★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
現実世界のユーザの問題にサービス提供側はどう立ち向かうか―オンラインゲーム専門部会第11回研究会
5月29日
ブロードバンド推進協議会(BBA)は5月25日、「オンラインゲーム専門部会(SIG-OG)第11回研究会」を開き、「オンラインゲーム運営が抱える課題」をテーマに講演とディスカッションが行われた。今回は、ユーザによる自傷行為・犯罪予告などがオンラインゲーム上で発覚した場合のサービス会社側の対応について、また不正アクセスやチート行為等を行うユーザに対する対応など事業者間の連携の必要性について話し合われた。
講演を行ったのは、「真・三國無双 BB」などを運営するELEVEN-UP取締役である栗原哲氏と、「RED STONE」などを運営するゲームオン システム管理本部執行役員 部長/CISOの萩原和之氏。ディスカッションには、栗原氏・萩原氏に加え、IGDA日本代表・立命館大学講師でSIG-OGの部会長でもある新清士氏と、新氏の要請により飛び入りで、「リネージュ」などを運営するエヌ・シー・ジャパンのアドミニストレーションチーム GAパート/パートリーダーの天野浩明氏が参加した。
ELEVEN-UP取締役 栗原哲氏
栗原氏は、「ゲーム内での犯罪・自傷行為等の予告への対応について」と題して講演し、オンラインゲーム中でユーザが現実世界での犯罪や自傷行為、自殺の報告・予告をした場合の対策について述べた。運営側がそのような情報を検知した際、警察への通報の義務が発生する。その際、ELEVEN-UPではユーザの個人情報を持っていないこともあり、IPアドレスとゲームIDの情報を110番通報することにしているという。警視庁には「ハイテク犯罪対策総合センター」もあるが、平日の昼間しか電話を受け付けていないため、オンラインゲームのコアタイムと異なるし、緊急の通報には不向きという理由もあり、110番ということになる。まだ、個人情報を開示できなければ警察も対応しづらいと考えられ、運営者の対応だけでは根本的な解決には至らない心配があるという。
他に心配される問題としては、ゲームマスターのサポートに対してユーザが不満に思い、「いまから運営会社に行く」と言われる問題だという(会場からは、「実際にそうしたユーザが会社に来たこともある」という発言もなされた)。
また、ユーザから「チャットをしていた友達が気分が悪いと言っていたが、そのキャラクターが動かなくなった。病気で倒れたのではないかと心配だ」という相談があった場合はどうするかという問題がある。この場合、たいていはゲーム中に居眠りをしてしまういわゆる「寝落ち」だとは思われるが、もしもの場合を考えると対応が難しい。
エヌ・シー・ジャパン アドミニストレーションチーム GAパート/パートリーダー 天野浩明氏
こうした問題に関連して、天野氏が補足した。人命に関わる場合は110番するように、警察は指導しているのだという。個人情報の開示はデリケートな問題だが、個人情報開示のリスクと人命のリスクを比べると人命の方が重く、そちらを尊重する対応を一般のインターネットプロバイダは行っており、オンラインゲーム運営側もそれに倣うべきではないかと考えられる。仮にユーザによる虚偽の通報であっても、運営側は善意で110番する必要があるのだという。ただし、通信の守秘義務があるため、チャットのログなどをそのまま警察などに提出することはできないそうだ。
栗原氏は、「このような対応について、同業者で協力して対策を練る必要がある。技術的な問題とは違って、機密情報にはあたらないので、協力できるはずだ」と提言して講演をまとめた。
ゲームオン システム管理本部執行役員 部長/CISOの萩原和之氏
続いて、萩原氏が「不正行為対策の業界連携について」と題して講演した。運営側は、初心者を含めたユーザが安心して使ってもらえる環境づくりを行いたいが、安全性を上げると利便性は減り、コストもかかるというジレンマに陥っているという。
課金方法に関しては、以前主流であった月額課金型は、定量的・継続的な収益が見込めるだけでなく、参加意識の高いユーザが集まるので荒れにくくなるというメリットがある反面、客単価を上げることが難しく、敷居が高いために新規ユーザを獲得するのが難しいというデメリットがあった。一方、現在主流となったアイテム販売型では、客単価を上げることができ、新規ユーザの獲得が容易である反面、売り上げの規模が予測しづらく、またモラルの低いユーザも集まるので荒れやすくなり、真面目なユーザが離れてしまうというジレンマもあるのだという。
また、アイテム販売型では、禁止しているRMT(リアルマネートレード)が発生しやすくなり、主に海外からの不正アクセスやチート行為等が増えてしまう。それを目にしたユーザからは「なぜ取り締まらないのか。不公平だ」という不満や問い合わせが発生し、ユーザ離れや対応コストの増大に繋がってしまう。
運営側は、悪質なユーザによる不正ツールの使用・不正決済・不正アクセスに対して、本人認証の徹底化、コンテンツ経済の分析監視や、特定海外からのアクセス遮断、定期的な脆弱性診断などさまざまな取り組みを行っているそうだ。しかし、業者によっては、集客性や利便性向上のため、インターネットプロバイダなどと提携し、ユーザのアクセスチャネルを増やしているため、ゲーム運営側の直接管理が行き届かない、本人認証を実施していないサービスからの不正アクセスを許してしまうこともあるのだという。
荻原氏は、「悪質なユーザから真剣にプレイしているユーザを守り、安心してプレイできる環境を作るために、業界で連携していきたい」と提言して講演をまとめた。
続くパネルディスカッションでは、「オンラインゲームサービス提供者が協力し、業界全体で取り組んでいくのが理想だが、会社の規模・ビジネスモデル・参入時期の違いなどもあり、難しい」、「失敗情報は恥になるために、各社出したがらないので情報の共有が困難になる」、「担当省庁も、インターネット関係は総務省の管轄だが、ゲームとなると経済産業省の管轄になるために煩雑さがある」などの意見が出た。
次回の「オンラインゲーム専門部会(SIG-OG)」は、拡張版として7月下旬に開催予定。
(茂内克彦@RBB)
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