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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
クリエーターはビジネスマンの食い物にされるな! -萌えてはいけない。(後編)
11月24日
デジタルハリウッド大学大学院で開催されたシンポジウム「萌えてはいけない。」の後半をお届けする。第二部に入る前の休憩中の模様からお届けする。
テンションを下げたくないということで、一部のパネラーがトイレ休憩などで消えつつも、雑談的なトークがつづいたのが休憩時間。退席したパネラーの欠席裁判状態になり、「だからこのメンバーは怖いんだよ(笑)」と大月氏。そして、いよいよ第二部へ突入。まずは、CMコーナーということで、意外な人物が登場した。なんと、『デ・ジ・キャラット』などまさにどこからどう見ても「萌え」系アニメやキャラクターで知られるブロッコリーの木谷高明代表取締役会長だ。「『萌えてはいけない。』なんて、うちに対する攻撃ですか(笑)。本店から100メートルも離れてないところで、とんでもないシンポジウムをやってますね」と、敵方(?)の代表でありつつも、笑いを取るあいさつ。新しいカードゲームのCMが5分間行われ、サンプルカードが会場の全員に配られると、退場していった。
ブロッコリーの木谷氏。「萌え」が売り物の企業の会長が、「萌え」を否定するような題材のシンポジウムにCMで登場してしまうところがおもしろかった。
さらに、そこへ野村総合研究所(NRI)の北林謙氏が登場。第一部冒頭で、オタク産業は4000億円以上という試算があることがイントロ映像で発表されていたのだが、その試算を行ったのがNRIである。「萌え」産業だけではなくて、いまやマニアはオタクと呼ばれるので、車や鉄道などあらゆるマニアの市場を含めての試算で、4000億円オーバーということらしい。北林氏はプロジェクターを用いて、「オタクの定義も時代により変遷」など、ビジネスシーンでのプレゼンテーションばりの解説を行った。しかし、このプレゼンに対しては、いしかわ氏が激しいツッコミ。「こんなのこの会場にいるやつなら、誰だってわかってるよな? もっと面白いことを聞きたかったよ」といういしかわ氏らしい過激な発言に、北林氏も苦笑い。笹峯氏が、「いしかわさん大人なんですから」とたしなめて場内の爆笑を誘っていた。
野村総研のオタク産業に関するプレゼンテーション。北林氏の社での本業は異なるので、プライベートな時間を使って、調査やプレゼン資料の作成をした模様。
その後、杉山学長が司会をする形で、第二部の本題がスタート。「マンガ、クリエイティブはどこに向かう?」である。日本のマンガの海外進出、日本政府が国策としてアニメを振興することなどについて、そして現在インターネットがあることによる作り手と受け手の距離の接近などについて、現状が披露されたり、今後のあり方などが意見として戦わされた。マンガの海外進出は、アジア圏への進出はレートの問題もあって、なかなか利潤に結びつきにくいという話があり、アメリカやヨーロッパへ持っていく方向が必要だ、とのこと。また、日本政府のアニメ振興に対しては、「インフラを整えて、ピラミッドの底辺を広げて頂点を高くする」か、「これまで名作を発表してきた富野さんや宮崎さんらにまとまった資金を渡して、さらにいい作品を作ってもらう」のどちらかだ、という話に。海外で国策としてアニメなどを奨励したが失敗している例なども出し、なかなか国が顔を突っ込んでくるとうまくいかないのではないか、という結論である。
その後、ピラミッドの頂点ということから、才能を持った人間の話へ。クリエイターとして最年長でいながら今も現役で作品を発表し続けている富野氏が発言。「ビジネスマンたちに、才能あるクリエーターを食い物にされないよう、がんばらないといけない」という言葉は、非常に重みがあった。そこで、岡田氏が少々暴走し、具体的に実名を出してそれをフォロー。「富野さんはあれだけ作品をヒットさせてるのに、未だにプールのある家に住んでない。でも、○○○○○○○○○の社長はプールをいくつも持ってますからね!」という、DVD化する際はカット間違いなしの発言が爆発。さらに、富野氏は、作品の作り手のスタンスとして、同業の某氏に対しても「多数の人間が関わって制作しているアニメにおいて、自分のセンスだけで方向付けするな、××!!」と吼えまくり。まさに、富野節炸裂である。
このほか、第二部の題材からは少々離れるが、印象に残ったのが、岡田氏の賛否両論で議論を呼びそな説。「オタクの対になる存在が負け犬」だそうである。「現実の男は……」として結婚しない負け犬と呼ばれる女性と、「現実の女は……」としてバーチャルに走るオタクの男性。一理ありそうな気もするが、どうだろうか?
このほか割愛せざるを得なかった中にも有意義な話、爆笑必死の発言などが多々あったのだが、3時間におよぶシンポジウムは大盛況のうちに終了。当初、研究家が多数を占めるので、外側から見た発言が主流になると思われたが、クリエイターとして大物中の大物である富野氏が参加したことにより、一変。マンガ家のいしかわ氏と合わせ、アニメ界のクリエーターサイドからの非常に貴重な意見も聞くことができた。しかも、そうした業界内の話だけに留まらず、今後100年間の日本の進展や、地球規模の視点での意見も多々あり、参加できた200名はもちろん、大学院のスタッフや関係者など静聴できた人たちはみな、考え方の幅が広がったり、変化したりするほどの衝撃を受けたのではないだろうか? もし、正式にDVD化されるのであれば、クリエイターを目指す人ならぜひ目を通してもらいたいと思う、実に有意義なシンポジウムであった。
掲載・放送不可能な実名出しまくりの発言もあり、まさにライブならではの貴重さ・楽しさを体感させてくれた8名で、最後に記念撮影。
(ライター デイビー日高)
(RBB TODAY)
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