ソフトバンク、3.5GHz帯実証実験で下り1Gbps超を記録 | RBB TODAY
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ソフトバンク、3.5GHz帯実証実験で下り1Gbps超を記録

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1Gbpsをひとつの目標としてトライアルを行っている
  • 1Gbpsをひとつの目標としてトライアルを行っている
  • 3.5GHz帯の一部は2014年中に割当が検討されている
  • デモに使用した試験用バス
  • 実験エリアは高密度に人と建物が集まる銀座
  • 3.5GHz帯 LTE-Advanced TDDのトライアルを公開した
  • バス後方に置かれた実験用端末
  • トライアルネットワークの構成
  • 3.5GHz帯に対応したスマホも公開
 ソフトバンクモバイルは、3.5GHz帯を利用したLTE-Advanced TDDの実証実験の様子を公開した。3.5GHz帯は、総務省が携帯各社への割り当てを検討している周波数帯で、ソフトバンクだけでなく、ドコモ、KDDI、イー・アクセスらも、それぞれTDD方式のLTE-Advancedサービスに使用する意向を表明している。

 今回公開された実証実験は、実験周波数として3480MHz~3560MHzの80MHz幅を利用し、下りのピークスループット1Gbpsをひとつの目標として行われているもの。実験エリアは、銀座四丁目から八丁目の約500m四方。ここは、「建物の密度が非常に高く、人も多いので、通信会社からするとエリアを構築するのが難しい場所」(担当者)だという。9つのビルの上に基地局を設置し、信号処理部分は一個所に集約している。そうすることで、「LTE-Advancedのひとつの特徴である基地局間の協調技術が導入しやすい」とのこと。

 LTE-Advanced TDDの実証実験は今年1月にも同エリアで行われており、その際は770Mbpsというピークスループットを記録している。今回、新たに取り入れたのが、256QAMという技術。これまでLTEでは1度に6ビットの情報を伝送できる64QAMが最大の変調方式だったが、256QAMでは1度に8ビット、つまり64QAMの1.3倍程度の情報を電送することができる。この256QAMと、4×4のMIMO、4つの周波数を束ねるキャリアアグリゲーション、これらの技術をすべて組み合わせることで、1Gbpsを超えるスループットが実現できたという。

 公開実験では、通信端末をバスの後部に載せてエリア内を走行し、前方のモニターでスループットの様子を確認。まず、ピークスループットの目標値である下り1Gbpsにチャレンジするため、エリア内で最もスループットが出やすいポイントに向かう。1Gpbsを超える高速スループットを出すことは非常にシビアな作業とのことで、僅かなバスの揺れ、乗車している人の動きなどにも影響を受けてしまい、一度も1Gbpsを超えられない日もあるという。特に銀座エリアはビルが高密度に乱立しているため、電波の反射が複雑であることも要因だそうだ。公開実験当日は、700Mbps代後半~900Mbps代を行き来した後、一瞬だが1Gbpsオーバーを記録したことを確認できた。今後は、いかに安定して1Gbps前後のスループットを出していくかを追求していくとしている。

 エリア内を移動しながら4K動画の視聴デモも行われた。YouTubeにアップされた4K動画がスムーズに再生され、動画再生中は常時20Mbps~40Mbps程度のスループットを計測。4K動画は20Mbps~30Mbps程度あれば快適に見れるとも言われており、1Gbpsが安定して出るエリアと仮定すれば、数十人が同一エリア内で4K動画を楽しめる計算になる。また今回、「CoMP」と呼ばれる基地局間の協調技術についても取り入れられている。CoMPのグループを組んだ基地局(今回の実験では3局)のエリア内では、二つの基地局のエリアの境でスループットが下がらないという。「直進性が高い周波数を使っても、ビルの影が無いようにエリアが作れる」「3.5GHzは元々飛ばない周波数と言われていたが、CoMPを活用すれば十分エリアが作れる可能性があるのではないか」(担当者)といったことを検証しているところだそうだ。

 さらに、世界で初めて3.5GHz帯に対応したというスマートフォンも公開された。こちらは、3.5GHzに対応しているものの、LTE-Advancedには未対応のため、CAや4×4MIMOは利用できないとのこと。それでも、アプリで速度を計ると40Mbps以上を記録していた。この端末を用いて、屋内の試験も進めているところだという。
《白石 雄太》
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