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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
北米オンラインゲーム市場はMMORPGより少人数マルチプレイへ ―IGDA日本「ゲーム開発者セミナー」第7回
5月2日
 5月1日、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)によるゲーム開発者セミナー第7回が開かれた。今回のテーマは3月にサンノゼで開催されたGame Developer Conference 2004のレポートで、参加した6人による講演がおこなわれた。

 ライターの小野憲史氏は、「GDC2004いきなり総括〜ワールドワイドでの開発トレンド〜」と題した講演で、増大する開発負荷についてGDCでどのような発表がおこなわれたかを中心に発表をおこなった。
 開発負荷の問題については、今年になって増加してきたトピックということで、市場の成熟と寡占、PS3やXbox2といった次世代機の登場が近いこと(2005〜6年といわれる)などをその理由としてあげた。特に次世代機については、あらたな研究開発投資が必要となり、利益率の低下につながるほか、ゲーム開発プロジェクトそのものの大規模化も進むことになる。
 これに対してはミドルウェアの活用(RenderWare / CRI / Big World / XNA)によるコスト削減や、版権(映画)ゲームによる映画ファンの取り込みや、Eye Toyのような新しいプラットフォーム、モバイル(携帯)市場といった市場の拡大による対応や、ゲームのノウハウをエンターテイメント以外(社員研修や教育、福祉、医療、軍事など)に活用する「Serious Games Summit」についてもレポートした。
 小野氏の見るところでは、北米市場もそろそろ厳しいということで、版権ゲームや新しいインターフェースによる新しい顧客の拡大、ツールを洗練してコスト削減、といった対応が必要だろうと指摘した。

 また、ライターの志田英邦氏は、日本人講演者の講演紹介や、来場している開発者向けにGDCでの発表をおこなうまでの手順の紹介などをおこなった。
 2002年からGDCに参加している志田氏は、年ごとの日本人による講演の傾向を紹介。2002年は日本人が基調講演をおこなうなど日本が尊敬をもって語られていた時代で、開発者より企画の方に注目が集まっていたという。翌年2003年は、日本人の講演者は4組に減少(うち1組はキャンセル)する一方で、日本にゲームを送り込んだデベロッパー(ジャック×ダクスターのNaughty Dogやラチェット&クランクのInsomniac Gamesなど)のように、日本を研究している欧米開発者が注目を集めた。2004年は、日本からの講演者は開発者ベースの講演が多く、日本人の開発テクニックに注目が集まっていたという。
 また、GDCでの発表者の人選は基本的に「人づて」で行われるということで、発表したい場合は、GDCで講演を行ったことがある人などにコンタクトをとるのがいいとのことだ。

 IGDAスタッフでもある東京大学大学院学際情報学府博士課程1年の星野瑠美子氏は、GDC2004のIGDAビジネスサミットから、BioWareのRay Muzyka氏によるオープニングセッション「State of the Union」を紹介。BioWareは、バルダーズ・ゲートやネヴァーウィンター・ナイツ、Star Wars: Knights of the Old Republicなど良質のRPGを開発するカナダの開発スタジオだ。
 Ray氏は、北米のゲーム業界の現状が危機であることと、デベロッパーがそれに動対応すべきかを講演。業界が成熟に向かう中で、市場の飽和と会社数の整理統合が進行しているとして、パブリッシャーやデベロッパーの階層化が進んでいるという。
 パブリッシャーが巨大化していく中で、デベロッパーは下請け扱いされてきており、これにデベロッパーが対抗するには「質にこだわる」「あるジャンルのエキスパートになる」「消費者に対するブランドづくり」「ファンとの間のコミュニティ形成」などによる差別化が必要だと指摘。また、既存パブリッシャーを使わないデベロッパーからの直接販売(ダイレクトディストリビューション)の可能性もあるという。
Ray氏の発表と対極をなすようなEAの発表より。SIMSとMYSTは「広告によって売れた」という。


 IGDA日本の新清士代表は、「北米オンラインゲーム市場の変動」と題した講演をおこなった。現在北米では、MMORPGへの投資意欲の減退が強まっているという。原因の一つがSims Onlineの失敗で、EA本体からの圧力で完成度の低い状態でリリースしたためプレイヤーからの支持が得られず、ユーザは当初言われていた100万人に遠く及ばない10万人前後で推移している。
 そのほかのタイトルの状況として、Star Wars Galaxiesは30万人をピークに伸び悩みを見せる一方、Ultima OnlineやEverQuest、Dark Age of Camelotなどの初期タイトルが強力なコミュニティによって今も多くのユーザを維持している。
 唯一会員を大幅に伸ばした新規タイトルがFinal Fantasy XIで、これはPS2のハードディスクユニットにプリインストールして出荷されたのが寄与し、北米MMORPGでは初めて50万人を突破したタイトルになった。とはいえ、100万人の大台に乗るタイトルは未だに出てきておらず、サーバ運営などコストがかかる割に儲からないMMORPG開発への投資は削減されているという。
 その一方でSony Computer Entertainment America(SCEA)は、PS2向けの特殊部隊FPS「SOCOM」にネットワークユニットをバンドル、合計で260万個を販売するなど、SCEAによるPS2のオンラインゲームプラットフォーム化が本格的に進められている。上述のFFXIのHDDプリインストールについても、SCEAの“本気”を示すものということで、新氏は、E3でのオンラインもののキラータイトル登場があるのではないかと述べた。また、PCでのオンラインゲームについても、RealArcadeを例に北米ではカジュアルゲームの有料販売モデルが立ち上がってきていることを紹介。北米、日本、アジアでオンラインゲームの環境に大きな違いが出つつあると述べた。

 セガ クリエイティブセンター グラフィックセクションの林洋人氏は、「GDCセッションの行間から見えてくるもの」と題してGDCに参加することのメリットについての講演を行った。林氏は、出席したセッションから「応用編OpenGL」「C++処理速度上の一般的な失敗」「ツール開発の技術的な問題」の3セッションを取り上げて内容や雰囲気を紹介しつつ、GDCに参加することで海外の最新情報や最新動向を知ることができるほか、他の開発者の様子を知る、世界や日本の開発者との交流が図れる、といった現地に行くことのメリットを挙げた。
林氏の「GDCトレーディングカードコレクション」(現地で交換した名刺)集計結果から、国別のもの。


 GDCに招待されたナムコ『塊魂』ディレクターの高橋慶太氏は、GDCでの講演の様子を紹介。講演としてはほとんど喋らなくても、「転がして巻き込んで大きくするゲーム」だと紹介してムービーを見せれば伝わったことや、人を巻き込むシーンで大爆笑が起きたといったエピソードを披露。ライトな人向けで、しかもゲームにしかできないことを今後もやっていきたいと述べた。

塊魂がアナログスティック2本での操作なのは「両手で転がすから」とのこと。1本による操作は断固拒否したとか



(伊藤雅俊@RBB)
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