Windows10以降、定期的に配信されるようになったWindows Update。しかし、Windows Updateが進まないトラブルも聞きます。その対処法と企業等マシンの台数が多い場合の対策について説明します。
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Windows Updateの配信は時間がかかって当たり前?

Windows10からWindows Updateのシステムが「Windows as a Service」に変わり、アップデートのサイクルが変更されました。これまでWindowsのアップデートは不定期でしたが、「Windows as a Service」では2023年現在、品質更新プログラムを月に1回、機能更新プログラムを年1回提供するようになっています。
Windowsが定期的・計画的にアップデートされるのは歓迎すべきですが、ユーザーとしては困る点もあります。アップデートがまとめて配信される分、ファイルサイズが大きくなりがちだからです。
月に1度の品質更新プログラムはおよそ1.4GB、年に1回ある機能更新プログラムは約3.5GBと、かなり大きくなっています。したがって、ダウンロードやアップデートにも、それなりの時間がかかります。
数台のWindowsマシンならともかく、管理下のマシンが数十台ともなると、ネットワークの負荷も考慮しなければなりません。
更新プログラムを各マシンが同時にダウンロードすると、ネットワークが全体的に遅くなり、業務に影響が出てしまうことも考えられます。
Windows Updateが進まない場合、チェックすべきこと

品質更新プログラム、機能更新プログラムともにファイルサイズが大きいため、ある程度時間がかかります。しかし、Windows Updateの進捗ステータスで進行具合を示す「%」の値がなかなか進まない場合は、一度アップデートを中止して以下の2点をチェックしてみましょう。
ハードディスクの空き容量に余裕があるか?
各更新プログラムは最低でも1GB以上のサイズとなっています。ハードディスク、とくにCドライブは知らず知らずのうちにさまざまなデータが蓄積されてしまい、気づいたら空き容量がないケースがあります。
したがって、Cドライブに少なくとも2GB以上の空き容量があるかをチェックしましょう。もし空き容量がギリギリ、もしくはほとんどないなら、必要なファイルはほかのドライブ(ディスク)に移動させたり、ディスクのクリーンアップを行い、空き容量を確保してスムーズにWindows Updateが進むようにします
Windowsシステムファイルが破損していないか?
もうひとつ、根本的なものとしてWindowsのシステムファイルの破損もチェックしておく必要があります。システムファイルの破損をチェックするためにはWindowsシステムツール内にある「システムファイルチェッカー」というユーティリティを利用します。
システムファイルチェッカーの操作では、コマンドプロンプトに命令文を入力する必要があるため、ある程度技術的な知識が必要です。
Windows Updateが進まない場合の7つの対処法
上記のチェックで問題ない場合、以下の対処法を試してみてください。
進捗状況を確認して「待つ」
Cドライブの空き状況やダウンロードした更新プログラムに問題がないとしても、先述のとおりダウンロードするファイルサイズが大きいので、パソコンのスペックに進捗状況は左右されます。ロースペックのパソコンだとどうしても時間がかかってしまうので、進捗状況を表す%の数値が少しずつでも100%に近づいているようであれば、待つのが得策です。
Windows Updateには時間がかかるため、終業後や休日など、重要な作業・業務の妨げにならない時間帯を選ぶのも一案です。
更新を一時停止する場合は、Windows Update画面の「更新を7日間一時停止」をクリックします。終業後や休日前に更新を再開させる場合は、Windows Update画面を開き、「更新の再開」をクリックします。
タイミングを見計らって「再起動」する
あまりにもアップデートの進捗が進まない、本当に進んでいるのか心配な場合は、マシンの稼働状況をリアルタイムでチェックできる「リソースモニター」からアップデートの状況を確認してみます。
リソースモニターを開くには、スタートボタンをクリックし、「すべてのアプリ」>「Windows管理ツール」から、「リソースモニター」をクリックします。
Windows Update側ではアップデートしていることになっていても、「リソースモニター」側で見るとアップデート処理が実行されていない場合があります。この場合は、再起動しましょう。
再起動の際は必ず、スタートボタン>電源ボタン>再起動の手順で行います。パソコンの再起動ボタンや強制終了は故障の原因になってしまうので、注意してください。
セキュリティソフトを一時停止する
Windows標準以外のセキュリティソフトが、更新プログラムの妨げになっている場合があります。一旦そのソフトを停止し、更新が進むかチェックします。もし、セキュリティソフトの一時停止で更新が進み、完了したらすみやかにセキュリティソフトを稼働させます。
毎回Windows Updateの障害になっているなら、別のセキュリティソフトの導入を検討した方がよいかもしれません。
ネットワーク環境を確認する
Windows Updateはインターネットを介して行うので、ダウンロード速度は回線の通信速度次第です。もし通信速度が通常より極端に遅くなっている場合は、ルーターやハブの再起動で改善される場合があります。
トラブルシューティングツールを実行する
Windows10の「更新とセキュリティ」内の画面左側に、「トラブルシューティング」という項目が用意されています。「トラブルシューティング」をクリックし、画面中央下にある「追加のトラブルシューティングツール」をクリックします。
日を改めてWindows Updateを実行
パソコン側に落ち度があるわけではなく、更新プログラムそのものに問題があり、アップデートが進行しないケースも考えられます。
この場合、比較的早いタイミング、数日のうちに修正プログラムが配信される可能性が高いので、それを待ってみて改めてアップデートしてみるのもひとつの方法です。
Windows Updateをセーフモードで実行する
セーフモードとは、通常のパソコン稼働状況ではなく、必要最小限の構成で稼働させるモードです。余計なプログラムの干渉がない分、Windows Updateがスムーズに適用される可能性があります。しかし、他の手段でうまくいかない場合の手段と考えるべきでしょう。
セーフモードにする方法は以下のとおりです。
・Windowsアイコン>電源マークと進み、「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリック
・起動後に表示される「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選択
・「詳細オプション」>「スタートアップ設定」>「再起動」の順に進む
・スタートアップ設定が開いた後、F5キーで「セーフモードとネットワークを有効にする」を選択
この手順でセーフモードが実行されるので、その後は通常の手順同様に設定からWindows Updateを改めて実行します。
Windows Updateが進まないときにこれをやってはダメ!

Windows Updateが進まないからと言って、いきなり電源を切ったりすると、システム全体が壊れてしまうことがあります。また、Windows Updateの途中で再起動が始まったら、強制終了しないようにしましょう。再起動が始まったら基本的に止める手立てはありません。
更新がまったく進まなくなってしまったら、専門の業者にアドバイスを仰ぐことも検討してください。
また、時間がかかるからと言ってWindows Updateしないのも別の問題を引き起こします。Windows Updateには、セキュリティ的な改善プログラムも含まれています。Windows Updateしないマシンは、ウイルスに狙われやすくなってしまうのです。
最近では、業務用ファイルを人質に金銭を要求してきたり、感染したウイルスが詐称メールをばらまく事例もあり、そうした侵入の入り口とならないよう、Windows Updateをためないことが大事です。
社内に複数台マシンがある場合にWindows Update環境を改善する方法
企業内に多数のマシンがある場合、一斉にWindows Updateすると、インターネット回線の負荷が高まり、業務がとどこおるリスクがあります。
このようなリスクを回避するために、Windows Updateを行うタイミングをスケジューリングしたり、ネット回線の増強などが考えられます。しかし、ネット回線を増強すると言っても、あらたに回線を引き直すとなると、コストや業務の進行面において現実的とは言えません。
そこでおすすめしたいのが、キャッシュしたWindowsUpdateから、社内ネットワークに一括配信するシステムの構築です。更新ファイルをダウンロードする回数が一回だけになるので、インターネット回線の負荷が大幅に減ります。
例えば、ルーターにキャッシュ機能を持たせた業務用ルーター「Relay2」の導入で、ハード的に実現する方法があります。このRelay2は大手企業のほか、官公庁での導入実績もある、信頼度の高いシステムです。
Relay2の「エッジコンピューティング機能」でWindows Updateも快適
業務用ルーター「Relay2」に搭載された「エッジコンピューティング機能」は、クラウドと連携し、Relay2内でデータ処理を行うシステムです。
複数台のマシンが、社内で一斉にWindows Updateの更新ファイルをダウンロードすると、それぞれのマシンがインターネット回線にアクセスするため、回線速度が遅くなることも。
「Relay2」のエッジコンピューティングを利用すれば、「Relay2」に格納した更新ファイルをLANを通じて各マシンに配信するので、インターネット側は混雑しません。
業務用ルーター「Relay2」に格納できるファイルは、更新ファイルに限らず、マニュアルや講義の動画など、大容量ファイルにも対応しています。
また、障害等でインターネット通信ができない状況でも、電源さえ供給されていればキャッシュファイルの利用が可能というメリットも備えています。
これ以外にもWi-Fiでのメリットも多数揃った業務用ルーター「Relay2」。ぜひ以下のリンクから詳細をご確認ください。
まとめ
Windows10になり、Windows Updateは毎月の恒例行事になりました。配布されるファイルサイズも大きいため、アップデート完了まで時間がかかるようになっています。
それに伴ってWindows Updateが進まないトラブルに遭遇する可能性も高まっているのが現実です。今回紹介した対処法を試してみても、どうしても状況が改善されない場合は専門業者への問い合わせをおすすめします。
毎月の恒例行事になったことで、企業側の負担も増大しますが、その解決策としてエッジコンピューティングシステムを搭載し、スムーズなWindows Updateを実現できる業務用ルーター「Relay2」の導入をおすすめします。