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ユーザーの姿は見えているか
2005年8月12日
私が今、主に使っているデジタルカメラは、今年の春に買った、500万画素で12倍ズームレンズが一体化されたコンパクトタイプだ。35mmフィルムに換算して焦点距離40mm以下から400mm以上という非常に幅広いレンジをカバーでき、非常に便利だ。特に望遠側で、遠くのものを大きく写せるので重宝している。
カメラを知っている人からは「望遠で手抜きをせずに被写体に寄れ」と怒られそうだが、私のような素人はズームで横着するのが普通だ。それに、そもそもスナップでズームのテレ(望遠)端を使う時には、被写体に近付けないからこそ望遠に頼っていることも多い。
ところが、このカメラの内蔵フラッシュによる撮影距離は、テレ端では最遠でもわずか2.2mだという。開放F値が4.5で、感度をISO160相当まで上げてその距離である。この数字は、あまりにも現実味を欠いている。改めてメーカーのWebページを隅々まで見たら、GN8だと書いてあった。このカメラには外部フラッシュ接続用のシューがあるから、そちらを使えということなのだろう。また、GNの大きいフラッシュを搭載しようとすれば、大きさもコストも消費電力もそれなりのものになってしまう、という事情も分からないではない。
しかし、いくら何でもこれは、想定すべきユーザーの姿が見えていないのではないか。一眼でなくこのカメラを選ぶ人は、オールインワンの手軽さを求めているはずだ。そうしたユーザーが、わざわざ外部フラッシュを使うかどうか、ちょっと考えればすぐ分かることではないのか。ハイアマチュアのサブ機として考えても、サブ機であればこそ、単体でそれなりに使えることに意義があるはずだ。
かつて別のメーカーが、4〜5倍ズームレンズ一体型ながら一眼レフ、というフィルムカメラのシリーズを出していたのだが、それらの内蔵フラッシュは、機種にもよるがGN18から28と、なかなか強力だった。誰がどう使う製品なのかを考えれば、それが当然だろう。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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