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それで秋葉原発と言われても
2005年12月13日
日曜に秋葉原をうろついていたら「秋葉原48プロジェクト」のチラシをもらった。作詞家であり、かつて「おニャン子クラブ」を手がけた秋元康氏が総合プロデューサーとして、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、アイドルを育成するという。オーディションで選抜された女の子たちがメジャーデビューを目指して、専用の「秋葉原48劇場」で連続して公演を行うそうだ。少し前にニュース記事で概要を見ていたので、行ってみた。
女の子たちは「AKB48」を名乗り、現在は20人。年齢も11歳から20歳までと幅広く、歌や踊りも個々人で差はあるようだが、きちんとレッスンを積んでいるようだった。最終的には1軍・2軍各24人になるという。劇場もそれなりに作り込まれており、歌う楽曲は全曲オリジナルと、お金もかかっているようだ。
私はAKB48については大変気に入ったのだが、一方で複雑な思いもした。秋葉原ブランドを利用しに来ているだけで、本当に今秋葉原に通っている人たちを相手にしていない気がしたのだ。劇場は8日にオープンしたそうだが、秋葉原を注視しているWeb媒体の類いには、まったく記事が掲載されていない。プレス向け公開に呼ばれていないのだろう。そもそも、秋葉原駅頭で配布していたチラシにも、専用劇場で配布していた小冊子にも、WebページのURLすら載っていない。ネット系の人間はお呼びでないということなのだろうか。
AKB48が「秋葉原発の」アイドルとしてメディアで喧伝されていくようになったら、今の秋葉原を好きな人たちは、きっと「それは違う」と言いたくなるのではないか。今の秋葉原で「会える」のは、握手会イベントがあったり、路上で頑張っていたりして、言葉を交わしたり、写真を撮ったりできる人たちだ。それに比べ、予め専用の劇場が用意され、すでにステージと客席という隔絶の向こうにいる人たちを、今の秋葉原好きの人々はどれだけ支持するのだろうか。この続きは次回に。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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