荻窪 圭「デジカメチェック」
2006年6月23日
ダントツの高感度画質デジカメ「FinePix F30」
極めてオーソドックスなコンパクトカメラスタイルがFinePix F30。ロゴは新しくなった
2006年もいろんなコンパクトデジカメが出たけれども、1つだけ孤高ともいえる、他のどのデジカメにも真似できない性能を選んだ製品が1つある。富士写真フイルムの「FinePix F30」である。
簡単にいえば、2005年に登場して人々を喜ばせた「FinePix F10/F11」の後継機。F10/F11といえば「高感度」。
今やどのコンパクトデジカメも「高感度モード」や「高感度対応」をうたっているが、FinePix F30の高感度はそれらとは次元が違うのである。F30を語るにあたって最も欠かせないのがそこだ。
●いったいどのくらい高感度なのか
Fine Pix F30の実売価格はだいたい49,800円前後。3倍ズームコンパクト機としては高めの価格帯だ。同等価格帯人気機種としては、キヤノンの「IXY Digital 800 IS」やソニーの「Cyber-shot DSC-T30」がいる。とりあえず価格もボディの大きさも似ているIXY Digital 800 ISと比べてみよう。
IXY Digitalは今1番の人気コンパクト機(だと思う)。光学式手ブレ補正付きの4倍ズームを持つが、CCDは1/2.5インチの600万画素だ。
対して、FinePix F30は手ブレ補正機構はもたない3倍ズームレンズだが、CCDは1/1.7インチの630万画素である。
電源オフ時。レンズ部がちょっと盛り上がってる。右端にある丸い穴はAF補助光用。特にグリップ部の凹凸はないが適度に厚みがあって持ちやすい。収納を考えるともうちょっと薄い方がありがたいが
つまり1つめのポイントはCCDがデカいこと。最近、このサイズのCCDは800万画素や1,000万画素に達しようとしてる中、新型CCDながらあえて630万画素に留めたのは英断だ。
そのCCDは「スーパーCCDハニカムHR VI」で一般的なCCDより感度を高く設計できる。
結果として、同じ600万画素機ながらIXY Digital 800 ISはMaxでISO800なのに対し、FinePix F30はISO3,200まで上げられるのである。デジタル一眼レフと変わらないレベルだ。
ここで問題は感度を上げたときどのくらいの画質を維持できるかだ。画質劣化を厭わなかったり画像サイズを落としたりして高感度モードを用意するだけなら極端な話いくらでもあげられる。
さてF30のISO3,200はどうか。
わかりやすいように、IXY Digital 800 ISと比べてみた。同じカットから400×240ピクセル分を切り取って感度別に並べたもの。
とりあえずISO200から800で並べてみた。IXYの方が1/3〜1/2段くらいアンダー目に撮れるのでちょっと暗いけれども、それを考慮して見てほしい。F30はISO200と400でほとんど劣化がなく、ISO800でも微妙にざらついているかなという程度。
IXYの方は(ちなみに、同等クラスでは高感度時の画質はかなりよい方と思っていい)ISO400でちょっとディテールがざらつきはじめ、ISO800でははっきりとノイジーになってる。
ではもう1つ、F30の高感度は他社の製品だとどのくらいなのか。わかりやすいようプログラムAEで撮った写真に対してカラー補正をかけて両者のテイストを似せてある。
見たところ、F30のISO800は、一般的な600万画素デジカメのISO400より上。F30のISO1,600が一般的なデジカメのISO400と近い感じといえそうだ。もっとも高感度時の画質は製品によって差があるので、一概にはいえないけど、手元にある全モデルで比較してみるのも大変なので勘弁。IXYを選んだのは価格帯が似ていて高感度時の画質はよい方だという認識があったからで、他意はない。
実際にF30を使ってみた「体感」でもISO800までは十分にきれい、ISO1,600だとちょっとざらつくけど被写体によっては実用的かなと感じるレベルだ。
で、アバウトにいえばF30の方が「約2段分」高感度なわけ。一般的な光学式手ブレ補正は「2段分」といわれているのでそれと同等。2段分感度を上げればその分シャッタースピードを上げられるため被写体ブレが起きづらいともいえるわけだ。