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安売りに感じる後ろめたさ
2005年6月3日
先日、またデジタルカメラを買ってしまった。また、というのは、現在使っているものが2台あり、そのうちの1台は、少し前に買ったばかりだったからだ。デジタルカメラは好きだが、月に数回、発表会などの取材記事に添えるスナップ程度の写真を撮るほかは、たまに身辺の他愛もない事柄を写すくらいなので、同時に3台も持つほどの必要はない。ついでに言えば、写真についてさほど向上心はなく、使うのはコンパクトタイプばかりだ。
それなのに、どうして余分な1台を買ったかというと、価格につられたからだ。320万画素で10倍ズームレンズのコンパクト新品が、通販で送料込み2万円以下だったのだ。少し前に500万画素・12倍ズーム機を4万円ほどで買ったばかりなので、カメラの性格としてもかなり重なるのだが、強いて「取材用のカメラが壊れた場合の予備」ということにした。
それにしても最近、デジタルカメラは本当に安い。全般的に手頃な価格になったのに加え、旧モデルや、最新モデルでも売れ筋から外れたものは、あっという間に実売価格が下がってしまう。デジタルカメラが一通り普及して、市場が飽和気味という話も納得できる。
しかし、そうやって各社の旧モデルが格安で販売されている一方で、それらのメーカーが赤字決算となったり、さらにそのために工場閉鎖やリストラを行う、といったニュースを耳にすると、果たしてこの値段で良いのだろうか、と複雑な思いがする。もちろん私一人が買おうが買うまいが全体の趨勢に変わりがあるはずもなく、むしろ安くとも買った方がいくらか良いのでは、などと自分で自分に言い訳をしてみるものの、後ろめたさは残る。
さらに言うと、このカメラはわりあい使いやすく、なかなか良い製品なのだ。予備どころか私のメイン機にしようかと思うほどだ。これで利用するメモリカードがメジャーなものだったら…とは思うのだが、そうだったらこんな値段では買えていないのかも知れない。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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