


|
世代を問わずに普及したデジカメ
2005年3月29日
もう銀塩フィルムを使うカメラよりデジタルカメラの方がたくさん売れている、ということをニュースとしては知っていたし、私の周囲でも、未だにフィルムカメラだけを使っている知り合いは、ごくわずかになっている。
しかし先日、打ち合わせから帰る地下鉄の中で、70代と見受けられる男性が、同年代の男性2人とデジカメ談義をしているのに遭遇した時は、さすがにびっくりした。その男性が話しながら手にしていたのは、ちらっと見たところでは、レンズ交換こそできないものの一眼レフに匹敵する高級機のようだった。
驚いたのはその話の内容だ。少し離れていたので飛び飛びにしか聞こえなかったのだが、印刷するプリンタの表現力とカメラの解像度のバランスがどうとか、後でトリミングをすると、デジカメの画素の一部分しか使わないのと同じことだから、予めフレーミングを考えて撮影するのが重要だとか、JPEGファイルはもう圧縮されているからほとんど小さくならないとかいった説明をしていたのだ。
さすがに私もPCとかデジカメといったものの近くで文章を書いているので、これまで銀塩写真を趣味として来たシニア層にも、最近はデジカメが使われるようになっている、ということも、一応は理解していた。公園などで見かける中高年の手にデジカメが握られている場面を、実際にいくらでも見ている。だが、そういう世代の人も、自宅で写真をプリントし、それもPCから操作するのだなあ、ということが、何だか妙に感慨深かったのだ。
実は話していたことはごく初歩的で、ちょっと付け焼き刃かも、と思うくらいではあったのだが、何よりそれを話していた男性の、非常に楽しそうな表情が印象的だった。考えてみれば、デジカメとPCと自宅プリントの組み合わせは、リタイア世代の趣味としては、かなり良いものかも知れない。60代後半になった私の父にも、そろそろデジカメを勧めてみようか、と思った出来事だった。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
●小笠原陽介 一覧へ●
●ご意見・ご感想をお寄せ下さい●
|




|
 |











|