山田洋次監督や檀れいも出席〜「第19回東京国際映画祭」記者会見 | RBB TODAY
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山田洋次監督や檀れいも出席〜「第19回東京国際映画祭」記者会見

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記者会見に出席した山田洋次監督、檀れい、角川チェアマン(左から)
  • 記者会見に出席した山田洋次監督、檀れい、角川チェアマン(左から)
  • 美しいトロフィーが初お披露目された
  • 「武士の一分」の山田洋次監督と檀れい
  • 映画初出演となった「武士の一分」の撮影を振り返る檀れい
 東京の秋を華やかに彩る映画の祭典、東京国際映画祭が今年も10月21日(土)〜29日(日)に開催される。第19回となる今回の上映作品すべてが出揃い、本映画祭チェアマンの角川歴彦氏、プログラミング・ディレクターの田中千世子氏らが出席して、7月の第1回に続く第2回の記者会見が、9月19日(火)都内で開かれた。

 角川チェアマンによれば、今年はメインとなる六本木ヒルズと渋谷のBunkamuraの2会場を、オープニングからクロージングまでフル稼働させることで、例年のチケット入手困難に伴う映画ファンの不満を解消し、昨年の2倍の6万人の観客に映画を楽しんでもらえる環境が整ったそうだ。

 同時開催の「T!FFCOM2006 〜アジア・パシフィック・エンタテインメント・マーケット」は、アジアから発信するビジネスの活性化を図る目的だが、今年は海外からの関心も高く、すでに出展枠はすべて埋まっているという。日本映画の海外への浸透を促し、アジアや世界各地の映画を大事にする姿勢に徹することで、開催時期が近い釜山国際映画祭や、新設のローマ国際映画祭に引けを取らないフィルムマーケットになると自信を見せる角川チェアマンは、アニメ、コミック、ゲームから、キャラクター・グッズに至るエンターテインメントを網羅した企画「秋葉原エンタまつり」も含めて、21万人を超える動員を見込んでいる。

 近年、積極的にITを活用してきたが、開催期間中のレッドカーペット、セレモニー等の公式イベントを動画で配信し、ジャパンコンテンツの魅力を日本国内のみならず全世界に向けて発信するための総合配信プロジェクト「cyberT!FF」や、デジタル技術の可能性を追求する「digital T!FF」など新しい可能性に取り組み続けることを明言した。

 さらに、アニメ上映企画「animecs T!FF2006」と、「digital T!FF」の共同オープニング作品として、本年度のベネチア国際映画祭でも絶賛された今敏監督の「パプリカ」のデジタル4K上映が決定し、劇場内での盗撮対策を含め、技術力を結集させて海賊版対策に力を入れる姿勢も明確に打ち出した。

 続いて、映画祭の要である上映作品のラインアップが発表された。特別招待作品22本、「アジアの風」部門が36本。「日本映画・ある視点」部門は13本で、このうち、板倉真琴監督、富司純子主演の「待合室 -Notebook of LIfe」は、「digital T!FF」部門とのジョイント枠としてデジタル4K上映が決定している。

 そしてコンペティション部門。阪本順治監督の「魂萌え!」ほか、デンマーク、フランス、香港、中国、イスラエル、ロシア、イタリア、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国と、世界各地から集まった全15作品が東京サクラグランプリを競う。

 その東京サクラグランプリは、昨年、名称を新たにした本映画祭の最高賞で、今年はトロフィーも新しく生まれ変わり、手彫りの桜のモチーフがちりばめられ、光線の角度によって多彩な表情を見せるクリスタルの美しさがこの日初めて披露された。

 また、7月の第1回会見以来、発表が待たれていた国際審査委員に柳町光男監督ら3人が新たに加わったが、審査委員長に選ばれていたフランスのクロード・ルルーシュ監督は、新作の撮影の都合で就任を辞退。よって、同ポストは現在、交渉中だという。

 同じく前回の会見で、クロージング作品「犬神家の一族」の市川崑監督の受賞が発表された第3回黒澤明賞だが、もう一人、生前の黒澤監督が常々高く評価していた「カッコーの巣の上で」で知られるミロス・フォアマン監督も受賞することになった。授賞式は10月29日。

 ここで、オープニング・ナイトを飾る韓国からの特別招待作品「王の男」のイ・ジュンイク監督と、妖艶な青年役でプレイクしたイ・ジュンギからのビデオ・メッセージが届けられた。

 そして、この日の取りをつとめるスペシャルゲストとして、オープニング・イブにワールドプレミア上映される特別招待作品であり、木村拓哉の主演作としても話題を集める「武士の一分」の山田洋次監督と主演女優の檀れいが揃って登壇した。

 映画初出演となった檀れいは「最初は不安ばかりでしたが、山田監督や旦那様役の木村拓哉さんをはじめ、いろんな方に助けられてできた作品なんだなと今はしみじみ思っています」と撮影を振り返った。

 山田監督によれば、映画経験のない相手役を優しく気づかう木村の姿に、かつて「幸せの黄色いハンカチ」で、新人だった頃の武田鉄矢と桃井かおりを、うまく導いた高倉健の姿が重なったという。そして、「すてきな夫婦の絆が映画に出ていると思います」と結んだ。

 開催まで1ヶ月に迫った第19回東京国際映画祭。お披露目されたトロフィーの輝きに負けない多様で多彩な映画や人との出会いに期待したい。

◆第19回東京国際映画祭
 開催期間:10月21日(土)〜10月29日(日)
 会場:六本木ヒルズ(港区)・Bunkamura(渋谷区)をメイン会場に都内の各劇場、施設・ホールで開催
 一般向け問合せ先:http://www.tiff-jp.net・ハローダイヤル03-5777-8600(7:00〜23:00)
《齊田安起子》
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