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iPod miniをつないだ瞬間に、iTunesが容量に応じて、再生回数やマイレート(自分でつけられる5段階評価)などを参考に自動的に曲をピックアップしてプレイリストを作り、それを転送してくれるのだ。これには笑った。
 | | iPod mini |
考えてみたらムチャクチャ大きなお世話である。でも、初めてこういう機器を買った人にはすごく親切だ。とりあえずつなげば使えるようになるからである。その後で、自分で聴きたい曲を選ぶ方法を身につけていけばいいだけのことだ。
もちろん、自分のことは自分でやる、って人は凝ったプレイリストを作って本当に聴きたいモノだけをiPod miniに転送すればいい。その辺の柔軟性はちゃんともっていて、スマートプレイリストという「指定した条件に応じてリアルタイムで作ってくれるプレイリスト」を使えばかなり細かい条件も指定できる。
例えばわたしのiPod miniには「再生回数が6回以上か、曲を追加した日が8週間以内か、マイレートが☆3つ以上か、2年以上前に再生したきりの曲の4つの条件のうち1つでも満たしているものから、iPod miniに入る分をランダムで選べ」という条件で選ばれた曲が入っている。おかげで、iPod miniに何を入れようか悩まなくても済むのだ。
もし「音楽CDをリッピングしてiPodに転送する」という手続きが面倒だったり、使い勝手が悪かったら、iPodがいかに売れても使い続けてもらうのは難しかったろう。重要なのは、買われていったiPodがちゃんと長く使われるかどうかなのだ。
iPodより多機能なハードディスクプレーヤーはいくつもあるけれども、多機能なだけでは一般ユーザーに普及しないのだ。
●そしてiPodは生活を変えた!
わたしもカセットタイプのウォークマンからはじまり、CD、MDと来て、SDカードを使ったデジタルプレーヤーも2つほど持っていた。でも結局一番長続きしているのはiPodだ。あまりに操作が簡単なおかげで、新しいCDを買うとまずiTunesに読み込む習慣ができたし、「出かけるとき今日はどの曲を持って行こう」と悩むことがなくなったからである。とりあえず持って行けばiPodの中に何かしら聴きたい曲が入っているからである。
かくしてiPodはわたしの生活を変えた。
iPodとiTunesのおかげで音楽を聴く機会が増える。すると新しいCDを聴く余裕が出てくる。音楽CDを買う機会が増える。
レコード会社がCCCDを導入したときの理屈とまったく逆のことがわたしの家では起きていたわけである。
ソニーのウォークマンは音楽を聴くという生活を変えた。それまで家で聴くものだった音楽を外へ持ち出し、ヘッドホンというパーソナルな空間を作り出した。やがてウォークマンはCDやMDに姿を変えたが、その基本は同じだった。
iPodはそれを進化させたのだ。
ウォークマンは家を出るとき「その日に聴くテープやディスクを選ばねば」ならなかった。それが一番の欠点だった。少なくともわたしにとってはそうだ。よほどのマニアでなければ、バッグにCDを何枚も入れて持ち歩くなんてしない。
iPodはとにかく持ってでかければ、そこに聴きたい曲が入っている。何よりもそこがうれしい。iPodを使い始めて以来、少しずつ曲を溜めていき、うちにある音楽CDをすべてiTunesに入れた。だいたい4,000曲で18Gバイトくらいである。20GバイトのiPodがあれば全部入る。だからそれを持って行けば、自分が持っている(つまり聴くことが可能な)曲をすべて持ち出せるのだ。これは新しい概念だと思っていい。外出し、電車に乗ってから「さて、今日はどれを聴こう」とそのときの気分で決められるのだ。
iPodを追いかける製品は、ソニーからも東芝からも出ているし、iPodより軽くて多機能で低価格な製品も出てくるだろう。でも最終的に、iTunes+iPodより便利で簡単で使いやすい環境を作れない限り、iPodを超えることはできない。それまではiPodとiPod miniが一番のお薦め商品でありつづけることだろう。
(荻窪圭)
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