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【GDC07】米国における「ゲームに対する法規制」との戦い、MMORPGにも波及か
3月10日
IGDA(国際ゲーム開発者協会) ローレンス・G・ウォルターズ氏
 Game Developers Conference 2007で、IGDA(国際ゲーム開発者協会)のローレンス・ウォルターズ氏は、ビデオゲームに対する法規制の現状と今後の課題について講演を行った。氏は、ビデオゲームの表現力向上にともなって性表現や暴力表現への規制の動きが強まってきており、憲法で認められている表現の自由によって守られているものの、ラベル・レーティング表示の活用やロビー・広報活動の強化、法廷闘争だけでなく人々に対するアピールが必要だと述べ、最近起きている問題としてMMORPGとビデオゲームのダウンロード販売(VGOD/Video Game On Demand)があると指摘する。

 ウォルターズ氏はまず米国内でのゲームに対するさまざまな規制の動きについて紹介。「子供を守れ」という旗印のもとで郡や州によるゲームに対する法的規制の動きがあるものの、それらの法律はアメリカの憲法修正第一条に違反しているとの判決が下されているという。また裁判の中では、現実の犯罪などの行為がゲームによってもたらされたという明確な証拠はないとも繰り返し指摘されているようだ。(ポルノについては修正第一条による保護対象ではなく、本や映画、ビデオなどと同じ基準[ミラーテスト]が適用される)

 ただ、それでもヒステリックな「アンチゲーム」の動きは止まらない。州や郡レベルでの法規制の動きは各地で続いているほか、連邦政府レベルでも2006年にゲームの子供への影響を調べるため9千万ドルの予算がつけられた。また、反ゲーム活動家 ジャック・トンプソン氏のように、ゲームに対する批判発言がメディアで取り上げられる人物もいる。トンプソン氏はBULLY(Rockstar Games)に対して批判を展開、次はグランドセフトオートIVをターゲットにしているという。

 そしてウォルターズ氏は、今後注目が必要なものとしてMMORPGとVGODをあげる。

 氏は、MMORPGには「バーチャルな犯罪」と「RMT」「ゲーム内通貨・アイテム価値に対する課税」といった新たな問題が内包されていると指摘。ゲーム内での窃盗や詐欺、婦女暴行といったバーチャルな犯罪が現実世界での処罰対象となるのかについては注意が必要だろう(ゲーム内での婦女暴行というのはイメージしにくいかもしれないが、生活シミュレーション系のタイトルで起きるようだ)。RMTと課税については米国では動きが出始めているものの、国外のプレイヤーについてはどうするのかといった点が現在はまだ不透明だ。

 また、ブロードバンドの普及によって実用的になってきたVGODサービスについては、ネット経由ということで現実の場所に縛られない点と年齢認証の問題を指摘。場所の問題というのは、どこの法律が適用されるかに関わってくるため、州や郡によって規制が大きく異なる米国で特に重要だ。また、年齢認証は実際に買った人の年齢をどう確認するかということ。プライバシーの問題もありこちらも一筋縄ではいかない。

 ゲームに対する検閲や法規制の今後について、ウォルターズ氏は「これまでは訴訟で勝っているが、当局が何らかニッチな規制をかけてくるのは時間の問題」とし、当局の今後の方向性について「性表現にフォーカスしてくるだろう」「暴力については判断基準を変えてくるだろう」「時間や場所にもとづく規制は今後さらに増えるだろう」と予測。ゲーム業界はこうした動きに対抗するため、ゲームに関する肯定的な研究を進める、ラベルやレーティングをより記述的にしていく、ロビーや広報活動をよりアグレッシブにしていく、継続的な法廷戦術を持つ、といったことが必要とし、マーケットと消費者、ゲームのために法規制と今後も戦っていくことが必要だと述べた。

 日本でもゲームに対する法規制の動きがあるが、日本国憲法21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と明記されており、ゲームが「表現」であると自認するのであればゲーム業界はこうした規制にはきちんと立ち向かう必要がある。憲法は黙っていても守ってくれる存在ではなく、憲法第12条にあるとおり「憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」からだ。
(伊藤雅俊@RBB)
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