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【PIE2006】荻窪圭のPIE2006レポート

 フォトイメージングエキスポといえば、古い伝統を持つ(昔は「日本カメラショー/写真・映像用品ショー」だったが)日本最大のカメラ系イベント。東京ビッグサイトへのアクセスも新宿からりんかい線直通ができたので(わたしには)楽になり、何とも楽しい次第である。

 「日本カメラショー/写真・映像用品ショー」の時代から毎年行ってたのでその変遷も見てきたわけだが、今年のフォトイメージングエキスポは昨年に比べて一皮むけたといっていい。

フォトイメージングエキスポ(PIE)の入口。東京ビッグサイトの西ホールを使って行われた

 もともと、その名前のとおり、カメラ業界と写真/映像用品業界がそれぞれつながった別の場所(隣り合ってたり、上下に分かれてたり)で行ってた見本市だったのだ。だからフォトイメージングエキスポになっても、デジカメの時代になってやっとデジカメを作ってる家電メーカーが参加しはじめたくらいだったが、今回は初めてアップルコンピュータがブースを構え、ナナオ(EIZO)が出展し、アドビも大きなブースでPhotoshopのステージを開催するなど、デジタルの時代を象徴する内容になったのだ。

 銀塩関連の出展は減り、デジタル画像にまつわる入口から出口までを揃えた展示会に成長したのである。

 それに伴って客層も、かつては業界関係者やカメラマニアが多かったけど、徐々に一般に広がり、高価でマニアックなカメラを首からぶら下げてブースやステージの女の子を撮りまくるようなマニアの率が減った気がする。

 全体としては今の時代をいい感じに象徴するフォトイメージングの展示会だ。

 ただし、残念な点が1つある。新製品デジカメやその関連製品が一堂に介する場であるにもかかわらず、ソニーとリコーが出展してないのである。ソニーの一眼レフの試作品でも出ないかなと期待してた人、リコーの「GR Digital」とか「Caplio R4」を見たいなと期待してた人には残念な結果だ。

 では今回のエキスポをジャンル別に概観してみよう。

●老舗のカメラメーカー編

 大手はほぼ出そろう。

 ニコンはD200がメインで、新作レンズは105mmF2.8のマクロレンズ。これは18-200mm VRレンズで搭載された「VRII」(4段分の補正効果があるという光学式手ブレ補正)を搭載したマクロレンズでちょっと重いが、マクロでブレ補正は欠かせないだけによい。DXレンズではないので35mmフィルムにも使えるし、デジタル一眼レフにつければ160mm相当の中望遠系マクロになる。

ニコンはいつもの黒と黄色のツートンカラーデザインで、メインステージはD200。プロのフォトグラファーが出てきてセミナーを随時行っている

今回の新作レンズはVRIIの手ブレ補正を搭載したデジタル一眼レフ専用105mmマクロ。ちょっと太いけど

 意外に注目されていたのが5月発売の「Capture NX」(Nikon Captureから「Nikon」がとれた)。片隅でデモされていただけだが、TIFFやJPEGでも処理の履歴を残したNEFファイルで保存できるし、選択ブラシも使えるようになった。5月の発売が待ち遠しい。

何気なく評判がいいCapture NXは片隅でデモされていた。5月の発売が待たれるソフトだ

 キヤノンは「EOS 30D」や「EOS 5D」。さらにプリンタやスキャナーなどキヤノンらしく幅広く展開していた。手ブレ補正を搭載した新型の「IXY DIGITAL 800 IS」にも人だかり。プロ向けのA3ノビ対応プリンタも大きなスペースをとって展示されている。

入力(スキャナやカメラ)から出力(プリンタやプロジェクタ)と幅広く展開するキヤノンはブースも巨大

カメラもいいが、何気なくカーテンの奥で展示されていたフォトプロジェクター(新型パワープロジェクター)も面白い存在。映画を見るだけじゃないプロジェクターだ

コンパクトデジカメで注目を集めていたのが、IXY DIGITAL 800 IS。IXYに手ブレ補正がついたのが来場者の注目を集めていた。IXYコーナーではここが一番の人だかり

EOS DIGITALコーナーはもちろんこのように大人気ではあるが、その上に超望遠レンズ体験コーナーが用意されていた。そのレンズの向こうにはパナソニックのステージがあり、きれいなおねえさんがいると一斉にレンズがそっちを向くのである

 参考出品ものとして、ホームユースのフォトプロジェクターが用意されていた。簡単にいえば、1,400×1,050ピクセルの高解像度や1,080iのHD対応でsRGBの色空間を持ち、投影するスクリーンの色に応じて自動的に色を調整してくれる(オートホワイトバランスのようなもの)のは家庭用としていい。

 ペンタックスはコンパクトデジカメと一眼レフ。「645デジタル」(仮称)の参考出品や、デジタル一眼レフ専用の単焦点レンズに注目。645デジタルは1,800万画素のコダック製CCDを採用。単焦点レンズは21mmのF3.2と70mm F2.4の2本。デジタル専用の単焦点レンズに力を入れているメーカーはなかなかないだけに注目したい。実際、もっとあってもいいと思う。

ペンタックスは「Optio」と「*ist DL2/DS2」がメイン

 秋に発表予定の1,000万画素デジタル一眼レフについてはほとんどの仕様が非公開で展示されていた。*ist Dシリーズのハイアマチュアモデルとして出てくるのは間違いなさそうだ、というくらいだ。

参考出品されていた645デジタル

ペンタックスがけっこう力を入れている、デジタル一眼レフ専用単焦点レンズ。すでに40mmのパンケーキがあるので、この2つで広角、中望遠と揃うことになる

 オリンパスはフォーサーズのEシステムがメインで、今回のウリはライブビューが可能な「E-330」。パナソニックがフォーサーズシステムの一眼レフとレンズを参考出品してることもあって、こちらもにぎわっていた。

オリンパスブースはフォーサーズがメイン

人だかりがすごいと思ったら、案の定水着の撮影会でした

 富士写真フイルムは今回は今回はコンパクトデジカメ中心。5月発売予定のISO3,200まで対応する「FinePix F30」は今回が国内初お披露目ということもあって注目の製品だ。

富士写真フイルムはFinePixやプリント系が中心

注目はやはり「FinePix F11」の後継機「FinePix F30」。高感度時の画質ではコンパクトデジカメではダントツだっただけに、ISO3,200まで上げたというF30も気になるところだ

 コダックは「EasyShare V570」一本という感じでステージを展開。V570のパノラマ機能で撮った写真やコンテスト優秀作が展示されていた。

 注目は、コダックのEasyShareをベースにした「ImageLink プリントシステム」。この春、オリンパス・ニコン・ペンタックスが対応デジカメを出していたため、これらのカメラをコダックのプリンタドック2にセットしたデモを展開している。

コダックはこのフォトイメージングエキスポ直前にコーポレートロゴを変更して丸みを帯びた書体になった。今回のエキスポではさっそくそのロゴでブースを展開。メインはデュアルレンズのV570

パノラマ機能で撮った写真をメインに展示していた

●家電・パソコンメーカー系デジカメ

 まずはエプソン。PX-Gインクを搭載したA3ノビ対応の新型顔料インクプリンタがメインだが、その横にR-D1の後継機R-D1sが登場。基本構成はそのままだが、「R−D1の後継機ではなく完成品だ」というようなコピーで人気を博していた。

エプソンブースは中央にPX-Gインクを採用した新型顔料プリンタ。フォトイメージングエキスポだけあって、ハイエンドプリンタをメインに持ってきた

何気なく「R-D1」の後継である「R-D1s」も登場。撮影後の確認画面が自動表示できるなど中身がブラッシュアップされている

 家電系で注目はやはりパナソニック。LUMIXシリーズがメインだが、話題は透明ケースにしまわれた「DMC-L1」。レンズはライカブランドの手ブレ補正付き。もちろんフォーサーズシステムなので、オリンパスのレンズも装着できるし、逆にライカのこのレンズをオリンパスのE-330につけることもできる。

家電系では一番力を入れていたパナソニック。LUMIXのステージがメインだったが、SDメモリーカードスロット搭載の大画面テレビ「VIERA」も展示

何気なく展示されていた、フォーサーズシステムのDMC-L1にも注目が。発売は夏から秋の予定だそうな

これは当日会議室でプレス向けに行われたセミナーで公開された実機。触れることは出来なかったが動作する個体を撮影できた

 デザインは昨年登場して、ライカブランドからも発売された「DMX-LC1」がベース。それをレンズ交換式にしたもので、ペンタプリズムは飛び出ておらず(ミラーが横に開くE-330と同じ方式のため)、一見レンジファインダーのように見えるおもしろいスタイルだ。軍艦部にシャッターダイヤル、レンズには絞りリングがあるなどアナログ風の操作にこだわった製品である。

 予定どおりに登場すればデジタル一眼レフ界がおもしろくなりそうだ。

 カシオは「EXILIMシリーズ」。

カシオはEXILIMブース。デザインがユニーク

 サンヨーはHD対応の「DMX-HD1」をメインに展示。

三洋電機はXactiのHDバージョン、DMX-HD1をメインに展示

●パソコン系のデジタルイメージング製品

 一番大きなブースはアドビ。Photoshop CS2をメインに、Photoshop Elements 4.0や、現在はMac OS X版のパブリックベータが公開された段階のAdobe Light Roomを展示。

入口すぐにアドビブース。メインはPhotoshop CS2。横ではベータ版の上に英語版のLightRoomもデモ。ちょっと注目

 今回の注目はアップルコンピュータ。昨年もセミナーは開いたが、ブースとして構えたのは今回が初めて。Apertureというプロ向けのフォトプリプロセスソフト1本に絞ってステージとハンズオンを展開。まだ英語版のみだが、3月に登場するバージョン1.1を使い、その特徴をアピールしていた。日本語版の発売日は未定だが、英語版でも1.1からは正式に日本語OS上でも動作する版となる。

アップルブースは黒い直方体で、Apertureのステージを展開。その両側ではハンズオンで実際に解説付きでさわれるようになっていた

Apertureのハンズオン。実は今回のこのブースの写真もApertureを使って選択、必要があればレタッチしている

 EIZOはクオリティに定評がある液晶モニタやカラーキャリブレーションシステムを展示。

初めてブースを構えたナナオ(EIZO)。フォトイメージングエ キスポらしくハイエンドな写真編集向け液晶ディスプレイや、カラー キャリブレーションシステムを展示。パソコン関連ではほかに WACOMもブースを構えていた

 その向かいにあったColorVisionのブースは小さいけれども注目。カラーキャリブレーションシステムのSpyder2シリーズに、個人・アマチュア向けの「Spyder2 Express」が登場。実売価格2万円以下で簡単にディスプレイのキャリブレート(ガンマ曲線の修正)ができる。デジタルフォトにまともな発色のディスプレイは欠かせないので、低価格のキャリブレータは重要だ。

Spyder2シリーズを展開するColorVision社のブース。ブースは小さいけれども重要なアイテムだ

低価格バージョンのキャリブレータSpyder2 express。上位モデルとの主な違いは付属するキャリブレーションのソフトだ

●レンズメーカー

 レンズ系のメーカーもAPS-Cサイズのデジタル一眼レフ用レンズを多く取りそろえており、非常に元気だ。

 シグマは多くのレンズをデジタル対応にし、PMAで発表したフォーサーズ対応交換レンズも出展。特に新作はなかったが、70-200mm/F2.8レンズの最短焦点距離が1mになった新型を展示。テレマクロ対応になった。

シグマはけっこう凝ったデザインの明るいブースで、同社のレンズを一堂に並べていた。もちろんSDシリーズも

 トキナーは非常にコンパクトな望遠系ズーム80-400mm F4.5-5.6が面白そう。参考出品では、50-135mm F2.8 DXや16-50mm F2.8 DXなど、全域で開放F値が固定の各種ハイエンドレンズに注目。

トキナー、Kenko、SLIKのブース

トキナーの80-400mmはテレ端でF5.6ではあるがこのように非常にコンパクト。レンズフードの根本にあるダイヤルはPLフィルタを回すためのものだ

トキナーの参考出品は、全域F2.8のデジタル一眼レフ専用各種ズームレンズ。いよいよ本格的にデジタル一眼レフ専用レンズを出してくる

 タムロンはデジタル専用のDi IIシリーズを拡充。特に注目は17-50mm F2.8のデジタル一眼専用レンズ。好評だった28-75mmの画角をAPS-Cサイズのデジタル一眼で実現するものだ。

タムロンも多くのデジタル一眼レフ対応レンズを出品

新製品は3本あったが、一番の注目はとブースで尋ねると、17-50mm/F2.8のデジタル一眼レフ専用レンズという答えが返ってきた。28-75mm相当である

●写真・映像用品メーカー

 残るは写真・映像用品系。マンフロットやジッツォからベルボンやスリックの三脚、TENBAやLoweProのバッグ、さらにはCrumplerやFoxFireといったブランドの製品や、フィルタ、アルバムなどあらゆる用品メーカーが揃うの特徴。

 極端な話、カメラは発売されされれば大型量販店ですべてを触ることができるが、細かい写真用品はなかなかそうはいかない。こういう展示会ではそれらを一堂に介してチェックできるし、マンフロットやジッツォの2006年モデルを実際に触ってみることができる。

 個人的にはいつも一番楽しみなのがこの用品関連なのだ。

 これについては別稿で取り上げたい。

このような写真用品系のブースも、日本や世界中のいろんなブランドが集まっていてなかなかおもしろい。海外製品はその代理店のブースで触ることができる
(荻窪圭@RBB 2006年3月24日 08:12)
キーワード: PIE2006 PIE2005

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編集協力:H14
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