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Part 3:パソコンへの接続方法とソフトの種類



 実は非常に重要なのがここだ。多くのプレーヤーはパソコンと接続してパソコンから楽曲を転送して初めて使えるようになるからだ。

 まずパソコンのハードディスクに曲をため、そこからプレーヤーに転送する。

 曲をためる方法は2つ。1つは音楽CDからリッピングする方法。もう1つはオンライン音楽配信ストアからの購入だ。後者は1曲あたり200〜300円くらいするし、日本ではまだまだ曲数も少ないため、現状では音楽CDからのリッピングがメインで、オンラインストアからの購入はサブと考えるのがいい。

 ここで重要なのは、音楽をCDからリッピングしてライブラリを作り、それを管理し、整理し、演奏し、そして個々のポータブルプレーヤーに曲を転送するためのソフトだ。これの使い勝手が悪ければそれはポータブルプレーヤーが使いにくいのと同義だし、使いやすければどんどん手持ちのCDをリッピングして持ち歩く気になる。

 今まではさまざまなソフトがあり、パソコンを使い慣れていないと難しいものから機能は多くないけれども操作が簡単なものまであった。今でもオリジナルソフトを同梱するプレーヤーも少なくないが、今後は次の3つに集約されていくと思われる。ポータブルプレーヤーに対応した汎用の音楽ジュークボックスソフトと考えればいい。


●iTunes 4.7

iTunes 4.7


 1番目は、アップルコンピュータのiTunes。これはiPodと組み合わせて使うジュークボックスソフトだが、iPod以外にも対応機器が出始めそうだ。

 もともとはアップルコンピュータのMacintoshシリーズに付属するソフトだったが、現在はWindows XP/2000版もあり、フリーでダウンロードして使うことができる。

 主な機能は、音楽CDをリッピングしてライブラリに登録し、管理したり演奏したりする機能、CD-Rに曲を焼く機能、そしてオンラインミュージックストア「iTunes Music Store」を使ってオンラインで音楽を購入する機能を持つ。ただし、iTunes Music Storeの日本版はまだスタートしてないため、残念ながら現状では曲の購入はできない。米国ではiTunes Music Storeの登場でiPodのブレイクに拍車がかかったという事象もあったため日本での早期オープンが待たれるところだ。

 対応する主な音楽フォーマットはMP3とAAC。Windows Mediaの音楽形式であるWMAはMP3かAACへの変換機能で対処しているが、著作権保護されたWMAファイルには未対応だ。

 リッピングした曲は自動的にアーティスト・アルバム別に整理される。曲には基本情報に加えて、「お気に入り度」でもあるマイレートや再生回数。追加した日や最後に再生した日なども記録される。再生回数や最後に再生した日はiPodでの再生も含むので、よく聴く曲が自分で分かっておもしろい。

 プレイリストには手動で作る「プレイリスト」とあらかじめ指定した条件でリアルタイムにリストを作ってくれる「スマートプレイリスト」があり、さまざまな使い方ができる。「ここ1カ月に追加した曲でまだ1度も聴いていない曲のリスト」なんてのが簡単に作れるわけだ。ライブアップデート機能もあるので「1カ月以内の追加した曲を100曲」というスマートプレイリストを作っておけば、新しく曲を追加するたびにそれが自動的にリストに追加されていく。これは非常に便利だ。

 またネットワークにも対応しており、LAN上にiTunesユーザーがいてそのライブラリやプレイリストを公開していれば、ほかのパソコン上の曲を聴くこともできる。これはiTunesだけの機能で、MacとWindowsが混在する環境でも使える。リビングのiTunesライブラリを寝室でも聴けるということだ。

 無線LANアクセスポイントであるAirMac Expressを使えば、iTunes上の曲を無線で飛ばしてオーディオ装置を通して演奏させることも可能だ。この無線LANを使ってオーディオ装置を鳴らすというアイデアはおもしろい。

 iPodユーザーにとって非常にうれしいのはオートシンク機能。

 まずiPodをUSB2.0かIEEE1394(FireWire)でパソコンにつなぐだけで自動的に認識をしてiTunesが起動。自動的にiPodとパソコン内HDDの楽曲データをチェックして自動的に両者の内容を比較して、自動的にiPodの内容をパソコン側のライブラリと同じに(あるいは指定したプレイリストの内容と同じに)保ってくれるのである。よって1度セッティングしてしまえば、次からはただつなぐだけで勝手に最新の状態になるのだ。これなら新しいCDをリッピングしてもすぐそれを持ち出せる。シンクロし忘れの心配もない。これは素晴らしい機能だ。



 iTunesの場合、機能的に派手なところはないが、操作の簡単さや分かりやすささはピカイチであり、プレーヤーとの連携も最もよくできているのがいい。何より、あらゆる操作においてパソコンくさいところが全くないのだ。ダブルクリックすら使わなくて済むほどである。少なくとも、iPodをパソコン初心者でも簡単に使えるようにしてくれているのはiTunesなのだ。


●Windows Media Player 10

Windows Media Player 10


 2番目は、マイクロソフトのWindows Media Player 10だ。RioやCreative、東芝のプレーヤーが対応しており、今後も対応プレーヤーは増えていくと思われる。

 Windows Media Player 10は文字通りWindows Mediaのプレーヤーソフトだが、バージョン10になって大きく変わった。ポータブルプレーヤーとの連携を強化すると同時に、ライブラリ機能も強化されて、ポータブルデジタルオーディオプレーヤーを使うための基地として十分使えるレベルに達したのである。Windows Media Player 10があれば、音楽も映像もその中でライブラリとして管理して演奏したり視聴したりCDに焼いたり曲を購入したりできるようになったのである。

 主な対応フォーマットはMP3とWMA。Media Playerなので映像も音楽も再生できるが、ここでは音楽に絞って紹介しよう。Windows Media Player 10は最初の起動時にパソコンのハードディスク内にある曲をすべてライブラリに追加してくれる。音楽CDを挿入して「取り込み」を選ぶと音楽CDをリッピングしてライブラリに登録することも可能だ。オンラインストアもスタートしており、ここで購入した曲もライブラリに追加される。現在のところ4つのお店が開店中。

 「ライブラリ」をクリックするとアーティスト、アルバム、ジャンル、リリース年などで分類され、さらに再生リストや自動再生リストといったプレイリスト機能も持っている。

 収録曲の管理もプレイリストの管理もすべて同じウインドウで操作するので曲が増えてくるとややこしくなってくるが、そこはエクスプローラ風の項目ごとに折りたたんだり展開したりする操作でフォローされている。ライブラリとプレイリストを別画面で管理できるようになればもっと大量の曲に対応できるようになるだろう。この辺は、iTunesのジャンル-アーティスト-アルバムと3階層に分かれている方法の方が整理しやすい。

 ちなみに、オンラインストアで購入した曲は自動的に「購入した音楽」というリストに追加される。これはなかなかよい。

 ポータブルプレーヤーを接続したら、同期タブをクリック。同期メニューが表示されるので、ここで同期を取る条件をセットし、同期開始をクリックするとプレーヤー内に曲が転送されるという仕組みだ。同期といっても、プレーヤーに指定したリストが追加されるというイメージで、完全にプレーヤー内部の曲とライブラリの曲がシンクロされるわけではない。あくまでも持ち出す曲を自分で選んで転送するというイメージだ。

 iTunesに比べるといささか操作が煩雑でパソコンに慣れていない人には分かりづらい面も多々あるが、多くのプレーヤーやオンラインストアに対応しなければならない関係上、しようがない面もあろう。

 逆にWindows Media Player 10の良さは汎用性。すでに6社のプレーヤーがこれに対応しているため、プレーヤーをあとから変更してもつぶしが効くのだ。また複数のオンラインストアから楽曲を購入できるのもよい点だ。


●SonicStage

SonicStage


 もともとVAIOに付属していたデジタルジュークボックスソフトで、ATRAC3を採用したOpen MG形式用ソフトが「SonicStage」だ。

 Open MG対応のオンラインミュージックストア「Mora」も始まり、11月からはMora対応のSonicStageも無料でダウンロードできるようになった。

 対応プレーヤーはソニーのNetwork WalkmanやHDD Walkmanといった製品Open MG対応製品。Open MGはATRAC3という圧縮形式と著作権保護機能の組み合わさった規格だ。

 SonicStage自体が対応するフォーマットはOpen MGのほか、MP3やWMAだが、ポータブルプレーヤーに転送するときはどの形式でもOpen MG形式に変換される。そのため、MP3やWMAのライブラリを使おうとすると変換に時間がかかることと、著作権保護されたWMAファイルには未対応なのが残念だ。SonicStageを使う人は最初からATRAC3でライブラリを作るのが効率的だ(もっとも、そうすると後からWindows Media Player 10やiTunesに乗り換えようと思ったときに困るけれども)。

 SonicStage自体の使い方は非常に簡単。

 起動すると、3つの主な機能がウインドウ上に表示される。オンラインミュージックストア(Mora)か音楽CDから「音楽を取り込む」機能、取り込んだ曲を演奏させたり整理したりする「マイライブラリ」機能。3つ目は接続したATRAC対応のデバイスに「音楽を転送する」機能だ。

 ライブラリはアルバムとアーティストで分類され、アルファベット順で並べられる。

 アプリケーションの画面や機能はシンプルだが、その分わかりやすく、パソコン慣れしてない人でもすぐに使えるようになるだろう。このデザインはiTunesとはまったく違ったテイストだけれども、なかなか分かりやすくてよい。

 ただプレイリスト作成などの付加価値的な機能がないのと、MP3やWMA形式のファイルをプレーヤーに転送するときOpen MG形式へ変換するのに時間がかかるのが残念だ。


●ソフトはどれがいい?

 主なものを3つ上げたが、ほかにも東芝のgigabeat Fにはgigabeat roomが、Rio CarbonにはRio Music Managerが、CreativeのZen Microにはメディアエクスプローラが付属し、Windows Media Player 10とオリジナルソフトのどちらも使えるというプレーヤーもある。こういう独自プレーヤーについては、各機種の項目で記述することにした。

 操作の簡便さや分かりやすさを重視するなら、特にパソコンの操作に習熟してないならiTunesが最も使いやすいだろう。初心者に最も分かりやすいのがiTunesであることに異論はないと思う。自分の音楽ライブラリをそのまま持ち出したいというコンセプトに共感する人ならなおさらだ。

 だが、データの管理は自分で自分なりにやりたい、パソコンは使い慣れているのは問題ない、という人なら汎用性が高いWindows Media Player 10も有力だ。こちらはライブラリをすべて持ち出すというより、ライブラリから聴きたい曲をまとめてドカッと持ち出すというニュアンスの使い方が向いている感じだ。


Part 1:デジタルオーディオプレーヤーの歴史
Part 2:ポータブルデジタルオーディオプレーヤーの現状
Part 3:パソコンへの接続方法とソフトの種類
Part 4:製品レビュー
 (I)小型軽量HDDプレーヤー編
  iPod mini ― アップルコンピュータ
  Rio Carbon ― リオ・ジャパン
  Zen micro と MuVo2 ― クリエイティブメディア
 (II)大容量HDDプレーヤー編
  iPod photo ― アップルコンピュータ
  H340 ― アイリバー・ジャパン
  gigabeat F20 ― 東芝
  NW-HD2 ― ソニー
Part 5:まとめ




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