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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
2007年のGDC報告会で語られた「今年の収穫」とは
3月28日
小野憲史氏
 3月9日までサンフランシスコで開催された世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference 2007(GDC07)」。日本から参加した開発者やジャーナリストによるGDC07の報告会がIGDA日本によっておこなわれた。

 まず冒頭に挨拶に立ったIGDA日本の新清士代表は、GDC期間中に行われたIGDAの年次総会の報告と、今年後半に向けたゲーム開発系カンファレンスの流れについて状況を紹介した。IGDAでは現在、各地のチャプタがさまざまな規模で活動しており、そうしたチャプタが自立的に活動できるよう“連邦制”へとシフトさせようとしている。各国のチャプタのフォーマル化を進めており、IGDA日本も日本の法律に基づく法人格取得をめざすという。新氏は、GDCが巨大化するにつれ、開発者コミュニティが分化してきていると指摘。ウィル・ライト氏がGDCでの講演を回避したように、IGDAやSIGGRAPHなどのコミュニティを中心に開発者コミュニティの分化(専門的なトピックについて、よりつっこんだ議論ができる場をGDC以外に整備しようという動き)が進行しているという。

 ライターの小野憲史氏は「GDC2007日本人講演者の講演から見えて来るもの」と題して講演をおこない、日本人講演者の講演傾向(ゲームデザイン関係が多い、大手だけではない、英語でのスピーチしたセッションが出てきはじめた)を紹介。GDCの講演以外の楽しみとして、パブリッシャとデベロッパをマッチングする「GameConnection」をあげた。

 ISMの谷口敦氏は、参加パスの選択のノウハウやセッション選択の注意を紹介。谷口氏はGDC参加にについて、「(GDCが巨大化しているとはいえ)開発者は一度は参加したほうがいい。日本のゲームコンテンツの底力を再認識できる。英語で物事を考えて話し、日本語から離れると日本がみえてくる」と語り、「英語のリスニングはしっかり勉強してからいきましょう。ホテル情報はきっちりチェックしましょう」とアドバイスした。

 トライゼットの西川善司氏は、動きとして捉えておきたい点として「Game3.0」をあげる。これはSCEのフィル・ハリソン氏の基調講演でキーワードとなった言葉で、ユーザがゲームコンテンツの発信源となる可能性を示したものだ。PS3にとってのGame3.0については、「HomeをやりたいがためにPS3を買うかは疑問だが、囲い込みコンテンツとしては最高」と指摘。また、最新ミドルウェア事情として、CRYTEKが開発中のDX10世代ゲームエンジン「CRY ENGINE 2.0」を紹介。CRY ENGINE 2.0では屋外のリアルな表現に注力されており、空を光の散乱シミュレーションで生成したり、雲をポイントスプライトを組み合わせて、形や光を変えながら表現したり、不透明感のある水面など一歩進んだ水面表現も実現しているという。

 セガの林洋人氏は「地道で地味なGDC」と題して、プログラミングセッションの今年の傾向と、レアの講演「Shared Technology at Rare: Good and Bad」を紹介。プログラミングセッションではマルチスレッドやCell、Direct3D 10、XNAについてスポンサーセッションが中心だったことから、開発事例より「これからこうなる、こういうふうにこの機能は使ってほしい」といったメッセージが中心だったと振り返る。
 また、レアのセッションについては、共有テクノロジグループ(STG)による「失敗例と教訓」を紹介するもので、社内サポート部署についての地道なテーマを発表できるほどに整理できていることに驚いたという。セッションの内容としては、共有技術の開発をおこなうSTGにおける、開発プロセスや配布とサポート、クライアント(社内開発チーム)との関係について、これまでの改善の経緯や残っている課題を紹介するものだったという。ゲームエンジンを作るのではなく、個別のコンポーネントをストックするように変更、アジャイル開発手法を取り入れてフィードバックを組み込むようにしたという。ただ、提供中のコンポーネントのバイナリ変更(クライアント側でのファイル修正などが発生するもの)は課題で、リファクタリングのメリットとお客様のコストのバランスをどう取るかや、ドキュメント整備が難しいことなどが挙げられた。

 最後に、講演を行った小野氏、林氏、谷口氏、西川氏、新氏に、ITジャーナリストの後藤弘茂氏を交えて、GDCを振り返るパネルディスカッションもおこなわれたが、後藤氏は「依然としてソフトウェアの生産性が上がる方向に向かってないのが印象的。ハードウェアの進化にソフトウェアに追いついてない。開発者を楽にする方向に向かってないところがある」と指摘。新氏は「オンラインについてはセカンドライフの成功が北米では刺激的に映っていたようだ」とし、PS3の「Home」については西川氏が「実績やチャットなどXbox Liveと要素的にはかわらない。Xbox360のインターフェイスはそこそこ使いやすいので、Homeも(3Dアバタを使わず)機能に直接アクセスする操作系が求められるかも」と指摘。林氏も「人が一番はまるのは最初に触れるオンラインゲーム。PS3にHomeが標準装備されるようになったら、Homeを超える面白さを市販オンラインゲームはどう提供するのかが課題になるだろう」と述べた。
(伊藤雅俊@RBB)
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