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Part 2:ポータブルデジタルオーディオプレーヤーの現状



●現在の製品群を整理してみよう

 現在ではiPodを追って数々のプレーヤーが登場し、iPod人気に引っぱられる形でメジャーになってきた。それこそ従来はパソコン雑誌にしか取り上げられなかったような製品まで一般に認知されるようになってきたのだ。

 現在は、大きく分けて3種類の製品群に分かれてきた。

 1つ目は、HDDではなくフラッシュメモリを採用する「シリコンオーディオプレーヤー」と呼ばれるもの。HDDタイプに比べると容量が小さいため音楽ライブラリを全部持って行くのは無理だが(128M〜1Gバイト)、その分小型軽量化ができ、30〜50gといった超軽量の製品もある。また本体にUSBコネクタが付いており、直接USB端子に挿すだけで使えるものも多い。容量は少ないが低価格・小型軽量がウリなのだ。

 2つ目は、小型軽量タイプのHDD内蔵プレーヤー。現在は4G〜5Gバイトの製品が中心だ。超小型HDDを採用しているため、小さく作れるがその分大容量化が難しい。その代表がiPod mini。

 4G〜5Gバイトだと最大1,000〜1,500曲しか入らないが、HDDが小さいのである程度の小型化が可能になる。容量とサイズと価格のバランスが一番取れた製品といっていい。

 3つ目は、20Gバイト以上の大容量タイプHDD内蔵プレーヤー。iPodがその代表だ。このタイプは基本的に、その人が持っている音楽ライブラリをすべて持ち歩こうというのがコンセプト。そのため多少大きくはなるが(重さで100〜150g以上)、20Gバイトなら5,000曲程度、40Gバイトタイプなら1万曲ほど入る。現行の最大容量は60Gバイト。このタイプは1.8型のHDDを内蔵しているが、現在このサイズのHDDでは60Gバイトが最大容量なのだ。さらに大容量のタイプが出てくれば、ノートパソコン並のHDD容量を持つ製品も登場するだろう。

 余程の音楽マニアでない限り、これだけあれば手持ちのCDをすべてリッピングして持ち歩くことも容易だ。

 大容量タイプはその容量を生かした高機能化にも着手し始めている。すでにデジカメの画像を吸い上げる機能を持つ機種や、カラー液晶を搭載した写真を鑑賞できる機種も出つつある。将来は動画対応を含め多機能モデルが登場してくるなどフラッグシップモデルとして進化していくはずだ。

 ほかにも、Net MDやCD-R型などもあるが、今後の主流はフラッシュメモリ型とHDD型を中心に回るだろう。


●HDDオーディオプレーヤーをどうやって選ぼう?

 今回取り上げるのは、HDD内蔵タイプのプレーヤーだ。4G〜5Gバイトの小型軽量タイプと20G〜40Gバイトの大容量タイプからそれぞれ代表的な機種をピックアップしてみた。

 個々の製品をチェックする前に比較のポイントをいくつか挙げておこう。

1.収録曲数

 同じハードディスク容量でもメーカーがうたう収録曲数には結構違いがある。これはデジカメと同じだと思っていい。同じ500万画素でも画質を上げれば1枚当たりのファイルサイズが大きくなるので撮影枚数は減るし、画質を下げれば逆に撮影枚数は増える。つまり、メーカーがいう収録曲数に大きな意味はないのだ。それよりハードディスク容量に目を向けるべし。音楽の場合、ビットレートが音質に大きく影響する。簡単にいえば1秒当たりのデータ量で、kbpsという単位で表される。iPodは128kbpsで計算しているので、4Gバイト当たり約1,000曲とうたっているが、これを64kbpsで計算すれば約2,000曲となる。ここは128kbpsでの計算を目安とすべきだろう。なぜなら現在オンライン音楽配信で一般的なのが128kbpsだからだ。


2.対応音楽フォーマット

 音楽で厄介なのは、そのファイル形式が何種類もあること。現在代表的なのは4種類。1つ目は、「MP3」で最も古くから使われている形式でほとんどのプレーヤーがこれに対応している。ただし、古い分音質では劣るのと、著作権保護に未対応なのでオンライン音楽配信ではあまり使われない。2つ目は「Windows Media Audio」で「WMA」と呼ばれるもの。著作権保護にも対応しており、最近増えつつある形式だ。3つ目は「AAC」と呼ばれるMPEG-4のオーディオ版。iPodが採用している形式で、iPodは独自の著作権保護技術「FairPlay」をこれと組み合わせている。4つ目は「Open MG」で「ATRAC3」というソニー独自の圧縮形式に著作権保護を加えたもの。ネットワークウォークマンなどソニー製品が採用しているフォーマットだ。


3.使い勝手

 実は使い勝手には2通りある。1つはプレーヤーとしての使い勝手。有名なのはiPodのクリックホイールでドーナツ型円盤1つですべての操作が可能となっている。最近は指でスライドさせることで操作するスライド式(gigabeatなど)も登場しつつある。操作が分かりやすいかどうかに加えて、曲を大量に収録したとき簡単に目的の曲を探せるか、自分が求める聴き方ができるか、なども重要だ。また、液晶ディスプレイの表示の分かりやすさや日本語表示の見やすさにも注目したい。もう1つはパソコンと接続したときの使い勝手。これは次の項目で詳しくやろう。


4.機能

 音楽を聴くのが基本機能だが、最近ではそれにとどまらないものも増えてきた。マイクを内蔵していてその場で録音できるものや、デジカメをつないで画像データを直接吸い上げられるものもあるし、写真表示機能を持つものもある。

 ただ機能が増えすぎると操作がややこしくなるという側面もあり、多機能がいいとは一概にはいえない。まず音楽を聴くというメインの機能が使いやすい上で、機能の数をチェックするのがいい。


5.サイズとバッテリー寿命

 最後にこれ。同じハードディスク容量なら小さくて軽い方が持ち歩きやすいし、同じ大きさ・重さならバッテリーの持ちがいい方がよいのは道理。ただ最近はどれも10時間以上持つため、あまりこだわる必要はないだろう。


6.音質

 これは難しい問題だ。そもそも知っておくべきなのは、MP3にしろAACにしろWMAにしろATRAC3にしろ、どれも音楽CDよりずっとデータの圧縮率が高い分、音質では劣るということ。

 劣るといっても、ボーカル中心のポップス系では素人では分からないレベルだが、クラシックのように微妙な音がたくさん重なるようなジャンルや、ノイズミュージックのように圧縮しづらい曲だと気になってくるだろう。どうしても少しでも音質が落ちると気になるという耳が肥えた人は、圧縮率を下げるか(例えば128kbpsではなく256kbpsにするとか、MP3ではなくWMAやAACにするなど)非圧縮形式でリッピングするしかないだろう。その分収録曲数は減るが、しようがあるまい。大量に持ち歩くなら多少の音質には目をつぶって(というか、耳をふさいで?)、許せる音質とファイルサイズの妥協点を見つけるしかないだろう。

 もう1つのポイントはヘッドホンだ。どの製品にもヘッドホンは付属するが、付属ヘッドホンが耳に合わなかったり自分がよく聴くジャンルに合わなかったりすることもある。その場合は潔く、家電店へ行って好みのヘッドホンを見つけること。それによって音質が大きく変わることもよくあるのだ。

 もし自分が買ったプレーヤーの音質に不満があれば、リッピング時の圧縮率を下げるかヘッドホンを変えてみるのを薦めたい。


Part 1:デジタルオーディオプレーヤーの歴史
Part 2:ポータブルデジタルオーディオプレーヤーの現状
Part 3:パソコンへの接続方法とソフトの種類
Part 4:製品レビュー
 (I)小型軽量HDDプレーヤー編
  iPod mini ― アップルコンピュータ
  Rio Carbon ― リオ・ジャパン
  Zen micro と MuVo2 ― クリエイティブメディア
 (II)大容量HDDプレーヤー編
  iPod photo ― アップルコンピュータ
  H340 ― アイリバー・ジャパン
  gigabeat F20 ― 東芝
  NW-HD2 ― ソニー
Part 5:まとめ




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