みあこネット。セキュリティを強化し2005年からは有料化へ | RBB TODAY
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みあこネット。セキュリティを強化し2005年からは有料化へ

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 みあこネットを運営するSCCJが主催する「京都研究会 2004」が先日開催され、地域情報化・ベンチャー・NPOでのまちづくりなどで意見を交わしたほか、SCCJが手がけてきた成果の報告が行われた。

 第6回となる京都研究会は、SCCJの高木治夫代表理事が冒頭をつとめ、SCCJが手がけてきたコミュニティ形成事業、無線インターネット事業、ライフデザイン事業などの概要を説明したあとに、
「現在はユビキタス社会の可能性を具体化する局面。これからは地域情報化を進め、さまざまな『おもてなし』を実施するなかで、安心・安全で元気な『まちづくり』と未来像を明確にすべき」
とSCCJの活動方向をまとめた。高木理事の挨拶のあとは、SCCJが手がけてきたプロジェクトのプレゼンテーションが続き、まちづくりとネットワーク、コミュニケーションの分野の成果発表となった。

 当日発表をしたプロジェクトの中で、もっとせ興味深いものとなったものは、「どこカル.ネット」とならびに「みあこネット」だ。「どこカル.ネット」は、診療録の電子保存(いわゆる電子カルテ)のシステム化と、保存された診療録を街中で参照できるネットワークをめざしたものだ。国立病院機構京都医療センター医療情報部長・SCCJどこカル.ネット事業統括責任者の北岡有喜氏は、
「かかりつけ医を持つ人が少ないのが現状。ところが、緊急や震災時に頼りになるのは、家族や地域である。ある一定地域内でのカルテ共有の仕組みが実現すれば、事故発生時の迅速な現場対応ができる。また、診療録をほかの診療機関が参照できれば、セカンドオピニオンが一般化し、予防医学の推進にもつながっていく」
という。このためのどこでもカルテが参照できるネットワークとシステムの仕組みが「どこカル.ネット」のコンセプトとなる。北岡氏によれば、実現するには、安心感や安全性の面で、まだまだ解決すべき課題があるが、実験を繰り返すことで解決していたいとうしている。

 「どこカル.ネット」に引き続いての発表となった「みあこネット」のプレゼンテーションでは、京都大学学術情報メディアセンター研究開発部教授・みあこネット事業運営責任者の岡部寿男氏、ならびに京都大学大学院情報学研究科助手・みあこネット総括技術責任者の藤川賢治氏より、「みあこネットの運営してきた間にインターネットは文明から文化へと変容した。もはや産業基盤の前提となっている」と語った。

 文化へと変容した例としては、SCCJが手がけた宮崎県「サンマリンスタジアム」での球場内マルチカメラ放送サービス実験があげられるだろう。この実験に関しては、MRT宮崎放送商事事業本部部長チーフプロデューサーの満元英明氏より説明があり、
「複数の場所から撮影したカメラ映像とアナウンスの同時実況により、視覚障害者も楽しめる放送サービスのあり方をめざした」
という。また、SCCJが手がけるこうした新たな実験全般に関しては、SCCJプロジェクト・コーディネータの隅岡敦史氏より
「マルチキャストの特性が生かせる場所であれば、さらに積極的な放送実験も進められる」

 同時に、街中公衆無線インターネット「みあこネット」のロードマップも発表となった。ロードマップによると、現在、SCCJがサービスしているmiako2は近々に進化し、セキュリティーを強化してエンド-エンドでPPTPができるmiako3になり、2005年にもサービス開始となる予定でいる。なお、技術的な詳細はまだ未定であるものの有料化となる見込みだ。

(立命館大学 産業社会学部 吉井美幸)
《RBB TODAY》
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