの暮らしはスウェーデン語だそうです。よっしゃ! という感じでメッセージを送りました」
希望を伝えたところ、いつでもどうぞ、という返事。まるで親戚の家に遊びに行くような感覚でホームステイが決まった。運がいい。生まれたときにはゲームがあり、物心付いたときにはパソコンゲームもあって、高校生時代にレッドゾーンが開店する。スウェーデンに行きたいと思ったらmixiで情報が得られて、協力してくれる人もいた。もちろん辛いことも挫折もあったし、これからもあるはずだ。しかし、僕が高校のころに同じ経験をしようと思ったら、noppoが1か月かかったことに5年くらい要したはずだ。
「留学を考えていました。でも国民成人学校の締め切りが過ぎていた。次の入学は来年の9月からです。国民成人学校に入るとビザが貰えるんですけど、今回はビザが出ない。ビザがないと住むところも手配できない。だから、スウェーデンに行くとすれば、来年の9月からか、ビザ不要でホームステイか、ホテルで過ごすしかない。来年まで待てない。早く行きたいっていう気持ちが強くなってきたときにホームステイの話がまとまったんです。ちょうどそのときWCGの予選に勝ったから、イタリアのついでに行こう、と」
ビザの関係でホームステイの期限は3か月。noppoは年明けにいったん帰国する。しかし、来年は進学しようと考えている。
「国民成人学校っていう、言葉を教えてくれる学校があるんです。来年はそこに通って言葉をマスターして、スウェーデンの大学へ行きながらゲームをやります。寄宿舎に入ったほうが安上がりなんだけど、アパートを借りるつもりです。そしてクランに入ってプロを目指す。そのほうが日本にいるより充実すると思う」
ただし、今回のスウェーデン行きではゲームは慎むつもりだという。
「ホストファミリーは理解してくれていますが、ホームステイ先ではゲームはしないつもり。パソコンも持って行かない。先方がホームステイを受け入れる理由が、以前ホームステイを受け入れたときに楽しかったから、だそうです。だから、僕だけが楽しむわけにはいかない。お互いに楽しい暮らしをするためには、僕がずっと部屋に籠もってパソコンやってちゃダメ。今回はゲームメインじゃないくて、その準備だし」
WCGのひとこま。世界には新たな仲間たちが待っている
といいつつ、ゲームに関するお楽しみもある。スウェーデン人のネット仲間に会うこと。ヨーロッパ最大のLANゲームパーティ『ドリームハック』に行く約束をした。
「4dNのチャットチャンネルに遊びに来ていたスウェーデン人と仲良くなったんです。僕よりひとつ年上で、奈良に交換留学生で滞在したことがあるそうで。日本に親しみがあるらしい。ホームステイ中はその友人の家で遊ばせて貰おうと思っています」
やりたいことをかなえようと動き出せば、次々に実現していく。この時代ならではのサクセスストーリーだ。インターネットがあって、情報があって、国際交流も個人レベルでできるようになって。僕の若い頃からは考えられない。むしろ、これだけのことができるのに、夢を持たない若者がいるということが信じられなくなってくる。
「みんなも頑張ってると思うけど、レールから外れるのが怖いんじゃないかな。僕もそうだったから」
なんだか羨ましすぎて、「頑張れ」っていう気がしなくなってきた(笑)
「杉山さんも頑張ってくださいよ」
あ、言われちゃった……(笑)
§ § §
noppoの話には重要なポイントがいくつもある。親でも教師でもない、彼と対等に話をしてくれる大人が居たこと。プロチームを目指しながらも何度も挫折した。しかし不平を言うだけではなく、夢の実現に向けて実際に行動を起こしたこと。そのために、SNSサイトなど今どきのツールを使いこなしていること。若者が夢を叶えるために何をすべきか、何を必要としているのか。そのヒントが彼の言葉にたくさんあった。僕は彼のチャレンジの結果に期待するとともに、彼の行動がたくさんのゲーマーを勇気づけてくれると信じている。
(杉山淳一@RBB)
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