Slash Games
★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
     
トップ
読み物
カレンダー
Other languages
★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
ゼビウス遠藤氏が語る「開発会社の生き残り」策とは― 第30回GAP-lab/IGDA関西セミナー
7月3日
モバイル&ゲームスタジオ代表取締役会長 遠藤雅伸氏
モバイル&ゲームスタジオ代表取締役会長 遠藤雅伸氏
 7月1日、GAP-labとIGDA関西によるセミナー『サスティナブル・コンテンツ・ディベロプメント vol.1 ―ゼビウスの開発者が語る次世代を生き抜く開発企業戦略』が大阪で開催された。ゼビウスの開発者、遠藤雅伸氏(モバイル&ゲームスタジオ代表取締役会長)を招いたこのセミナーでは、開発会社が今後どのように次世代に生き残るかをテーマに、講演とパネルディスカッションがおこなわれたが、経営としてはプロダクトマネジメントの重視、人材戦略としては熱意ある優秀な人材をプロパーで獲得して定着させることが重要だという意見が相次いだ。

 遠藤氏の講演では、まずゲーム産業のこれまでの流れがエレメカ(電子制御のないピンボール等の時代)にまでさかのぼって紹介された。スライドで紹介されるその内容は、エレメカからトランジスタ制御へのシフト、マイクロプロセッサの搭載によるプログラマブル化、家庭用ゲーム機の登場、タイトルの巨大化、ポリゴン対応、繰り返される次世代機戦争など、変化の様々な局面で必要とされる人材が変化したり業界構造が変化してきた歴史であった。

 そして、セミナーのテーマである「これからの開発会社はいかに次世代に生き残るか」ということについて遠藤氏は、「プロダクトマネジメントでコスト管理、見積もり精度を向上させる」ことが重要と指摘。さらに、開発コストを国内販売だけで回収するのではなく、海外でのリクープも重視すべきだと述べた。また、高コスト化に直結するハイデフ化については、ハイクオリティグラフィックスに突き進むのではなく、知恵でおもしろさに変えて海外に問うことが出来るのではないか、と述べた。

 また、資本戦略と法人形態については、規模を拡大して遊休リソースを減らすこと(複数ラインを動かせる規模にして、働いてない人材がなるべくいないようにする)や、ビジネスモデルの変化や規模の拡大の必要性などにあわせて、適切なアライアンスを模索することが必要だという。さらに、人材戦略では生命線である基幹技術開発のため、定着率を上げてノウハウを社内に蓄積できるようにすることと、きちんとコストをかけて有能な人材を採用・育成していくことが重要だと指摘した。

 このほか、タイトルについても、単純な受託だけではどうしても自転車操業になりがちということで、ロイヤリティ収入を得られるようにし、ワンソース・マルチユースやマルチプラットフォーム展開を考慮すべきだと述べた。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
 続いて行われたパネルディスカッションでは、遠藤雅伸氏に加え、アセンブレント 安倍孝一氏、フューチャークリエイツ 藤井やすひこ氏、ナウプロダクション 下間(しもつま)正巳氏がパネリストとして登場。

 規模拡大の進む次世代開発において、どのような開発スタイルを導入しているのか、という質問に対し、遠藤氏は「人件費の安いプロダクションを内部に抱えたい。今教育しているのはベトナム」と、海外シフトプランを進めていることを紹介。安倍氏は「プリプロダクションの強化、企画されたゲームを判断するための試作システムが必要」と述べた。また、藤井氏は「開発をスムーズに進めるツール、エンジンを固めて汎用的な開発が出来る体制を整備、さらに事業部制を取って社員が合理的な開発手法を自ら導入できるようにしている」という。
 下間氏は、「前の次世代化では、単純に人を増やしたが、今回は不可能。人が採れない。このため、一社ではできない場合には複数社と得意分野を持ち寄って仕事できる形を作らないといけないと考えている」と述べ、人材の不足している状況のなかで大規模開発を進めなければいけない状況への苦悩を見せた。

 人材の育成については、遠藤氏は「(学校教育には)今後大きく期待したい。人材育成・手法習得のためのカリキュラムの整備は大事」と述べつつ「大学では間に合わない」と指摘、より早い段階での。また、パネリストの4氏が開発者を目指す人に持っていて欲しい素養として口々に語ったのは、「情熱」「モチベーション」だ。「プログラミングは勉強すれば誰でもできる。ものを作りたいと野望を持っている人は吸収が早いしあきらめない」(藤井氏)、「後進に持って欲しいのは情熱。あんなものがやりたいという気持ち。プログラミング技術はそれに必要なだけ」(安倍氏)と、作りたいものがあることがまず重要だと述べた。

 これに関連して下間氏は現在のゲーム開発の「敷居の高さ」を指摘。「遠藤氏のようなスターデザイナーが登場した時期はすごく自由競争があった。ゲームの黎明期はトーナメントに参加するハードルが低かった。現在はトーナメント表に並ぶことが大変。分母(参加者の集団)が小さいので飛び抜けてすごいひとが出にくい」という。この点について遠藤氏は、「今敷居が低いのはケータイゲームの勝手サイト。昔はMSXだったが発表の場がなかったケータイには発表の場がある」と述べ、携帯電話向けゲームアプリから新しい波が出てくることに期待感を示した。

 また、技術の継承については、技術(技法)アーカイブの整備や、リバースエンジニアリングによる教育、日本語の教科書の整備など、さまざまな可能性が示された。

 「ゲーム開発者」トーナメントへの参加の敷居が上がってしまったという考え方は、筆者にとって、1980年代前半のゲームプログラムコンテストの流行や、投稿プログラマーによって雑誌が成立していた時代を思い起こして思わず首肯するものだ。目が肥えたが故に自らハードルを上げてしまっている若い開発者にとって、むしろ最近のレトロゲーム復活の傾向は、デザイナーとしてどこに力を入れなければならないか、あらためて考えるチャンスになっているのではないだろうか。
(伊藤雅俊@RBB)
関連リンク|Link
ゲームアーカイブ・プロジェクト公式サイト
その他のゲーム情報はSlash Gamesへ
PAGE TOP
新着ニュース
記事一覧へ
リリースRSSによる配信についてバナー広告問い合わせ会社概要プライバシーポリシーリンクについて
RBB TODAY RESONSE e-nenpi.com cbook24.com DOKOYO MONO ONLINE
本サイトの内容は、著作権による保護を受けています。 Copyright (c) 1998-2006 IRI Commerce and Technology, Inc. All Rights Reserved.
IRI Commerce and Technology, Inc.