NEDO STS採択によりリチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発を加速 - PR TIMES|RBB TODAY

NEDO STS採択によりリチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発を加速

国立研究開発法人日本原子力研究機構(以下、原子力機構)発のベンチャー企業である株式会社エマルションフローテクノロジーズ(本社:茨城県那珂郡東海村、代表取締役:鈴木裕士、以下EFT)は、「リチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発」を事業テーマとして、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)が実施した「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(以下NEDO STS、最大助成額7000万円)」の2021年度第2回公募に採択されました。これにより、2021年4月のEFT創業以来、同年7月に実施したシードラウンドでのリアルテックファンドの既出資分と合わせ、累計調達額は約1.5億円となりました。今回の資金調達により、革新的レアメタルリサイクル技術エマルションフローの研究開発を加速し、リチウムイオン電池(以下LIB)の「水平リサイクル」の早期実現を目指します。




レアメタルはハイテク産業に必要不可欠な金属として知られていますが、日本はその資源のほぼ全量を輸入に頼っています。しかし、そうしたレアメタルには供給が不安定なものがあり、比較的価格変動も大きいことから、ひとたび供給不安が顕在化すれば日本経済に大きな影響を及ぼしかねません。特に、昨今のカーボンニュートラルの流れから、電気自動車の爆発的普及が見込まれていますが、それに伴い、LIBに必要なコバルトやニッケルといったレアメタル資源の安定的な確保が必要となっています。この課題解決のためには、LIBに含まれるレアメタルを高純度にリサイクルすることが必要になりますが、そのためには複雑で高コストな分離精製が必要であるために採算を得ることが難しく、レアメタルのリサイクル技術の多くが未だ実証段階にあるのが現状です。


EFTは、原子力機構が開発した溶媒抽出技術「エマルションフロー」を活用した事業を展開するベンチャー企業であり、2021年4月5日に設立され、同年6月3日に原子力機構発ベンチャー企業として認定されました。この エマルションフローは、従来の溶媒抽出技術に比較して、低コストで高効率に高純度な元素分離を可能にする革新的な技術であり、レアメタルを取り巻く様々な課題を解決できると期待されています。特に、EFTのレアメタルリサイクル事業では、このエマルションフローを活用することで、LIBなどに含まれるレアメタルを低コストで高純度に回収する技術を確立し、「都市鉱山」から回収したレアメタルをハイテク産業に直接再利用できる「水平リサイクル」の実現を目指しています。

この度EFTは、「リチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発」を事業テーマとして、NEDO STSの2021年度第2回公募に採択されました(認定VC:合同会社リアルテックジャパン、事業期間:2021年10月から2023年3月)。NEDO STSは、シード期の研究開発型ベンチャーに対して投資を行うベンチャーキャピタルおよびシードアクセラレータ等の我が国における投資及び支援活動を促進し、またその知見および支援機能を活用しながら事業の支援を行う事業です。本公募では、19件の提案から厳正な審査を経て10件が採択されました。EFTは、今回の資金調達により、第5世代の多段エマルションフロー装置のスケールアップ開発と、LIBからのレアメタルの抽出フローの開発を加速し、LIBに含まれるレアメタルを低コストで高純度に回収する技術を早期に確立します。そして、「都市鉱山」からレアメタルを回収し高品位の素材としてハイテク産業に返す「水平リサイクル」の実現を目指します。

■エマルションフロー技術説明
溶媒抽出とは、物質の分離・精製手法の一つであり、互いに交じり合わない液相間における物質の分配を利用することで、目的成分のみを選択的に抽出するための技術です。例えば、抽出剤を含む油相と金属イオンを含む水相を混ぜ合せることで、油相と水相の界面において、抽出剤が金属イオンと結合します。その後、重力による油相と水相の分離を待てば、油相側に金属イオンを抽出することができます。このように、従来の溶媒抽出技術では、液相どうしを「混ぜる」、「置く」、「分離する」の3工程を必要としますが、エマルションフローは「送液」のみで、これら3つの工程をすべて同時に行うことが可能な革新的技術です。そのため、エマルションフローは従来技術の10倍以上の生産能力を可能とし、ゆえに従来比1/10以下のダウンサイズに加え、ランニングコストの80%削減を実現できます。また、密閉構造のために無臭で快適な作業環境を実現するとともに、IoT管理による自動化も容易なために、人件費の削減にもつながります。さらに、エマルションフローの有する高い油水分離能力は、水相の廃水処理における環境負荷の低減を可能にします。そして最近では、このエマルションフローを進化させ、従来比100倍の生産能力と99.99%以上の高純度化、また、レアアース元素同士のように分離が難しい元素間の相互分離を可能にする「多段エマルションフロー」の開発にも成功しています。この多段エマルションフローは、低コストで高効率にレアメタルの高純度精製が可能な唯一の方法であり、EFTの事業のコア技術となります。




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