本年ついに「iTunes Music Store」のサービスが日本でも開始。国内でも各社から音楽配信サイトが立ち上がり、2005年はインターネット音楽配信元年となった。一方で音楽業界には楽曲配信に対する懸念も根強く、あるサイトでダウンロード購入した楽曲を他社の音楽携帯プレイヤーで自由に聞くことが難しいなど、消費者の利便性を欠く事態も生まれている。こうした中で音楽配信のビジネス展開や、ファンとクリエイターの関係性はどうあるべきか。東京コンテンツマーケット2005で最後のシンポジウムとなった「音楽ネット配信最前線!」では、このテーマに沿ってホットな議論が繰り広げられた。
バラカン氏はまず「福岡氏、丸山氏ともにソニー・ミュージック出身という点で、過去のキャリアに対する反発心もあったのではないか」と指摘。日本の音楽業界の保守性について触れ、iTunes Music Storeがスタートしたにもかかわらず、大手レコード会社の中には楽曲を提供しない企業があることに懸念を示した。「自社の権利を他社に有料でも認めさせない姿勢は、保守的を通り越して、わかってない」(バラカン氏)。バラカン氏によると、先進国の中でストリーミングラジオに楽曲を流せないのは日本だけだという。
最後に音楽業界のこれからについて、太下氏は「これまで日本では音楽チャネルが限られており、J-POPや一部の米英ヒット曲しか楽しめなかった。これは音楽全体からみればいびつなこと。P2Pでは全世界で2,500万曲が流通していると言われ、iTunes Music Storeの150万曲は一部にすぎない」と紹介した。また福岡氏は「混迷の時代だからこそ背筋を伸ばして、良い音楽文化を日本から広げていきたい」と抱負を述べた。宇佐美氏は「今まではCDを輸送するコストが必要だったが、音楽配信ではゼロになる。これをどのように生かすかで音楽業界は大きく変化する」と指摘。バラカン氏は「すべての音楽ライブラリがネット上にできることを期待したい」とコメントし、シンポジウムを締めくくった。