Thunderbirdの次期バージョンは、Firefoxの機能を取り込んで使いやすく | RBB TODAY
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Thunderbirdの次期バージョンは、Firefoxの機能を取り込んで使いやすく

ブロードバンド その他
Mozilla Japan 代表理事 瀧田 佐登子氏
  • Mozilla Japan 代表理事 瀧田 佐登子氏
  • Mozilla Japan 技術部 吉野 公平氏
  • メッセージをタグで整理できる
  • 検索もダイアログから検索バーになって操作性がアップ
  • ビデオメッセージを寄せた、慶應義塾大学環境情報学部の村井 純教授
 Mozilla Japanは3月9日、東京都内の会場でメール・クライアントThunderbirdの次期バージョン「Thunderbird 2」の機能概要に関する説明会を開催した。なお、Thunderbird 2は現在β2が配布中で、来週後半にRC1が公開され、正式版は3月末にリリースされる予定になっている。

 冒頭で挨拶を行なったMozilla Japan代表理事の瀧田 佐登子氏は、同じくMozillaで開発/配布しているWebブラウザ「Firefox」に比べてThunderbirdに対する注目度が低い点を踏まえ、「インターネットを取り巻く環境が大きく変化しており、インターネット利用の中心もメールからWebに移った結果、メールもWebメールでよいという声もある。しかし、Thunderbirdではローカルで動作するメールクライアントならではの意義や位置づけがある」とし、今後もメールクライアントの改良/進化を継続していくことを明らかにしている。

 続いて、Mozilla Japan技術部の吉野 公平氏から、主な新機能についての説明が行なわれた。

 Thunderbird 2の主な特徴として吉野氏が挙げたのが、

1. Firefoxの機能をThunderbirdにも
2. Webメールやフィードをオフラインで
3. メッセージの効率的な整理を可能に
4. 機能と開発体制の両面でセキュリティを向上

の4点だ。さらに、全体を貫く開発方針として「ユーザーの声を反映した新機能と改良」を実現していくことが表明された。

 具体的な新機能として、Firefoxで好評を得た機能のいくつかがThunderbirdにも導入されている。たとえば、新機能として導入された、タグを使ったメッセージの整理機能では、メールメッセージに対してユーザーが自由に定義できる「タグ」を付与することができる。従来はラベルとして同様の機能があったが、種類が5種類に限られていたうえ、メッセージに付与出るのは1つだけだった。タグはユーザーが任意にいくつでも定義でき、メッセージに付与する数にも制限がないという。さらに、検索機能や表示オプションとも統合されており、多数のメールの中から必要なメッセージを抽出するために役立つ機能となっている。

 また、フォルダビューが選択可能になり、新たに「未読フォルダ」「お気に入りフォルダ」「最近使ったフォルダ」という3種のビューが追加されている。ビューを切り替えることで必要なフォルダだけを表示できるので、目的のメッセージを見つけやすくなるという。「メッセージの表示履歴」もFirefox由来の機能で、ツールバーに「戻る」「進む」ボタンが追加されている。Webブラウザと同様に、前に表示したメッセージに戻る、という動作が可能になったことで、多数のフォルダをまたいでメールを閲覧している場合のナビゲーションが容易になる。

 Webメールやオフライン機能の強化としては、Gmailなど代表的なWebメールサービスの設定ウィザードが用意され、ユーザーはユーザー名とパスワードだけを設定すれば、その他のサーバ設定等が自動で完了するという。

 会場では、Thunderbirdの熱心なユーザーでもあるという、慶應義塾大学環境情報学部教授の村井 純氏からのビデオメッセージも公開された。その中で村井氏はThunderbirdについて、「エクステンションによる機能拡張が容易なThunderbirdは、新技術のプラットフォームとして、新しいアイデアや技術を試す場としても重要な存在だ」とし、今後の発展に期待するコメントを寄せていた。
《渡邉利和》
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