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【mobidec】モバイルでもADSLのビジネススタイルを -イー・モバイル諸橋氏

 Mobile Content Forum(MCF)が主催する「MCFモバイル・デベロッパー・コンファレンスmobidec 2005」が、11月29日、30日の2日にわたって秋葉原で開催された。mobidec2日目の30日、「イー・モバイルが目指す携帯事業と将来への展望」と題して、イー・モバイルが同社の携帯事業新規参入の展望について紹介した。

 2005年1月にイー・アクセス株式会社が100%出資を行い、モバイル・ブロードバンド通信事業として設立されたイー・モバイル。設立時には数名だった社員が、現在ではすでに150を数え、2007年3月からのサービス開始に向けて着々と準備を進めていると諸橋氏は話す。

■ユーザーニーズから見た理想のネットワークとは
 まず諸橋氏は、日本における固定ブロードバンド利用者が、2001年から2004年の4年間で13倍となり、世界的にも非常に早い普及であったことを示し、その最大の牽引として「低額料金」を挙げた。固定ブロードバンドが低額化によって我々の生活基盤として大きく浸透した一方、現在のモバイルインターネットに目を向けてみると、携帯電話やPHS本体での利用か、あるいは利用しない、という人が圧倒的に多い。その理由として同氏は、現時点でユーザーの求めるものが提供できていないと指摘した。

 ではユーザーの求めるものとは何か。その問いに同氏は、「コンテンツの多様性」「モバイル環境での高速化」「利用環境の連続性」「面カバーの必要性」「リーズナブルな価格」の5点を挙げた。特に最後の点では、パケット課による高額な料金体系では利用水準を高めることができないとし、イー・モバイルはこの部分の変革も目指したいとした。

 移動体通信市場の規模は固定ブロードバンド市場の約12倍もあるにも関わらず、参入しているキャリアは3社のみ。これではキャリア同士の切磋琢磨は期待できず、市場規模からすれば寡占に近い状態であると同氏は言う。

 また携帯電話の普及率を見ると、人口に対する台数が100%を超えている国があるにも関わらず、日本は70%ほどにとどまっているという点も指摘した。同氏は、現在のようなオールインワン・タイプの高価な携帯電話端末ではなく、目的別に選べるような手軽な端末の登場も必要であるとし、この分野での市場も十分あると見ている。

 市場参入の追い風となるのは、番号ポータビリティである。2005年5月に同社が行った調査によると、条件次第で乗り換えの可能性があるユーザーは約7割であったと言う。

国別の携帯電話普及率をみると、日本は欧州諸国に比べて低い 英国と仏国は番号ポータビリティ制導入によって市場が活性した
(左)国別の携帯電話普及率をみると、日本は欧州諸国に比べて低い(右)英国と仏国は番号ポータビリティ制導入によって市場が活性した

■将来のモバイルビジネス展開への展望
 諸橋氏は、「場所・状況に依存せず、リーズナブルな価格でブロードバンド環境をシームレスに提供できるネットワーク」を実現するために、FMC技術を活用したサービスの展開が不可欠であるとした。そしてそのカギとなるのは、ITU-R携帯電話系の「HSDPA」と、IEEE802無線アクセス系の「802.16e」(モバイルWiMAX)の融合によるサービスであると論じた。

 イー・モバイルは、ユーザーから見た理想のネットワークに対応するビジネスとして、「データ通信重視型サービス(固定系との融合)」「新たな市場の開拓(MVNO)」「生活エンジョイ端末」が今後主流となるとしている。そのためのコンテンツリッチなMVNOプレイヤーとの提携は不可欠であり、ADSLで培ったホールセール型ビジネスのノウハウを、固定ブロードバンドの市場形成と同じ潮流であるモバイルにも適用できることは、イー・モバイルの優位性であると言う。

ユーザーニーズの実現にはHSDPAと802.16eの技術が不可欠 ユーザーニーズに対応して今後主流となるビジネス
(左)ユーザーニーズの実現にはHSDPAと802.16eの技術が不可欠(右)ユーザーニーズに対応して今後主流となるビジネス

 携帯電話のブロードバンド化により、今後のモバイルコンテンツは放送・動画コンテンツが主流になると見られる。そのため、TBS(東京放送)との事業提携によってサービスの可能性は大きく広がったと言う。その実現に向けては、「放送」と「通信」という、コンテンツの提供スキームがまったく相反的である2つが、互いに補完しあう関係のもとで効果的に連携しあうことが重要であるとも語った。

事業提携によって理想的なネットワークを目指す 放送と通信のサービス連携によって好循環を生む
(左)事業提携によって理想的なネットワークを目指す(右)放送と通信のサービス連携によって好循環を生む
(柏木由美子@RBB 2005年12月7日 22:06)
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