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メイド喫茶はライトなキャバクラか
2006年1月17日
メイド喫茶をはじめとして、店員がメイド服などの特殊な制服を着ていたり、アニメ・ゲームなどのキャラクターの扮装をしているコスプレ系飲食・サービス店は、今では秋葉原周辺のみならず、都内随所に、また全国の大・中都市にも広がりつつあるという。こうした店は、行ったことのない人にとっては得体の知れないものだろう。他方、それが好きだという人にとっては、ことさらにそうした店を特別視することが不思議に思えるだろう。
そうした店について、しばしば「ライトなキャバクラ」と形容する人があり、さももっともらしく聞こえるのだが、実はかなり違う。こうした店の営業形態をめぐっては、しばしば風俗営業法に規定されるところの「接客」と「接待」の違いが問題になる。キャバクラは明確に「接待」を売っている。一方メイド喫茶等も、衣装と店員を見せつつ「接客」することは売り物の一部だ。ただ違いは、メイド喫茶に行く客は「接待」を求めておらず、むしろ「接待」での対人距離の近さを息苦しく感じる人こそがメイド喫茶等を好む点だ。
キャバクラなどでは意図的に従業員との対人距離を近く感じさせる仕掛けになっているが、そうしたサービスを楽しむには、客側にもその近距離で交わされる会話を上手にコントロールするスキルが必要だ。時には会話が途切れぬよう場をつないだり、他方では従業員の営業含みの会話を巧みにかわしたりする必要がある。メイド喫茶等においては、あくまでも給仕のついでにちょっとした世間話をする程度までの「接客」が前提だ。想定される客層と近い趣味を持つ店員が集められているので話題を共有しやすい一方、二言三言の会話が終われば店員は本来の仕事に戻るだけで、店員に「おねだり」をされる心配もない。
勘違いした客が「接待」を求めたり、中間的な店が作られたりするケースはあるだろう。だが大半の客のニーズが異なる以上、中間領域は広がらず、住み分けは続くのではないか。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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