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WiMAXがもつ実力と可能性とは
IRIユビテック 干場久仁雄氏 インタビュー
IRIユビテックのユビキタス研究所は、インターネット総合研究所グループ全体の研究開発機関として、魅力的なユビキタスサービスの開発・市場創生に取り組んでいる。モバイルネットワークの高速化の意味とその可能性、新たなビジネスチャンスについて、11月18日に開催される
セミナー「商用サービス期を迎えたポスト3Gモバイルの本命 WiMAXが実現するビジネスモデル展望 」の講演に先立って、講師の株式会社IRIユビテック ユビキタス研究所の研究企画部長主幹研究員・干場久仁雄氏にお話をうかがった。
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| IRIユビテック ユビキタス研究所 研究企画部長主幹研究員 干場久仁雄氏 |
WiMAXの実用化は、10M超の無線ブロードバンドサービスを“点”ではなく“面”で展開できるようになるということで大いに注目を集めています。WiMAXの周波数がどの帯域に割り当てられ、それがライセンス制になるのか、あるいは誰もが利用できるようになるのか、といったところは、今まさに各国が政府レベルで模索しているというのが現状です。
現在、日本でYOZANが狙っている4.9GHz帯に関して、総務省のワイヤレスブロードバンド推進研究会の先般の論調によると、届出制のコモンズ(開放)になる可能性が高くなっています。その場合、キャリアセンス(他に同じ周波数を出している端末が存在しないかを確認してから周波数を出す)という技術開発は求められるものの、オープンな周波数として使えることになります。つまり、Wi-Fiと同様帯域保証などがないものの安価で軽く、しかもWi-Fiより高速な無線アクセスとなります。さらに同協議会では4.9GHzとは別に、ライセンス制の周波数割り当も検討しており、そちらは携帯電話のようにある程度のサービス品質を保証し、かつ相応の料金を設定するサービスの提供が見込まれます。
WiMAXを使った接続サービスを考えるとき、最初にあがってくるのがFWA(Fixed Wireless Access)でしょう。WiMAXは、見通しの確保できない範囲にある端末とも通信できる規格とされています。しかし東京のような過密都市でそれが実現できるかは、正直なところ未知数です。そこで、見通しの確保できない範囲はWi-Fi接続でカバーし、WiMAX接続とブレンドしたネットワークを構築するモデルが考えられます。さらに言えば、YOZANが12月からの開始を予定している屋外無線LANサービスのように、WiMAXを「Wi-Fiのバックホール」として位置づけたネットワークも有効なビジネスモデルであると考えられます。現在、公衆無線LANの利用者は10万人を大きく超えていると言われ、インターネット接続のオプションとして公衆無線LANのサービスを提供するISPも増加しています。このように現在需要が拡大してきているWi-Fiサービスをさらに促進するためにも、有線敷設が不要なWiMAXをWi-Fiのバックホールとして利用することの費用対効果は高いでしょう。
高速データ通信を可能とするWiMAXの大きなメリットは、移動性への依存度が低くなることです。従来の64kbpsや128kbpsなどの無線回線ではデータのダウンロードに時間がかかり、そのため移動中もダウンロードを続けることが必要でした。ところがWiMAXのような高速回線になると、交差点で車が一時停止している間、あるいは電車がホームに入っている間に大容量のデータを一瞬にしてダウンロードできます。そうした移動性に依存しなくてすむ利用シーンを提供できるなら、ハンドオーバーの負荷を大幅に軽減できます。従来の無線サービスは通話に端を発したため、高度なハンドオーバー機能のためのぼう大な技術と設備投資を必要としました。しかしWiMAXはそれが不要であり、比較的安価に、かつ十分サービスとして成り立つブロードバンド技術です。そのため既存サービスとは継続性を持たない新たなサービスとしてWiMAXを位置づけ、新規参入する企業もあるのではないでしょうか。
WiMAXの高速性はまた、課金システムの構築にもプラスに作用します。WiMAXの活用によってWi-Fiサービスを面展開できるようになれば、ユーザーはいつでもどこでも使えることを認識してくれるようになります。そうすればADSLやFTTHのような有線ブロードバンドと同様、定額制の料金が十分ユーザーに受け入れられ、従量制に見られる課金システムの負荷を大幅に軽減できます。
WiMAXに限らず無線LANアクセス市場全体について見てみると、回線サービスのみならず垂直統合型のサービスを展開しようとしている動きがすでに起こっています。たとえばライブドアは、YOZANが保有する電柱(正確にはその使用権)を利用した公衆無線LANサービスを12月から開始する予定とのことです(現在無料試験サービス中)。そのビジネスモデルは、Wi-Fi接続時のホームページとして自社のポータルサイトを表示することによって自社のサービス利用を促進させていくことです。
この垂直統合型のサービスをヒントに、たとえばWiMAXにおいても「ポータル表示機能を売る」という新たなビジネスモデルが今後考えられます。しかし、ポータルを表示してもユーザーに魅力的なコンテンツがなければ、すぐに別のポータルサイトへ移動されてしまいます。ポータルビジネスではいかにして充実したコンテンツを用意できるかが大きなカギになります。
私どもユビキタス研究所ではWiMAXに関して、「対ヒト」のコンテンツサービスのほかに、環境センサーや監視カメラなど「対モノ」の情報サービスも大きなポテンシャルを持つ分野として注目しています。「安心・安全」は昨今のキーワードでもあり、防犯カメラの映像の送受信にWiMAXを利用することは多大な需要が見込めるのではないでしょうか。また広大な森林にカメラや環境センサーを設置してリモートで大容量の統計データを収集するなど、WiMAXで形成される無線ブロードバンドが新たなコンテンツサービスを生み出すと期待しています。
● セミナー概要 ●
商用サービス期を迎えたポスト3Gモバイルの本命
WiMAXが実現するビジネスモデル展望
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