★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
-->
トップ
読み物
カレンダー
Other languages
★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
[TGS 2005] 法的規制は最後の手段。業界で進める自主的な年齢別レーティング
9月19日
CESA(コンピュータエンターテインメント協会)は東京ゲームショウ2005の特設ステージで「CERO年齢別レーティングの未来を考える」と題したパネルディスカッションを開催した。コーディネーターはスクウェア・エニックス社長で、CESA副会長/調査広報委員会委員長の和田洋一氏。パネリストは坂元章氏(お茶の水女子大・CERO理事)、渋谷明子さん(慶応大)、七海陽さん(浜松大)、武藤春光氏(CERO理事長)。
現在コンソールゲームはCERO(コンピュータエンターテイメントレーティング機構)の年齢別審査を受けて発売されている。一方で「グランド・セフト・オートIII」(カプコン)が神奈川県で有害図書類に指定されるなど、テレビゲームの性表現や暴力表現を巡る社会との摩擦は増大している。今回のパネルディスカッションは、次世代コンソールの発売を控え、ゲームの表現力がさらに拡大する中で、社会全体としてゲームとどのように向き合って行くべきか、広く問いかけるものとなった。
はじめにCERO理事長の武藤氏から、CEROの紹介も含めて、レーティングの基本概念と審査体制が紹介された。CEROはゲーム業界から独立した公正・中立な審査機関で、審査基準は東京都の青少年保護育成条例の規定を参考に、一般常識や社会通念に照らして作成されていること。審査はゲーム業界の人間ではなく、20歳から60歳までの男女による、一般の人々が行っていると説明した。またCEROが「有害」と認めるゲームは、審査段階でレーティングが発行されず、現在発売されているソフトはすべて「無害」なゲームであること。そのうえでユーザーの購入の目安として、年齢別の区分を行っていると述べた。
次に坂元氏は社会心理学者の立場から、テレビゲームによる子供への悪影響の有無はかんたんには判断できないが、なんらかの対応が必要であることは社会の共通認識になっているとコメント。具体的な対応論については、大きく「法的規制」「自主規制」「メディアリテラシー教育」の3種類があると紹介した。そのうえで法的規制は最後の手段として位置づけるべきで、まずは自主規制とメディアリテラシー教育の拡大で、ゲームに「没入」するのではなく、客観的に「鑑賞」できるユーザーを育てるべきだと話した。
坂元氏によると、重要なのはテレビゲームが有用であり、社会を損なわないような仕組み作りで、法的規制に安易に委ねると、ユーザーの思考停止を招き、テレビゲームの有用な部分まで損なわれるとコメント。一方でゲームメーカーも草の根的な取り組みにもっと力を入れるべきで、メディアリテラシー教育の分野においても、機材や資金、教材、講師、プロジェクトの創設、事例の紹介やアクセス性の向上など、できることは数多くあると指摘した。
渋谷さんは研究者・母親・そしてゲームファンの立場から、小学生に対して行ったテレビとテレビゲームの影響に関する研究結果を紹介した。中でもテレビゲームならではの現象として、テレビゲームの暴力シーンに対して、親が嫌がっていると子供が理解すれば、子供がより強く親の思いを共感する傾向がみられたという。その上で保護者にはレーティングの積極的な活用と共に、子供に遊んで欲しくないゲームについては、はっきりと態度を示し、自身も子供の前でそうしたゲームを遊ばないことが重要と指摘した。
一方でゲーム業界に対しては、レーティングの認知が進んでいない現状をあげ、広告、CM、店頭告知など、より一層のプロモーションの必要性をあげた。またゲーム内容についても「戦うだけでは倒せないボスキャラクター」「セーブポイントの増加」「一定時間でチャイムが鳴る機能」などのアイディアをあげ、ゲームリテラシー向上のために保護者とゲーム業界の相互協力の必要性を訴えた。
ちなみに渋谷さんの家庭では、最近は「ドラゴンクエストVIII」を子供と遊んでいるが「3Dのリアルな映像になって、タンスを調べてアイテムをゲットしたり、壺を全部壊すのは、子供がどのように受け止めているかを考えると、ちょっと抵抗がある。たまにはNPCから怒られたりしても良い」などと述べた上で、絵本の読み聞かせのように、ゲームの読み聞かせも効果があるのではとコメントした。渋谷家ではドラクエを子供に読み聞かせながら一緒に遊んだところ、難しい漢字でも子供が読めるようになったという。
メディアが子供に与える影響などを研究している七海さんは、まず情報メディアの普及で子供たちを取り巻く環境がどのように変わったかについて紹介した。七海さんは「今の子供は昔と変わったと言われるが、変わったのはむしろ子供をとりまく社会の方」と述べ、ゲーム、インターネット、携帯電話といった情報メディアが急速に浸透した結果、商業主義的なメッセージや情報が、地域社会や学校、家庭を飛び越して、直接子供たちに伝わるようになっている現状を説明した。
「子供は情報メディアを使いこなすのは早いが、その先に何があるか考えられない。一方で大人は子供ほど情報メディアに対応できない」(七海さん)
また七海さんは「お母さんのゲーム体験日記」という自身の研究内容から、テレビゲームを巡る親子の相互理解に対する障壁の存在と、その対応事例について紹介した。七海さんは、親の側が一方的に子供たちからテレビゲームを切り離すだけでは、テレビゲームを巡る親子の不信感やストレスを解消することはできないこと。解決策として親がテレビゲームに一歩踏み込み、実際に遊ぶことが親子の対話に繋がると話した。
最後に武藤氏は補足として、昨今のCERO内の議論として、テレビゲームはもはや子供だけのものではなく、大人の娯楽になっていることを正面から受け止めるべきだ、という声が上がっていることを紹介した。その上で販売体制などをきちんと整えた上で、成人が興味を持つストーリーや内容を扱ったゲームがあってもいい、という認識を示した。また和田氏は「安易に誰かのせいにしないこと。社会全体としてこの問題と取り組むことが重要だ」とコメントし、CEROレーティングの積極的な活用を訴えた。
今回のパネルディスカッションは、一連のゲームバッシングに対するゲーム業界の取り組みを単純にアピールするだけでなく、ゲームの作り手側に対してもさまざまな指摘がなされた、興味深いものになった。パネリストの発言も具体的で示唆に富む内容が多く、聞き応えのあるものだった。「ドラクエVIII」におけるタンスと壺の話は、それだけだと笑い話に聞こえるかもしれないが、今後のゲーム表現における問題の象徴でもある。
そのうえでレーティングで重要なのは、パッケージに年齢別のシールを貼るだけではなく、店頭での棚作りをはじめとした、ゾーンニングの確立まで含んでいることを改めて指摘しておきたい。CESAは18歳以上対象のゲームソフトについて、販売自主規制を年内を目処におこなう旨の会見を7月に行ったが、その後の具体的な取り組みについて席上で紹介がなかったのは残念だった。次世代コンソールの発売を契機に、開発者がさまざまな意味でハードの表現力をフルに生かせる環境作りを重ねて望みたい。
(小野憲史)
(RBB TODAY)
関連リンク
|
Link
東京ゲームショウ(TGS)
その他のゲーム情報はSlash Gamesへ
自分のPCのOSをWindows 7に変更したいですか?
変更したい
変更したくない
わからない
現在の状況
過去の結果を見る
リリース
|
RSSによる配信について
|
バナー広告
|
問い合わせ
|
会社概要
|
プライバシーポリシー
|
リンクについて
本サイトの内容は、著作権による保護を受けています。 Copyright (c) 1998-2006 IRI Commerce and Technology, Inc. All Rights Reserved.