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楽天、TBSに共同持株会社設立による統合を申し入れ緊急会見。現時点の株保有率は15.46%

 楽天は、本日10月13日に緊急の記者会見を行い、東京放送(TBS) に対して、経営統合を視野に入れたうえで「共同持株会社設立」を申し入れたことを発表した。記者会見は東京全日空ホテルにおいて行われ、代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏および代表取締役副社長執行役員の國重惇史氏が出席し、経過報告および今回の申し入れについての解説を行い、最後に記者からの質疑応答に答えた。会場内に用意されていた座席はすべて埋まった状態で、立ったままメモを取る記者も散見され、注目度の高さを伺わせた。

(左)代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏(右)代表取締役副社長執行役員の國重惇史氏
(左)代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏(右)代表取締役副社長執行役員の國重惇史氏

会場は多くの記者で埋まった
会場は多くの記者で埋まった

 会見は予定の10分遅れでスタート。まず三木谷氏が壇上から挨拶。「楽天とTBSとの事業統合実現に向けて努力していきたい」とのことで、まず現状についての説明がなされた。10月12日現在、楽天は子会社の楽天ストラテジックパートナーズおよび楽天メディア・インベストメントを通じてTBSの普通株式の15.46%を市場から取得、証取法に従い、翌13日に大量保有報告書が提出された。同時にTBS経営陣に対して、100ページ弱の書面からなる「共同持株会社を通じた統合に関する提案およびその要旨」を提出した。高い影響力を持ちつつ収益が圧迫されているTV・ラジオに対し、高い収益性と成長力を持つインターネットが融合することで、メディア力・収益性・成長性が向上すると説明、「TV広告の高付加価値化」と「ブロードバンド配信」などのシナジー効果が見込まれるとした。

経営統合の概念図
経営統合の概念図

 さらにTBSの映像コンテンツを、TBSとしての既存事業と楽天との協業にて使用することで、価値を最大化できる・世界に通用する、とし、そのために、共同持ち株会社を設立、TBSグループと楽天グループの両方がその持株会社下に入るという形態が説明された。またデジタルビデオレコーダ市場を参考にして、将来的にCMスキップ率が上昇すると予測、さらにTVとインターネットの“ながら視聴”の増大などから、「TVのトラフィックをWebに誘導し、そこで広告収入を得る」というコマース形態を提示した。その後、楽天とTBSだけでなく、Yahoo!、ライブドア、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の収益性×売上げ規模の比較図が表示されたのだが、ここにはVIACOM、ディズニー、タイムワーナー、NewsCorpの海外メディアも併記されており、三木谷氏の最終目標は、これら海外メディアに匹敵する巨大メディアグループを、日本国内で作り上げることだ、という意志が明確に見て取れた。

 さらに、報道機関との統合ということに配慮したのか「楽天としてもずっと公共性・中立性に配慮してきたつもりで、いささか心外ではあるが、あえて説明したい」として、「公共性・中立性の確保について」と題する説明が行われた。ここでは、長期的な信頼関係を築くためにもTBSの企業風土・人的資源を維持することを強調、さらに第三者機関として共同で委員会設置を行いたいとした。一方で、楽天側の視点として、ナンバーワンポータルの布石としてメリットが楽天にとっても大きいと肯定。今後、ポータル、EC、トラベル、プロスポーツ、金融の5つの事業領域をはじめ、あらゆる領域で主導的ポジションを獲得・保持すると力強く述べて締めくくった。

 その後は記者団との質疑応答となった。巨大IT企業とTVメディアの融合、ということで、さまざまな立場から疑問が多数よせられた。

 まず、TBS経営陣への要望提出時の模様だが、相手方から「もうちょっと早くいってくれよ」といった発言が出たというエピソードが國重氏から披露され、比較的なごやかなやりとりであったろうことを伺わせた。20分強の時間をかけて説明、「希望的観測だが、検討していただけるとの話だったので期待したい」と回答した。断られたらどうするかについても「断られたら考える、回答期限もとくに設けていない」と待ちの姿勢を貫いた。

 株式の取得については、楽天で調達した資金880億円で購入、今後の株の買い増しについては「市場に影響が出るようなことは発言できない」とした。

 ほぼ同時期に同じくTBS株を取得した村上ファンドについては、「把握していないので話し合いなど考えていないし、そもそもファンドとしての取得と事業としての取得で性格が異なる」とした。今後の話し合いについても未定とのこと。

 メディア買収劇とのことで、この春のフジテレビとライブドアとの比較、ライブドアをどう思うかといった質問が何度か出たが、これについては「他社さんは他社さんで、みなすばらしいところで、私どもがなにかをいう立場ではない」とノーコメントを貫いた。「複数TV局のなかで、なぜTBSを」という質問に対しては「相性がよいと思えた」との回答だった。

 また、 楽天ゴールデンイーグルス(母体企業は楽天)と横浜ベイスターズ(母体企業はTBS)の今後についての質問も出た。まず、「複数球団を同一企業が保有することは望ましくない」とし「コミッショナーに相談したい」と回答。「TBSに対して楽天が支配権を持つわけでもなく、相手の会社の持つものに注文を付けるのは失礼」とも答えたが、これについては、日本プロフェッショナル野球協約に照らし合わせた場合、違反となる可能性もあるので、その場合、楽天がゴールデンイーグルスを手放す可能性もゼロではない。今後焦点の1つとなるだろう。

 プレゼンテーション資料が整っていなかったり、配付資料が終了時に配られるなど、かなり急な時間で用意されたことを伺わせる記者会見であったが、もっとも注目すべきは、TBS側との協議をはじめた段階で、それを楽天側のみ単独で発表した、ということだろう。もちろん駆け引き上の勝算を計算したうえでの発表なのは間違いないが、TBS側にしてみれば一方的に行われた会見、と取れなくもない。会場からも(買収中に、相手方との協議の様子をわざわざ会見するというのは)「類例がないのでは」との声があがっていた。三木谷氏は「楽天株主に対する説明責任がある」とし、なにより、保有株式の数字など、いくつかの報道において憶測や間違いをふくんでおり、それを正確なものとしたかったと、今回の記者会見を説明した。

 一方、TBS側は株取得について「唐突な印象」とすでにコメントを発表しており、手放しで受け入れているわけではない。とにかく、今後のTBS側の反応、そして最終的な成り行きが注目される。
(冨岡晶@RBB 2005年10月13日 21:47)
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