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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
MMORPGとゲーム内広告で新たな挑戦― ハイファイブ澤氏に聞く
2月22日
ハイファイブ・エンターテインメント 澤紫臣氏
 今年2月、オンラインゲームの開発・運営をおこなうハイファイブ・エンターテインメントと、インターネット向けアフィリエイト広告事業を展開するアドウェイズが、オンラインゲームと広告について業務提携をおこなった。

 開発・運営負荷の大きいMMORPGを広告で展開しようというハイファイブ・エンターテインメントはどのような見通しを持っているのか。同社代表取締役 澤紫臣氏にその背景を聞いた。


Q:アドウェイズと御社の提携のきっかけは?

 昨年、ゲーム内プロモーションとして、『ブライトキングダムオンライン』のローディング画面に少年漫画雑誌やゲーム用PC、無線LAN機器などを掲載しておりましたところ、各方面からゲーム内広告についてお問い合わせいただくことが多くなりました。

 しかし、それまでブラキンで取り組んでいたのは、あくまでもゲームに関連するタイアップ商品があったり、キャンペーン企画と連動していたりと、ユーザに利がある形のものであったんですね。それに対し、問い合わせのほとんどが「ゲーム内に看板を立て、そこを広告枠として販売」という紋切り型のものだったんですね。

 ちょうど、アドウェイズさんが上場した昨夏くらいに、スタッフからアフィリエイト広告のことを聞きまして、ネットワーク型、口コミ型といいましょうか、そのあたりに強いものなら、オンラインゲームと親和性が高いんじゃないか、と思ったのがきっかけです。その後、ちょっと簡単なアイディアを練ってから、ミーティングの機会を持つことになりまして、それが昨年末くらいですね。


Q:そもそもゲーム内広告は成立するのでしょうか?

 「ゲーム内看板」ですと、ゲーム世界の懐の広さが必要になると思います。現実の世界を模したゲームでしたら、街の中に看板を置くというのは考えられると思いますが。タイアップなどでゲーム世界の中に広告商品の形をしたアイテムを投入し、プレイヤーは無償でそれを手に入れられるなどでしたら、事例も多いですし成立すると思います。

 ただ、「何でもアリ」というようなゲーム世界は、弊社ですとブライトキングダムオンラインのアイテムラインナップの傾向で、かなり「やりすぎ」のギリギリラインではないかと。『天道オンライン』では世界観に合わせたアイテムしか入れてきていないですし、ゲームによって得手不得手があると思います。


Q:ゲーム内広告について、コンバージェンス等、数字の見込みはどのくらいで想定されているのでしょうか?

 実際のお金をお財布から出させることはないのですが、感覚として月額1,000円〜2,000円のゲームだと想定して、それに応じた形のアフィリエイト広告に触れる機会を持ってもらうことを考えています。3か月程度で延べ10万人くらいが一度でもプレイしていただけるのならば、最初のケースとしては軌道に乗っていくのではないか、と思います。

 これはアフィリエイト広告だからできることであって、看板型広告で1インプレッションいくらとWeb広告の経験をベースに計算してしまうと、一か月に何千回も広告をユーザーに突きつけなければなりません。もちろんゲーム内滞在時間や、商品説明の深さをどの程度していくかなどもあるので、計算は複雑になるか、あるいはかなりのどんぶり勘定になってしまうかだと思うのですが、広告単価の部分で我々がそれを見誤ってしまっては本末転倒だなと。そういった点でもアフィリエイト広告は成果報酬がベースなので数字が見えやすいですね。


Q:リリースを拝見するとアフィリエイトがメインのようですが、いわゆる純広告はゲーム内広告では難しいということでしょうか?

 難しいというより、親和性の高さを考えてアフィリエイト広告という考えに至ったので、純広告的なことも考慮にないわけではありません。ただし、第一弾であるMMORPGに関しては、派手に「ゲーム内看板」をやることはしないと思います。ゲーム内に何か露出するにしても「ネーミングライツ」のような形が面白いのではないかと思いますね。

 かたや、こちらは第二弾になるかはわかりませんが、現在サービス準備を進めておりますテニスゲームは、看板がスタジアム内にあるので純広告は問題ないと思います。ただし、枠を売るというより、タイアップのために使用するほうが限りなく自然です。


Q:4月から広告ベースで無料提供されるというゲームは新作ですか? どういったジャンルですか? 対応プラットフォームはWindowsですか? 開発元は?

 4月からのゲームは、これまでハイファイブが運営してきたゲームではなく、新しく始めるものです。MMORPGでWindows版です。通りいっぺんのものではなく、フル機能のMMORPGです。詳しいことは、どのような方式でアフィリエイト広告を取り入れていくのかとともに発表する予定です。いましばらくお待ちください。


Q:4月からのゲームでは、どのように広告を取り入れていくのでしょうか?

 プレイヤー視点で「広告のためにゲームをやっている」と露骨に感じられてしまうようなことがあれば、それが一番避けたい事態です。ゲームのために必要な箇所を、広告にからめることでそれに触れていただくというくらいのバランスが、丁度良いのではないかと。そういった点でアフィリエイト広告の仕組みは柔軟性があるので、会員獲得からプレイ中に必要な部分まで、幅広く有用だと考えています。

 そのほか、ゲーム内の街やNPC、アイテムやモンスターに広告主が名前をつけるネーミングライツ、あるいは実際にそれをするかどうかは別として、命名はプレイヤーにしていただくけれど、応募の部分でアフィリエイト広告がからんでいるような「スポンサーアドの命名キャンペーン」もあって良いと思います。

 もちろん、ローディング画面やランチャ画面などにも広告枠を設けられるので、そのあたりについてゲームの雰囲気を損なわない程度に、というのは、アドウェイズさんと弊社の一致した見解です。


Q:オンラインゲームの運営コストを広告でまかなうために、クリアすべき条件というか必要条件はどういったものがあるでしょうか? アクティブ会員数であったり、広告クリエイティブの厳選であったり、逆に運営費の低コスト化であったり。あるいは単に、ゲーム内で初期出現位置もしくはログオフ時に必ず広告を出す、といったことかもしれません。一般的に、澤さんがお考えになる条件としてお聞かせ願えればと思います。

 クリアすべき条件としては、一番大きいのがアクティブ会員数ではないかと思います。

 また、この条件は、あくまで運営していく側の観点でしかないので、プレイヤーまで含めて考えると、サービスを提供していく上でのサービスメニューをどう位置づけるか、というほうが悩みどころです。

 例えば、現在MMORPGにおいて主流となった「基本無料+アイテム課金」モデルに関して、ほとんどのパブリッシャさんが悩んでいることだと思うのですが、お支払いいただいている方と、お支払いいただいていない方とのサービスの差別化が難しいというのがあります。

 弊社にしてみても、例えばゲーム内イベントをGMが開催しても、パッと見ただけでは、どの人がお支払いいただいている方で、どの人がお支払いいただいていないのか、キャラクタを見ただけではわかりませんし、わかったとしても目に見えて差別的に接客することはゲーム内では難しい。世の中のサービスを見渡してみても、無料・有料の二種類のユーザが混在している状況で同一のサービスを受けられる、というのは珍しいほうではないかと思えるくらいです。
 そういう前提があって「広告モデルに必要なサービスの条件」という悩みといいますか、課題ですね。それは必然的に出てくると思います。


Q:既存タイトルの「広告ベース運営化」は現実的な話として、ありでしょうか?

 既存タイトルを完全に広告ベースにするのは、パブリッシャ単独では、有りや無しやというより無茶に近い気がします。弊社もアドウェイズさんのノウハウもあって初めて実現できるところがありますし。先に述べましたタイアップアイテムの単独投入でしたら、どんなゲームでもできるんじゃないかと思いますが、運営にかかる費用まで全て賄うのは、難しいかもしれませんね。


Q:モバイル(携帯電話)オンラインゲームでの広告の可能性について、澤さんのご意見をお聞かせください。

 モバイルは、すごくわかりやすいし触りやすい。そこに成功があるとしたら、デバイス&プレイスの勝利だと思います。ただ、私はゲーム運営のことをどうしてもまず最初に考えてしまうので、企画広告やタイアップに強く、柔軟性があるPC向けオンラインゲームに比べて、運営色の薄いモバイルオンラインゲームでの広告展開は、パターン化とクリックレート頭打ちとの戦いを常に勝ち続けていく必要があるんではないか、と思っています。パターン化というのはユーザ行動のパターン化ですね。

 まあ、そういったこともありまして、アフィリエイト広告といっても、様々なメニューを用意して、ユーザが触れる部分を多くしていくのが、今回の提携プロジェクトで継続的に力を入れていくところだと思います。広告の量よりバリエーションですね。


Q:なるほど、ありがとうございました。
(伊藤雅俊@RBB)
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