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米光一成&荻原貴明「ゲームデザイン研究所」

第1回:ゲームの本質は「ルイージ主義」だ!

2006年2月21日

 「ゲームって何」を考えてみる
 

 これは、米光一成と荻原貴明の2人で、「ゲームって何?」「ゲームデザインって何?」ということをテーマに、考察を続けるという月イチ連載だ。

 ぼく(米光)が、ゲーム業界に入って、18年たった。

 「魔導物語」「ぷよぷよ」「バロック」「トレジャーハンターG」「キングオブワンズ」、いろいろなゲームを作ってきた。

 そして、いつかは「ゲームって何?」ということについてまとめなければ、と思いながら、長い長い長い時間がたってしまった。でも、それは簡単じゃないし、簡単にまとめる気にもなれなかった。文章だけでは、伝わらない、こぼれ落ちてしまう部分が大きいだろう、と悩んでいた。

 でも、はじめようと思う。

 勝算は、ある。

 「おぎわら遊戯場」などで、月に20本ものゲームをFlashで作っている荻原さんと一緒に、WEB上で、Flashを使って、実例をあげながら、考察していくのである。

 文章だけじゃなく、実際にインタラクティブに操作できる「ゲームの原型」のようなものをプレイしてもらいながら、いっしょに「ゲームって何?」を考察していこう! ってやり方だ。

 まず実例を見てもらおう。

「カンフーファイター」! 遊び方説明
「PLAY」ボタンを押すと、ゲームが始まる。
中央の黄色い姿の男が、君だ!
キーボードの←→で移動。
スペースキーで、パンチ。
次々とやってくる敵を倒してハイスコアを目指せ!


 ゲームの本質は「ルイージ主義」だ
 

 ゲームといっても、いろいろだ。

 凄い映像がウリのゲームもある。ブロック崩しやローグのように記号のキャラクターしか出てこないものもある。

 スーパーマリオブラザーズのようにアクション要素が大きいものもあるし、アドベンチャーゲームのようにアクション要素がないものもある。

 いやいや、それどころか、すごろくや、チェスもゲームだ。

 「人生はゲームだ」って言う人もいる。

 そういったものをすべて「ゲーム」とひとまとめにして語っていくと、混乱してしまうだろう。そこで、「ゲーム」という言葉をあらためて定義する。


 「ゲーム」に最低限必要なものは、何だろうか?


 1 ルール:ルールが明瞭である
 2 インタラクティブ:プレイヤーの操作・行動によって変化する
 3 ジレンマ:目的のための駆け引きが重要である


 以上の3つが、「ゲーム」に最低限必要なものではないだろうか?

 このゲームに最低限必要な3つ「ルール・インタラクティブ・ジレンマ」の頭文字をとって「ルイージ要素」と呼ぶことにする。そして、それを中心に考えることを「ルイージ主義」と呼ぶことにする(そしてもちろん、「ルイージ」というのは、「マリオブラザーズ」などのゲームに登場するキャラクター、マリオの弟の名前だ!)。


 先ほど遊んでもらった「カンフーファイター」で、「ルイージ要素」をみてみよう。


(1) ルール
プレイヤーキャラクターを操作して、近づいてくる敵を倒すとSCOREがアップする。敵のパンチを受けるとLIFEが減る。LIFEが0になるとゲームオーバー。SCOREを上げることを目的とする。


(2) インタラクティブ
キーボードの←→で移動、スペースでパンチ。近づいてきた敵をパンチすると倒すことができる。敵のパンチを受けるとLIFEが減る。


(3) ジレンマ
左側にパンチしている間は、右側はパンチできない。右側にパンチしている間は、左側はパンチできない。近づいてくる敵を見て、タイミングよくパンチしなければならない(適切なタイミングでボタンを押すことは、一瞬一瞬のボタンを押すか押さないかというジレンマの結果、行われることである)。


 こういった「ルイージ要素」こそが、ゲームの本質だと、ぼくは考える。


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