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杉山淳一:君、ゲーム内広告を侮るなかれ〜密かに進行する日本の広告市場空洞化〜

2007年3月30日


■ メディアも代理店も危機感が足りない

 対戦射撃ゲーム『カウンターストライク』プレイヤーには周知の事実だが、2007年3月上旬から対戦マップ内に広告が掲載されるようになった。Eスポーツ大会でも採用実績のある人気マップ「de_dust2」と「de_aztec」において、3〜4か所の壁に広告看板が貼られている。Valve社の新作ゲーム、そして半導体最大手インテルのプロセッサの広告だ。これらの広告の特徴は、ゲーム内に広告枠のみを設定しておき、広告そのものは広告配信サーバからデータが送られる仕組みになっている「ダイナミック型」と呼ばれる手法を採用していることだ。従来のゲーム内広告は「ハードコーディング型」と呼ばれるもので、ゲーム制作時にあらかじめ広告看板や商品のデータを作り込んでおくものだった。こちらは昨年、PS3用ゲーム『メタルギアソリッド3 スネークイーター』の体力回復アイテムとして登場した「カロリーメイト」が話題になった。

『カウンターストライク』内のオブジェクトとして、さまざまな広告看板が配置されている
※クリックで拡大画面を表示

 ゲーム内広告については、古くからさまざまな試みが行われていた。アメリカで「ゲームが広告媒体として有効」と認識された時期は2005年頃からだ。それ以降、アメリカには大小合わせて数社のゲーム内広告取り扱い代理店が登場し、大手調査会社もその効用を認める結果を発表している。しかし、日本ではポータルサイトにバナーを貼る、ゲーム内に画像を貼り込むというレベルに留まっている。ゲームを広告メディアとするという認識と効用が、ゲームメーカーにもクライアントにも正しく認識されていないようだ。

 今年のアジアオンラインゲームカンファレンス(AOGC2007)にて、大手広告代理店・電通のプランニング・ディレクター氏が「ゲーム内広告に関しても(重要なものと)認識している」と表明、実際に取り組んでいるということを話された。当サイトSlashGamesのコラム「オンラインゲーム一週間」でもゲーム内広告に関して話題になっていた。しかしながら、やはりまだまだ認識が甘いと言わざるを得ない。電通は日本最大手の広告代理店であり、グローバルに活動しているから、国内の誰よりもゲーム内広告を認識していることは当然だ。きっと極秘にゲーム内広告をスタートできる技術やスタッフを集めていると信じたい。しかし、文字通り“認識している”というレベルなら、それはちょいと困った問題だ。Googleが配信型アフィリエイト広告で一気に成長したように、日本のゲーム内広告市場も、海外企業の独壇場になる可能性がある。

 元ゲーム雑誌の広告営業担当として、広告業界を経験した者として、言わせてもらう。

 ―これは日本の広告市場の危機である。早急に取り組みを始めるべきだ。

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